今回はサイディング外壁の張り替えと屋根葺き替え、付帯部塗装をおこなった施工事例です。補修箇所も多く、以下のような方はとても参考になります。
この記事が参考になる人
- 築年数が経過している方
- 外壁の色あせが気になる方
- 前のメンテナンスから期間が10年以上経過している方
- 全体的な劣化が気になる方
使用材料 | ニチハ モエンサイディングW14 ハッシュウォール調(外壁) セキノ ダンネツトップ8-1(屋根) ロックペイント エバーロック(軒天) Panasonic パラスケア(雨樋) ニチハ アウディGL(破風) シルビアNADシリコン(出窓・戸袋) 日本特殊塗装 シルビアNADシリコン(ベランダ) |
工事費用 | 700~750万円 |
施工の流れと内容
屋根 | 水はけが悪く、雨漏りの原因になるシーリングが屋根の全箇所で見つかりました。シーリングを剥がす際に屋根材が傷ついたり再塗装できなかったりするリスクを考慮して、葺き替えをおこないました。 |
外壁 | 外部は塗装してもすぐに塗膜が剥がれる恐れがあるため、サイディングを張り替えました。また、ベランダ床部分は防水塗装しました。 |
雨樋 | 大きな劣化は見られませんでしたが、屋根葺き替え・破風交換と合わせて雨樋を交換しないと雨を集水できません。そのため交換しました。 |
破風 | 塗膜の劣化が顕著だったため、交換しました。また既存の破風が通期の妨げになっていたため、構造を変更しています。 |
軒天 | 雨染みが見られたため、性能維持のために再塗装しました。 |
施工の流れ
- 依頼・点検
- 剥がし検査
- 外壁の張り替え(サイディング)
- 屋根の葺き替え
- 破風・雨樋交換
- 軒天・出窓・雨戸塗装
- ベランダ防水工事
- 完成点検
外装診断の結果
お客様から外壁リフォームのご相談を受け、外壁や屋根などの調査をしたところ以下のことが判明しました。
外装診断の結果
- 剥がれ、色あせなどの劣化が外壁に見られた
- 屋根にシーリングがされていた
- 破風に大きな劣化が見られた
外壁は色褪せ・塗膜の剥がれが激しく、東面・西面で高い水分量(50%以上が異常値ですが50~55%台)が測定されました。剥がし検査の結果、内部は問題ありませんでしたが、外部の劣化が著しいため、張り替えをおすすめします。
屋根部分にシーリングをすると水はけが悪くなり、雨漏れの原因になります。今回は屋根と屋根材の間、棟と屋根材の全箇所で見つかり対処が必要です。シーリング材の種類によっては再塗装できないため、葺き替えを提案しました。
破風の劣化が著しかったので、交換を提案します。なお、雨樋は屋根・破風と合わせて交換しないと雨の集水を行えないため、同時交換が良いです。
その他、付帯部に大きな劣化は見られませんでしたが、性能維持のため再塗装をおこないました。
サイディングの剥がし検査
基準値よりも高い水分量を計測。
内部までチェック。
シートの剥がれが見られる
外壁の湿度は、劣化が激しいと言われる50%を超えていました。内部に大きな劣化は見られませんでしたが、外壁の損傷が激しいため張り替えを行います。
外壁下地作成工事
防水シートの設置。
胴縁の設置。
胴縁の釘部分が浮いていたため、胴縁を打ち直しました。
外壁張り替え
使用材料:ニチハ モエンサイディングW14
外壁を張り替える。
下から上に張り替える。
内部を張り替え終えたら、新しい外壁を設置します。今回は4種類あるサイディングの中の、窯業系サイディングを使用しました。
窯業系サイディングは、4つのサイディングの種類の中で、最も人気の外壁材です。デザインの豊富さや耐久性の高さが特徴です。他には、金属系サイディング・木質系サイディング・系サイディングがあります。
詳しくは下記の記事で解説しています。
既存屋根解体工事
既存屋根を一枚一枚外す。
下地部分を傷つけないように外す。
新しい屋根に葺き替えるため、既存の屋根材を外しました。
野地張り工事
新しい野地板を張る。
増し張り工法。
屋根材の下地、野地を新たに張ります。今回は既存の野地の上に板を張り強度を高める増し張り工法を採用しました。
ルーフィング工事
使用材料:PカラーEX
ルーフィングで防水機能を高める。
ルーフィングは屋根材の隙間に入った雨水の内部への浸透を防ぐための防水シートです。野地と屋根材の間に張ります。
屋根葺き替え
屋根材を一枚一枚張る。
形が長方形でない部分も。
新しい屋根材に葺き替えます。今回は、既存屋根に設置されていたシーリングを外す目的だったため、新しい屋根材を設置する葺き替え工法を採用しました。
破風交換
激しい劣化が見られる。
既存部を外す。
破風は大きな劣化が見られ、放っておくと雨漏りの原因に繋がります。既存の破風は外し、新しい部品に交換しました。
軒天塗装
上塗り。
軒天は大きな劣化が見られなかったため、交換など大掛かりな工事はおこなわず性能維持を目的に塗装しました。
出窓塗装
ケレン。
上塗り塗装。
出窓はメンテナンス塗装をしました。塗料との密着性を高めるため、ケレンで表面上の汚れやサビを落とした後に、塗装します。
戸袋・雨戸塗装
使用塗料:日本特殊塗料 シルビアNADシリコン
表面の汚れを取る。
黒色に変更。
戸袋・雨戸も塗装しました。
ベランダ工事
使用塗料:日本特殊塗料 タフシール300
使用材料:文化シャッター 直線縦格子K型
アセトン拭き。
ローラーで丁寧に塗装。
トップコート塗布。
ベランダを再塗装して、防水機能を高めます。塗料の耐久性・防水性を維持するため、中塗りと上塗りをします。
雨樋交換
使用材料:Panasonic 【軒樋】丸60【竪樋】パラスケア
新しい雨樋を付ける。
屋根・破風の葺き替えに合わせて雨どいを新しく交換しました。
施工完了・ビフォーアフター
今回の工事内容は、経年劣化によってボロボロになってしまった外壁の張り替え、屋根の葺き替え、そしてベランダの防水工事です。
色あせが無くなり洗練された外観に仕上がりました。屋根・雨樋などを交換したため、劣化部から雨水が侵入する心配もありません。
今回この工事が成功したもっとも大きなポイントは事前調査でした。
外壁や屋根の製品に詳しい専門業者が、外壁や屋根の劣化状態だけでなく施工時の注意点を踏まえたことで、屋根のシーリング・雨樋交換の必要性に早く気がつきました。その結果、適切な方法でのメンテナンスが可能となったのです。
もし経験不足で屋根の葺き替えをせず再塗装していたら雨漏りを発生させていたかもしれません。
今後外装リフォームを考えている方は、豊富な経験を持っているかつ丁寧な調査をしてもらえる業者へ相談するようにしましょう。