神奈川県 伊勢原市|経年劣化を原因に外装を大幅リフォーム【屋根・外壁・付帯部塗装事例】

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今回は屋根塗装、外壁塗装、付帯部塗装、シーリングの打ち替え、基礎塗装をおこなった施工事例です。今回は塗装工事がメインとなるため、以下のような方はとても参考になります。

この記事が参考になる人

  • 各建材の基本的な塗装工程を知りたい人
  • 外装全体の塗装工事をしたい人
  • 基礎の塗装をしたい人
使用材料日本ペイント パーフェクトトップ(屋根)
日本ペイント パーフェクトトップ(外壁)
日本特殊塗料株式会社 シルビアNADシリコン(雨樋)
ロックペイント株式会社 エバーロック(軒天)
日本特殊塗料株式会社 シルビアNADシリコン(破風)
日本特殊塗料株式会社 シルビアNADシリコン(鉄部)
関西ペイント アレスキソハバキコート(基礎)
オート化学工業株式会社 オートインクシード(シーリング)
相談内容今回はお客様から外壁のシーリングの割れや塗装の剥げが気になるとご相談いただきました。外壁を触ると白い粉が付着することから、外壁塗装が必要と感じたとのことです。また、外壁以外にも自分では見えない場所が劣化しているのではないかと懸念しており、外装全体の調査と補修をお願いしたいとご依頼をいただきました。

施工の流れと内容

屋根【上屋根】
屋根材に割れや欠損はありませんでした。しかし、撥水性が失われており雨染みや汚れが見られました。劣化が進行すると塗装でのメンテナンスが難しくなります。そのため、劣化が軽度なうちに塗装を実施しました。
【下屋根】
下屋根はガルバリウム鋼板の金属屋根になっており、錆や変色が見られたため合わせて塗装をしました。
外壁外壁のすべての面でチョーキング(外壁に白い粉が浮き出る現象)が見られたため早急に塗装が必要でした。また、シーリング(目地)にひび割れがあったためシーリングを打ち替えました。サッシ周りなど打ち替えが困難な箇所は増し打ちを実施しています。
雨樋雨樋は経年劣化による色あせが見られました。また、金具には錆が発生していたため塗り替えを実施しました。
軒天軒天に目立った汚れや破損などはありませんでした。しかし、築年数を踏まえると塗装で保護をするべきだと判断しました。軒天にはケイカル板が使用されていたため浸透系の塗料で塗装しました。
破風破風は雨風に直接さらされる場所のため劣化しやすい傾向にあります。今回は劣化に強い窯業系の素材が使われていたため、破風に目立った劣化は見られませんでした。しかし、今後の劣化防止のために塗装をおこないました。
鉄部今回の住宅の庇やシャッターBOX、ベランダ、笠木は鉄製のものが取り付けられていました。これらに目立った劣化はなかったものの、鉄製品は錆びやすいものです。そのため、錆防止として塗装をおこないました。
基礎基礎部分に苔や汚れが付着していました。そのため、高圧洗浄をして汚れを除去した後、防水や防カビ・防藻性能のある塗料で塗装しました。

施工の流れ

  1. 依頼・点検
  2. 足場組立
  3. 高圧洗浄
  4. シーリング打ち替え
  5. 屋根塗装
  6. 外壁塗装
  7. 付帯部塗装
  8. 基礎塗装
  9. 完成点検

外装診断の結果

お客様から外装リフォームのご相談を受け、外装全体の調査をしたところ以下のことが判明しました。

外装診断の結果

  • 外壁にチョーキングが発生しており、防水性が失われている
  • 大屋根のカラーベストの塗膜が劣化して、雨しみがみられる
  • 大屋根と下屋根には素材の異なる屋根材が使われているため、下塗りを使い分けなければならない
  • 基礎に湿気が溜まっており、苔や汚れが見られた

今回の住宅は外壁や屋根、基礎など各部位に劣化が見られました。

外壁では塗膜の劣化によって白い粉が浮き出てくる「チョーキング」が発生していました。チョーキングは防水性が失われているサインです。放置すれば外壁の劣化が進行しかねません。

屋根のカラーベストも外壁と同様に防水性が失われており、雨染みが発生していました。また、大屋根はカラーベスト、下屋根は金属屋根と異なる素材で造られていたため、塗装時は適切な下塗り材の選定が必要です。

基礎部分には苔の発生や汚れが見られ、湿気の影響を受けていることが予想されました。そのため、防水性や防汚性、防藻性、透湿性に優れた塗料を用いて塗装する必要があります。

