外壁塗装の完了検査で「しっかり不具合が無いか確認したいものの、どこをチェックすれば良いか分からない」と悩んでいませんか。
完了検査でチェックすべき項目を抑えれば、後で不具合が見つかり業者とトラブルになるリスクを抑えられます。
本記事では、外壁塗装の完了検査について解説します。チェックすべき項目や、不具合を見つけた場合の対応も解説するので、完了検査を問題なく終わらせたい方は参考にしてください。
この記事のポイント
- 完了検査はできる限り立ち会うべき
- 完了検査は外壁の仕上がり、塗料の種類、傷や汚れの有無などを確認する
- 不具合が見つかったら依頼した業者に手直しをしてもらう
- 業者に対応してもらえない場合は第三者機関に相談する
- 立ち合いができない場合は業者に写真を撮ってもらう
外壁塗装の完了検査とは?立ち会いは必須?
外壁塗装の完了検査とは、外壁塗装が契約内容どおりに施工されているか確認する作業です。全ての施工が完了したらおこなわれ、工事工程表を見れば具体的な日にちがわかります。
完了検査の時点で不備が見つかれば、業者が早急に対応してくれるため、できる限り一緒に立ち会いましょう。
工事の仕上がりを足場解体前に確認できる機会
完了検査は、工事に不備がないか足場解体前に確認する重要な作業です。足場解体前に不備が見つかれば、業者も補修作業しやすいため、スムーズに手直しできます。
解体後に不備を見つけたら、足場を再設置しなければなりません。その際、足場を組む日の段取りをする手間や、騒音に耐える煩わしさが発生します。
完了検査時に気になる箇所や不具合がないかしっかり確認しましょう。
2階など、足場無しでは仕上がりを確認しづらい箇所は特に要チェックです。
立ち会いは必須ではないがトラブル回避のために有効
完了検査後に不具合を指摘しても、業者に対応してもらえないトラブルが生じる恐れがあります。具体的には、不具合の発生したタイミングが、施工中と施工後どちらなのか揉めるトラブルです。
不具合を揉め事なく直してもらうためには、完了検査に立ち会うことをおすすめします。
業者から渡される工事日程表を見れば完了検査の具体的な日にちが分かります。天候によって日にちは前後するため、業者に日にちを確認して、できるだけ立ち会えるようにしましょう。
ただし、落下の危険があるため足場内への侵入や屋根の確認はできません。そのため高い箇所はベランダや窓から不具合を確認しましょう。
どうしても見えない場合、業者に確認したい箇所の写真を撮ってもらいましょう。
完了検査で確認すべき5項目【チェックシート付き】
完了検査で確認すべき項目をチェックしておくと、不備にすぐ気づいて業者が対応してくれます。
確認すべき項目
- 塗装の仕上がり
- 塗料は指定したものか
- シーリングの仕上がり
- 作業中取り外した設備が復旧されているか
- 傷や汚れがないか
チェックしやすいよう、施工前に気になっていた箇所は写真を撮っておきましょう。
塗装の仕上がりを確認する
外壁塗装の仕上がりで確認する項目は次のとおりです。
仕上がりで確認すべき項目
- 塗り残しがないか
- 色むらがないか
- 劣化箇所がキレイになっているか
- 指定した色で塗られているか
塗り残しの多い箇所は、ガスメーターの裏、室外機の裏、物置の裏、付帯部です。特に、箇所ごとに塗り分けをしている場合、塗り間違いをおこす恐れがあるため、要確認です。
無色透明のクリア塗料を使用した場合、業者が塗装範囲を間違えて塗り残すケースがあります。
また色の濃いツヤのない塗料の場合、光の当たり具合で色むらがあるように見えます。さまざまな角度から見て、色むらかどうか見分けましょう。
悪徳業者の場合、2階など見えにくい場所の塗装を手抜き施工する恐れがあるので、要チェックです。
指定した塗料で塗られているか確認する
使用された塗料が契約書どおりか確認しましょう。もしも塗料が契約書の内容と異なる場合、塗り直ししてもらう必要があります。
ただし、塗料は合っていても、思っていた色のイメージと違うケースは対応してもらえません。業者の補修範囲は、業者の落ち度による不具合のみだからです。
色を変えて塗り直したい場合は追加費用がかかるため、色選びはしっかりとおこないましょう。
最適な外壁色を選ぶためには?
