外壁塗装がうるさいと聞いて不安に感じる方は多いのではないでしょうか。結論、外壁塗装の騒音は防げませんが、あらかじめ騒音が発生する期間や原因を把握すれば騒音に対するストレスを軽減できます。
本記事では、外壁塗装の騒音の原因やトラブルの実例について紹介します。外壁塗装の騒音レベルを日常生活の音でたとえて解説しているため、どのくらいうるさいかイメージしたい方は参考にしてください。
この記事のポイント
- 外壁塗装の騒音レベルは60dB~90dB
- 在宅勤務に集中できない・赤ちゃんやペットのストレスになるなどのトラブル実例がある
- 外壁塗装の騒音対策はイヤホンの利用や工事中の外出が有効
- 外壁塗装の騒音に関する近隣住民からのクレームを防ぐためには事前に挨拶にいくことが大切
外壁塗装は騒音に要注意!
外壁塗装の騒音が原因で生活に支障が発生し、トラブルに繋がるケースは多いです。
騒音の発生は作業の工程上避けられないため、トラブルを防ぐためには事前に対策を講じなければなりません。
まずは騒音の原因と期間を知り、自分の生活に支障が出そうなものを把握しましょう。
騒音が出る工程と期間【一覧表】
外壁塗装の中で騒音が懸念される工程と、工事期間をまとめました。
★騒音が懸念される工程
作業日 | 工程 | 騒音レベル(dB) |
---|---|---|
1~2日目 | ★足場設置 | 80dB~90dB |
3日目 | ★高圧洗浄 | 60dB~90dB |
4日目 | 養生 | ー |
5~6日目 | ★下地処理(サンダーなど限定的) | 80dB |
7~8日目 | ★下塗り(吹き付け塗装の場合) | 70dB |
9~10日目 | ★中塗り(吹き付け塗装の場合) | 70dB |
11~12日目 | ★上塗り(吹き付け塗装の場合) | 70dB |
13日目 | チェック | ー |
14日目 | ★足場解体 | 80dB~90dB |
騒音は施主だけでなく近隣住民にも影響する
騒音は自宅だけでなく、近隣住民まで届くため隣家からクレームが来る場合もあります。
近隣住民は、何も知らされない状態で騒音が鳴り響いたらストレスを感じます。クレーム回避のためには、事前に伝えるなどの配慮が大切です。
近隣住民への挨拶の仕方はこちらで解説します。
外壁塗装で騒音が出る原因と音量
外壁塗装で騒音が出る原因と音量についてまとめました。
作業内容 | 騒音レベル(dB) | 体感レベル |
---|---|---|
資材搬入トラックの音 | 80dB~90dB | うるさくて我慢できない |
足場の設置や解体 | 80dB~90dB | うるさくて我慢できない |
下地処理(ケレン作業) | 80dB | うるさくて我慢できない |
吹き付け塗装 | 70dB | かなりうるさい、かなり大きな声でなければ会話ができない |
外壁の高圧洗浄 | 60dB~90dB | 大きな声なら会話ができる~うるさくて我慢できない |
職人の話し声 | 50dB | 大きく聞こえるが日常会話は可能 |
資材搬入トラックの音【80dB~90dB】
外壁塗装では足場や養生・塗料などの材料を運ぶために大型トラックを利用します。トラックのエンジン音や、荷台から下ろす際の音やクラクションの音が響き渡り、騒音に繋がります。
トラックが通過する際の音の大きさは80〜90dBで、騒々しい工場の中と同じ騒音レベルです。
足場の設置や解体【80dB~90dB】
足場は金属でできており、設置や解体の際はハンマーで叩くため大きな音が響きます。足場の設置や解体は1日かけての作業です。
そのため朝9:00頃から作業が始まる場合があり、ほぼ1日中大きな音が響き渡ります。
ハンマーで部材同士を叩く際の音は80〜90dBで、トラック同様騒々しい工場の中と同じレベルの騒音がします。