付帯部や鉄部については特に目立った劣化は見られませんでしたが、今後の劣化防止のために塗装をすべきだと判断しました。

高圧洗浄

屋根から高圧洗浄を開始。

破風と合わせて雨樋などの付帯部も洗浄。

軒天も塗装するため汚れを除去。

外壁はチョーキングの粉をしっかり落とす。

高圧洗浄は、古い塗料や汚れを効果的に除去して新しい塗料の密着性を高める役割があります。

特に今回は外壁にチョーキングが発生していたため、高圧洗浄の段階でできる限りチョーキングの粉を落とす必要がありました。

もし高圧洗浄が不十分だと塗料の密着性が弱まり、耐久性や美観性が損なわれる可能性があります。そのため、塗装前に十分な高圧洗浄をおこなうことが非常に重要です。

高圧洗浄についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
>>外壁塗装の高圧洗浄は超重要!手順から費用まで徹底解説

山下さん

高圧洗浄に使用する水は、ご自宅の外にある水道を利用しなければいけません。また、水道代はお客様負担になることがほとんどです。そのため、塗装工事をした月の水道代はいつもより高くなると思っておきましょう。

上屋根・下屋根塗装
使用塗材:日本ペイント ファインパーフェクトベスト

浸透系塗料で下塗り。

板金部分は錆止め塗料を塗布。

カラーベスト同士が塗料でくっつくのを防止する。

上塗り塗料で1回目の塗装(中塗り)。

上塗り塗料で2回目の塗装。

金属屋根のため錆止めで下塗りをした後、上塗り2回塗布。

今回の住宅には大屋根(上の屋根)と下屋根があり、それぞれに違う素材が使われていました。大屋根にはカラーベスト、下屋根には金属屋根の一種であるガルバリウム鋼板が用いられています。

塗装工事に使用する塗料は素材に合わせて適切に選択することが非常に重要です。

特に下塗り材は適切な塗料を選択しなければいけません。なぜなら、上塗り塗料の性能を十分に活かせず、塗料の剥離や劣化が早まるリスクがあるからです。

カラーベストは、浸透系の溶剤塗料を使用してカラーベスト内部に塗料を染み込ませることが重要です。一方、棟板金や金属屋根は、錆の発生を抑制するために錆止め塗料を下塗り剤として使用する必要があります。

山下さん

今回、屋根塗装の上塗りには日本ペイントのファインパーフェクトベストを使用しました。ファインパーフェクトベストは、カラーベストと金属屋根の両方に使用できる塗料です。そのため、大屋根と下屋根を同じ色に統一できました。

外壁塗装
使用塗材:日本ペイント パーフェクトトップ

浸透系塗料で下塗り。

上塗り塗料で1回目の塗装(中塗り)。

上塗り塗料で2回目の塗装をして、しっかり塗膜を形成。

外壁塗装の工程は、基本的に下塗り・中塗り・上塗りの3つで構成されています。今回の外壁塗装もその工程に従って施工しました。

外壁を紫外線や雨から守るためには、表面に適切な厚みの塗膜を形成する必要があります。

しかし、すでに外壁が劣化している場合は塗料を吸い込んでしまうため、下塗りをせずに上塗り塗料を塗ってしまうと膜が形成されません。

そこで、下塗りに浸透系塗料(シーラー)を使い外壁が上塗り塗料を吸い込むのを防ぎます。また、下塗りには上塗り塗料の密着性を高める接着剤のような役割も果たします。

次に中塗り・上塗りをします。防水性や防汚性、遮熱性などの上塗り塗料が持つ性能を十分に発揮させるためには重ね塗りすることが重要です。そのため、中塗り・上塗りは同じ塗料を重ね塗りしなければいけません。

このように、各工程にはそれぞれ重要な役割があるため、省略せずに施工することが非常に重要です。

外壁塗装の塗装工程についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
>>外壁塗装に3回塗りが必要な理由|塗装の役割や塗装回数の確認方法まで徹底解説

雨樋塗装
使用塗材:日本特殊塗料株式会社 シルビアNADシリコン

劣化防止のため塗装。

上塗り2回目。

雨樋の塗装は美観の向上だけでなく、劣化防止にも効果的です。劣化した雨樋は脆くなると割れやすくなるため、10年に一度のペースで塗り替えしましょう。

また、外壁や屋根がきれいになると雨樋の劣化が目立つため、同時に塗装すれば見た目の調和も取れます。

今回の住宅では雨樋に色褪せが見られ、留め具に錆が発生していました。再塗装することにより劣化を防ぎ、さらに美観性も向上させました。

軒天塗装
使用塗材:ロックペイント株式会社 エバーロック

防水性と透湿性のある塗料を塗布。

上塗り2回目。

今回の軒天はケイカル板(ケイ酸カルシウム板)が使われていました。ケイカル板は軒天によく採用される素材の一つです。

しかし、石灰やケイ石などを圧縮して製造されるケイカル板は水分を吸収すると劣化しやすく、経年とともにめくれや剥がれが起こります。

このような劣化を防ぐためには、定期的な塗装メンテナンスが必要です。

今回の軒天には、ロックペインのエバーロックという塗料を使用しました。エバーロックは軒天が劣化していない場合、下塗り(シーラー)が必要ないため上塗り2回のみで施工が可能です。