実際に塗装された家を見て自宅の色のイメージと照らし合わせたり、カラーシミュレーションをおこなったりしましょう。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
>>外壁塗装でおすすめの色はこれ!自宅に最適な色を選ぶポイントも徹底解説
シーリングの仕上がりを確認する
シーリングとは外壁の間の隙間を埋めるために充填する溶剤で、確認すべき項目は下記のとおりです。
シーリングの仕上がりで確認する項目
- シーリングの充填量は適切か
- シーリングがはみ出ていないか
- シーリングが飛散していないか
- マスキングテープが残っていないか
シーリングの仕上がりが不十分だと、外壁同士の間に隙間が生じます。隙間から雨水が入ると、雨漏りにつながるのでしっかり確認しましょう。
作業後の復旧を確認する
配線や配線カバーなどが施工前の状態に戻っているか確認しましょう。
復旧を確認する場所
- カーポート
- エアコンカバー
- 設備機器
- 妻飾り
- 配線
- 配線カバー
上記の箇所は、塗り残しを防ぐために外さないといけないケースがあります。施工中は足場のカバーに覆われているので、どこの配線や配管カバーを取り外したか分かりません。
事前にどの箇所を外すか共有しておくと、復旧箇所の確認漏れを防げます。
傷や汚れを確認する
建物に傷や塗料の飛散がないか確認しましょう。傷や汚れが付きやすい箇所は下記のとおりです。
汚れが付きやすい箇所 | 傷つきやすい箇所 |
---|---|
サッシ 庭 車 バイク 洗濯物 フラワーボックス | 外壁 サッシ 花壇 |
丁寧に作業していても、強風の日や家と足場の位置が近いと、汚れや傷がつく恐れがあります。外壁の汚れは塗料やホコリなどです。指で擦って落としたり、軽く手直ししたりすれば綺麗になります。
傷がつきやすいタイミングは足場設置です。足場は金属パイプでできており、組み立てる際に外壁に当てて傷つける恐れがあります。
完了検査後に汚れや傷を見つけても、施工中にできたのか、工事後に施主が付けたのか分かりません。どちらが原因か揉めないために、完了検査の時点でよく確認しましょう。
塗料で車を汚されたら復旧してもらえる?
施主や近隣住民の所有物に塗料が付着した場合、業者が無償で保証してくれます。業者のミスにより所有物を汚された場合、保険が利用できるからです。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
>>【全22事例】外壁塗装のストレスが多い!?原因と対策を徹底解説【パターン別】
完了検査で不備があった際の正しい対応
完了検査で不備を見つけた際に正しい対応を取らなければ、補修してもらえない恐れがあります。また、不備を直す際に余分な費用を払わないために、業者とのやりとりは適切におこないましょう。
不備は塗装を依頼した業者に直してもらう
不備が見つかった際、別の業者に依頼したり自分で直したりせず、必ず施工業者に手直しを依頼しましょう。
別の業者に依頼すると新たに補修費用がかかり、自分で直す場合は、上手く補修できず、むしろ悪化させる恐れがあるからです。
契約した以上、不備を補修する責任は施工業者にあります。「せっかく施工してもらったのに言いづらい」と考えず、すぐに伝えて補修してもらいましょう。
外壁塗装はDIYでできる?
外壁塗装のDIYは、使用する塗料の間違いや、養生不足で庭や車を汚してしまうリスクがあるためおすすめしません。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
>>外壁はDIY補修すべきでない!おすすめしない理由や失敗談まで解説
工事代金の支払いは手直し完了後
トラブルを回避するために、工事代金の支払いは手直しを含むすべての作業が完了してからおこないましょう。先に費用を支払うと、下記のトラブルに繋がる恐れがあります。
先払いすると起こりうるトラブル
- 代金を支払った後に業者との連絡が途絶えてしまった
- 料金に見合わない手抜き施工をされた
- 追加料金の支払いを拒否したら施工を中止された
外壁塗装の支払いのタイミングは、手直しを含めた全工程が完了してから行います。手直しの前に工事代金を要求されてもきっぱりと断りましょう。
業者が対応してくれないときは第三者機関を利用する
完了検査で出た手直し部分の対応を業者がしてくれない場合は、第三者に頼って必ず解決しましょう。
機関名 | 相談するタイミング |
---|---|
住宅リフォーム・紛争処理支援センター | 塗装業者が取り合ってくれない |
国民生活センター | クーリングオフや訪問販売など契約に関するトラブルを解決したい |
弁護士 | 法的に訴えたり損害賠償を請求したりしたい |
自治体の住宅相談窓口 | トラブルに関する知識・情報、アドバイスが欲しい |