ひび割れ等の補修作業【80dB】
サンダーを使用した際の機械音は80dB。80dBは地下鉄の車内と同じ騒音レベルです。
外壁に幅0.3mm以上のひび割れがある場合はサンダーという機械を使用して下地補修をおこないます。写真のようにサンダーを使ったひび割れの補修は、ひび割れ部分を囲むように壁に切れ込みを入れ、補修剤をひび割れ部分の奥まで入れる作業です。
外壁の高圧洗浄【60dB~90dB】
外壁の高圧洗浄をおこなう際に、騒音が響く原因は以下のとおりです。
高圧洗浄時に響く音
- 壁に水が当たる音
- 水が機械から出る音
外壁塗装で使用する高圧洗浄機は、家庭用の高圧洗浄機よりも圧力が高く騒音になりやすいです。
高圧洗浄機によって騒音の程度は異なります。エンジン部分が向きだしのタイプは80~90dbほどの大きさで、静かなタイプでは60db程度です。
下地処理(ケレン作業)【80dB】
下地処理はサビや苔などを剥がし下地を整えるためにおこなう外壁をサンダーで削る作業で、摩擦音が出ます。
塗料と外壁の密着性を高めるため、古い塗膜やサビを落とす下地処理がおこなわれます。
下地処理に使用する道具は、既存の塗装をはがす場合はヘラを、コケを落とすときはワイヤーブラシなど状態に応じて異なります。
幅0.3㎜をこえるひび割れが外壁にある場合、サンダーを使用しなければなりません。
サンダーは音が大きいため、騒音に繋がるおそれがあります。
吹き付け塗装【70dB】
塗装方法は、吹き付け塗装と手塗り塗装の2種類あり、吹き付け塗装の場合騒音になりやすいです。
手塗り塗装の場合、ローラーや刷毛で塗るため音は気になりません。
吹き付け塗装は霧状の塗料を吹き付けて塗装をします。塗装時に使用するエアレススプレー・万能ガンなどの機械音が響き渡り、騒音を発生させます。
また、その日中に終わる足場や高圧洗浄に対して、吹き付け塗装の作業は数日間です。そのため、吹き付け塗装の騒音対策で外出を検討している場合、経済的・体力的に負担がかかる恐れがあります。
騒音が気になる方は手塗り塗装がおすすめです。
職人の話し声がうるさい【50dB】
職人の話し声がうるさいとトラブルに繋がる場合があります。
職人の話し声は、比較的他の作業内容よりも㏈が低いものの、外から聞こえる45dB以上の騒音に対して、人はストレスに感じます。外壁塗装の騒音は作業音のみだと考えて職人の話し声に関する対策をしないと、近隣住民からクレームが来る恐れがあるため要注意です。
塗装作業の確認や業務連絡などで、作業中に声かけをするのは塗装のクオリティを維持するため仕方がありません。
しかし、以下の話し声は防ぐことができるので気になる場合は職人に相談しましょう。
業者に指摘すべき話し声の内容
- 注意する際の怒鳴り声
- 休憩中の話し声
- 作業中の私語
本人に言いづらければ、担当営業の方に伝える方法もあります。
騒音の体感は地下鉄の車内くらい【50dB~80dB】
外壁塗装における騒音の体感は、一番大きな騒音の場合電車の車内と同じレベルです。
作業ごとに同じ騒音レベルの実例をまとめました。
一番ストレスを感じるのは足場の設置や解体のタイミング
一番うるさいとストレスを感じる工程は、dBが大きく、1日中作業が続く足場の設置や解体です。足場作業をおこなう際は金属材を運ぶためにトラックを使用するため、足場の作業音にくわえてトラックの音も響き渡ります。
足場作業は朝9:00~17:00まで続きます。その間は騒音が響くため、気になる方は外出するなどの対策をしましょう。
騒音トラブル【6つの実例】
騒音トラブルの実例を6つあげました。
騒音トラブルの実例
- 外壁を直接触る工程の作業音が家の中に響く
- 職人の声が気になる
- 在宅勤務に集中できない
- 騒音で赤ちゃんが眠らない
- 騒音にペットがおびえている
- 夜勤で働く近隣住民からクレームが来る
外壁を直接触る工程の作業音が家の中に響く
外壁のひび割れ補修のためにサンダーを使用すると、壁を伝って騒音に繋がります。もしも日中過ごしている部屋の外壁部分をサンダーで補修している場合、より騒音が気になる恐れがあります。
音が気になる場合は、ひび割れ部分の作業中だけ部屋を移動するなどの対策をとりましょう。
朝の作業前や昼休憩中の職人の私語が気になる
職人が作業前に業務内容を確認したり、昼休憩中の雑談したりする声が気になるケースがあります。
朝8時半から作業を開始する場合、8時ごろから職人の声がする場合もあるため、まだ寝ている時間の人にとってはストレスです。
また業者によっては雑談しながら作業したり、休憩中の声が大きかったりする場合があります。
職人の声が気になる場合は開始時間や昼休憩の場所を配慮できるか相談しましょう。
騒音のせいで在宅勤務に集中できない
外壁塗装による騒音のせいで、在宅勤務に以下のような支障が出てトラブルに繋がる恐れがあります。
外壁塗装の騒音による在宅勤務のトラブル
- オンライン会議中、内容が聞き取れない
- クリエイティブな作業に集中できない
会議や作業は基本的に昼間が多く、外壁塗装と時間が重なるケースがほとんどです。音に敏感な方にとって、外壁塗装の音は仕事の妨げになりストレスに感じます。
騒音で寝ている赤ちゃんが起きてしまう
日中寝ていることの多い赤ちゃんが、騒音が原因で起きてしまったり、寝付けなかったりする騒音トラブルがあります。
上手に昼寝ができないと、赤ちゃんの生活リズムが崩れてしまうため注意しなければなりません。特に音に対して敏感な赤ちゃんはストレスを感じて寝不足になり、体調不良を起こす場合もあります。
また月齢の浅い赤ちゃんの場合は夜泣きをするため、一緒に赤ちゃんと昼寝をして寝不足解消したい親にとってもストレスを感じます。
騒音にペットが怯えている
人間よりも聴覚の優れた動物は、工事の音にも敏感に反応してしまいます。猫は人間の3倍、犬は4倍の聴覚を持ち、人間よりも騒音が大きく聞こえるためストレスを感じます。
騒音に対してペットがストレスを感じると起こすトラブルは以下のとおりです。
ペットがストレスを感じるとおこす行動の例
- エサを食べない
- 壁や家具、飼い主に噛み付く
動物は言葉でストレスを伝えられないため、行動をよく見て対応することが重要です。
夜勤で働いている近隣住民からの騒音クレーム
夜勤で働いている方は日中家で寝ていることが多いため、騒音クレームをしてくる恐れがあります。
一般的な夜勤の業務時間は、午後10時~午前5時の時間帯です。そのため普段寝ている時間と外壁塗装の作業時間が重なり、騒音が気になりやすいです。
騒音によって不眠が続くと、本人の業務に支障が出てクレームにつながる恐れがあります。
あらかじめ昼間に騒音が出ることを伝えて、理解してもらいましょう。
外壁塗装の騒音対策&ストレス軽減方法
外壁塗装で騒音を防ぐことは不可能ですが、事前に騒音の対策を用意してストレスを軽減することが大切です。また、実際にクレームが来た際の対策方法についてもあらかじめ理解しておきましょう。
事前に騒音が出る期間とボリュームを把握する
工程表や作業内容を業者と確認し、騒音が想定される期間と音のボリュームをあらかじめ確認しておきましょう。何月何日、何時ごろ音がするのか把握しておけば、騒音が響く日は外出するなど、事前に対策を講じられます。
ただし、雨の日に作業を中断されて、工程がずれる場合もあるため注意が必要です。もしも作業が中断されたら、業者に今後の予定を確認することをおすすめします。
業者は作業報告をしてくれるの?