対応してもらえない場合は、住宅リフォーム・紛争処理支援センターや自治体の住宅相談窓口がおすすめです。
ただし、業者が対応するつもりでいるものの、連絡できていないだけの可能性もあります。そのため第三者機関に相談する前に、一度業者に連絡をして状況を確認しましょう。
保証書やリフォーム瑕疵保険を確認しておく
完了検査で気づけなかった場所も保証対象になるかどうか、契約時に受け取った保証書や瑕疵保険を確認しましょう。
保証書は、契約書と一緒に渡される書類です。記載されている保証範囲、保証期間を確認すれば、完了検査後でも対応してもらえるか確認できます。
リフォーム瑕疵保険は外壁塗装業者が加入する保険です。条件を満たせば保険会社が業者にお金を支払うため、無償で修理してもらえます。
リフォーム瑕疵保険は業者によって加入有無は異なるため、まず保険に入っているかどうか確認しましょう。
完了検査に立ち会えない場合の対応
完了検査の具体的な日程は工程表で分かるものの、天候や塗料の乾燥具合によって日程がずれる恐れがあります。そのため、完了検査に立ち会えない場合の対策を講じなければなりません。
劣化箇所など特に確認してほしい箇所を伝える
施工前に気になっていたひび割れや目の届きにくい場所など、特に気をつかって確認してほしい部分を施工業者に伝えましょう。対象箇所の写真があると伝えやく、チェック漏れも防ぎやすいです。
目の届きにくい場所の例
- 屋根
- 雨どい
- 2階
- 破風
2階は目が届きにくいうえに、紫外線が当たりやすいため塗装の色あせやシーリングの劣化が起こりやすい箇所です。
不具合があると、耐用年数まで塗料が効果を発揮できず、すぐに再メンテナンスが必要になる恐れがあるため、よくチェックしてもらいましょう。
完了検査で外壁写真を撮ってもらう
完了検査の際、施工箇所の写真を撮ってもらえば立ち会えなくても不具合の有無を確認できます。ただし、手直しの依頼は足場解体前におこないましょう。
足場を解体してから不備の補修依頼をすると、足場を新たに設置しなければなりません。足場設置で人件費や手間がかかるため、できる限り早く写真をチェックする必要があります。
また施工期間中、塗装業者は施工した箇所の報告を毎日おこなってくれるので、しっかり目を通しましょう。
報告書の内容を随時チェックしておくと、完了検査以前から施工箇所の仕上がりを把握できます。
中間検査で入念に確認する
完了検査に立ち会えない場合、中間検査で下記の項目を入念に確認しましょう。
中間検査でチェックする項目
- コケ・カビ・サビが残っていないか
- ひび割れの補修ができているか
- シーリングは適切に充填できているか
- 施工箇所は契約どおりか
中間検査は、下塗りの後におこなわれる検査です。
下地処理や下塗りは、外壁と塗料の密着性を高めるために必要な作業です。中間検査で下塗りの不具合を見落として、上手く塗料が外壁に密着しない状態のまま作業を進めると、中塗り・上塗りの仕上がりに影響する恐れがあります。
また、中間検査時に今後おこなう施工の内容についてしっかり話すと、後で施工範囲を巡ってトラブルが発生するリスクを防げます。
日報で施工の進捗を確認する
業者は1日の作業内容を日報で施主に報告します。毎日報告されるので、その都度チェックし、問題ないか確認しましょう。気になる箇所があった場合もすぐに業者に質問できます。
外壁塗装の完了検査でよくある質問
-
外壁塗装の知識がなくても立ち会うべきですか?
-
外壁塗装の知識が無くても立ち会いましょう。ひび割れや車の汚れなどは一般人が見ても分かります。立ち合いの時点で不具合に気づけば早急に対応してもらえるため、完了検査の日は予定を空けておきましょう。
-
完了検査は何時間かかりますか?
-
完了検査は1日かかります。塗装業者は一回見るだけでなく、家を一周見渡した後、逆方向から回って見渡すなど、細かくチェックするからです。
-
外壁をしっかり見たいので、足場を解体してから完了検査できますか?
-
完了検査は足場解体前におこないましょう。2階や屋根の上など高い箇所で不具合が見つかった場合、足場がないと迅速に手直しできません。再設置する際に騒音が響いたり、設置する際の段取りを再びする手間がかかるため、足場がある時点でしっかりチェックしましょう。
外壁塗装の完了検査まとめ
外壁塗装の完了検査は、工程の最後に仕上がりを確認する重要な作業です。足場解体前に不具合を見つければ迅速に対応してもらえるため、できる限り立ち会いましょう。
この記事のポイント
- 完了検査はできる限り立ち会うべき
- 完了検査は外壁の仕上がり、塗料の種類、傷や汚れの有無などを確認する
- 不具合が見つかったら依頼した業者に手直しをしてもらう
- 業者に対応してもらえない場合は第三者機関に相談する
- 立ち合いができない場合は業者に写真を撮ってもらう