優良業者は、メールやLINE、ノート等で施主に作業内容を毎日細かく報告してくれます。
そのため業者選びの際には作業報告をおこなってくれるかどうか確認することが大切です。
耳栓やイヤホンを利用する
室内で過ごしていて外壁塗装がうるさいと感じたら、耳栓やイヤホンを利用するなどの方法が有効です。
耳栓やイヤホンの利用方法
- テレビやスマホで動画を見る際はイヤホンを通して視聴する
- 寝る際は耳栓を使用する
上記のように場面によって耳栓やイヤホンを使い分ければ、騒音のストレスが軽減されます。また、ノイズキャンセリングのイヤホンを使用すると周りの音が遮断されるため、よりうるさく感じなくなります。
騒音の大きい日は外出する
どうしても騒音が気になり生活に支障が出る場合は、日中外出するのが得策です。カフェでリモートワークをおこなったり、赤ちゃんを連れてドライブしたり、騒音から離れることでストレスが緩和されます。
ただし外壁塗装は14日間あり、外出を毎日するのは経済的な負担がかかります。
特にうるさい作業をおこなう日を把握して、その日だけ外出するのも1つの選択肢です。
あまりにうるさい時は業者に相談する
騒音があまりにも気になる場合は業者に相談してみましょう。必要な工事なので作業を止めるのは難しいですが、作業の時間帯などの相談に乗ってもらえる可能性があります。
例えば、この日は大事な来客があるから騒音を控えて欲しいと言えば、柔軟に対応してもらえます。コミュニケーションがとりやすい業者を選ぶと騒音に関する相談がしやすいため、業者選びの際はコミュニケーション能力を見ると良いです。
近隣からの騒音クレーム対処法
外壁塗装の騒音は、自宅だけでなく近隣にも届きます。そのため、近隣住民から騒音クレームが出ることも少なくありません。
そこで、クレームが出てしまった際の対応について解説します。
事前に近隣住宅に挨拶する
事前に近隣住民に外壁塗装の挨拶をして、騒音について理解してもらいましょう。遅くても工事が始まる1週間前には、自分の家の向かい側と裏側の家3件ずつと、両隣の家へ挨拶を済ませておくと良いです。
挨拶は業者が代わりにおこなってくれますが、一緒に同行するとより誠意が伝わり、トラブルを最小限におさえられます。
高圧洗浄は特に騒音が気になるので、音が出る時間を挨拶時に伝えましょう。
騒音が出る期間と理由を説明する
近隣住民に挨拶する際、騒音が出る期間となぜ騒音が出るか説明し、納得してもらうことが重要です。近隣住民は、外壁塗装の騒音がいつまで続くか分からないと不安を抱える恐れがあるからです。
また、工程の中には騒音が発生するものと発生しないものがあるため、事前に騒音が発生する作業について把握してもらうと相手のストレス軽減につながります。
騒音がいつ発生するか分からない場合は、外壁工事の工期だけでも伝えることをおすすめします。
クレームがきたら時間や音量を確認した上で対策を講じる
もしも近隣住民からクレームが来た場合、いつ何の音に対して不快な思いをしたのかを確認したうえで対策をしましょう。外壁塗装の騒音は足場の組み立てや高圧洗浄の場合、完全に防ぐことができません。
そのため、どの作業内容だったのか確認して、防ぐことができる作業かどうか把握したうえで、対策を講じることが大切です。
例えば「早朝の業者の声がうるさくて目が覚めた」といったクレームは、業者に朝礼時に声の大きさを配慮してもらうようにお願いすればクレーム対策につながります。
クレームを業者に確認する
近隣住民からクレームを受けたとしても、施主だけで解決する必要はありません。業者と連携をとりながら事実確認をとって、配慮してもらうことが大切です。
例えば、業者の以下の行動によってクレーム内容が改善される場合があります。
クレーム改善に繋がる業者の行動
- 作業の時間帯をずらす
- 私語を慎むなど
塗装業者と上手く連携をとるためには、コミュニケーションを取りやすい業者を選ぶことが重要です。
外壁塗装の騒音に関するよくある質問と回答
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騒音はどのくらいの音量ですか?
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外壁塗装の騒音は作業内容により異なり、50~90dBです。実例にすると、小さい騒音の場合はクーラーの稼働音くらいで、大きい騒音の場合は騒々しい工場内と同じレベルの騒音です。
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騒音を出さずに外壁塗装できますか?
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足場や高圧洗浄は必須の工程なので、全く音が出ないのは難しいですが、業者と相談してなるべく騒音が気にならないよう工事を進めてもらうことは可能です。
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近隣はどの家まで挨拶すべきですか?
-
家の向かい側、裏側の3件ずつと両隣に挨拶しましょう。
外壁塗装の騒音のまとめ
外壁塗装の工事中、騒音の発生を防ぐことは不可能です。しかし、以下のことを事前に把握することで、騒音トラブルの発生リスクを下げられます。
この記事のポイント
- 外壁塗装の騒音レベルは60dB~90dB
- 在宅勤務に集中できない・赤ちゃんやペットのストレスになるなどのトラブル実例がある
- 外壁塗装の騒音対策はイヤホンの利用や工事中の外出が有効
- 外壁塗装の騒音に関する近隣住民からのクレームを防ぐためには事前に挨拶にいくことが大切
騒音は防げないものだと心構えを持ったうえで、騒音に適切な配慮をしてくれる業者を選ぶことが大切です。