今回は目立った破損がなかったため、2回塗りで施工しました。

破風塗装
使用塗材:日本特殊塗料株式会社 シルビアNADシリコン

プライマーを塗布して上塗り塗料密着性を高める。

2回上塗りする。

破風板は屋根の端部に設置されており、屋根内部に雨水や風を侵入させない役割を果たします。

また、破風板は雨風にさらされるため、過酷な条件下でも高い耐久性を発揮する必要があります。それに伴い、定期的なメンテナンスは欠かせません。

今回の住宅では破風板に窯業系の材料が使用されていました。窯業系の破風板は耐久性や耐候性に優れていますが、それでも塗装による劣化対策が必要です。

そこで、今回の破風には日本特殊塗料のシルビアNADシリコンを採用しました。シルビアNADシリコンは、溶剤系塗料の特性を活かして長期間にわたって破風板を保護できます。

庇・シャッターBOX・ベランダ鉄部塗装
使用塗材:日本特殊塗料株式会社 シルビアNADシリコン

錆止めを塗布した後上塗り回で仕上げる。

鉄製の付帯部も同様の作業をおこなう。

今回の住宅では庇、シャッターBOX、ベランダ、笠木などに鉄製の建材が取り付けられていました。

住宅の外装に取り付けられた鉄製品は、錆や腐食のリスクがあります。また、鉄部の錆びが進行すると脆くなるため、定期的なメンテナンスが欠かせません。

今回の鉄部は錆止め塗料で下塗りをしてから、日本特殊塗料のシルビアNADシリコンを塗装することで鉄部の耐久性を向上させました。

基礎塗装
使用塗材:関西ペイント アレスキソハバキコート

汚れや苔が発生している。

高圧洗浄後、基礎専用塗料で塗装。

住宅の基礎は建物自体の重さや地震の揺れなどから建物を支え、沈みや傾きを防ぐ重要な役割を担っています。

しかし、基礎に使われているセメントやコンクリートは雨水などによって劣化し、ひび割れや欠けが生じることがあります。そのため、定期的な塗装で劣化を防ぐことがおすすめです。

今回の住宅では、外壁塗装と同時に基礎を塗装し、耐久性を向上させました。

基礎塗装には防水性、防カビ、防藻効果がある関西ペイントのアレスキソハバキコートを採用しました。また、アレスキソハバキコートは微弾性の塗料のため、細かなひび割れをカバーしてくれます。

シーリング打ち替え
使用建材:オート化学工業株式会社 オートインクシード

既存のシーリングを撤去し、目地を清掃。

プライマーを塗布後、新しいシーリングを充填。

シーリングとは、サイディング外壁のボード同士の間(目地)に施されるゴム状の建材のことです。

シーリングの耐用年数は約5年~10年程度が一般的です。そのため、外壁塗装時にはシーリングの打ち替えをしなければいけません。シーリングが劣化すると弾力性が失われ、ひび割れが起こりやすくなります。

また、ひび割れから水が侵入すると外壁材の劣化を促進してしまいます。

そのため、今回はオート化学工業株式会社のオートインクシードという耐久性の高いシーリング材で打ち替えをおこないました。

オートインクシードは耐用年数が約20年と非常に長く、シーリングのメンテナンス頻度を減らせます。

シーリングの施工についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
〉〉サイディング目地のひび割れは放置厳禁。劣化原因や補修方法・シーリングレスまで徹底解説

施工完了・ビフォーアフター

今回の工事のポイント

  • 外壁のチョーキングの粉を高圧洗浄でしっかり除去
  • 下地に合わせて下塗り塗料を選定
  • 外壁や屋根だけではなく細かな付帯部も一緒に塗装して劣化防止をした
  • 外壁のシーリングに高耐久なオートンイクシードを採用した

今回の住宅は外装全体の塗膜に劣化が見られ、全体の塗装が必要な状況でした。

外壁は塗膜が劣化によりチョーキングが見られ、シーリングはひび割れが起きてきました。また、屋根には雨染みや変色が見られました。しかし、建材の劣化が著しいというわけではなかったため、塗装でのメンテナンスで済んだともいえます。

塗装によるメンテナンスは、建材の劣化が進む前におこなわなければいけません。

もし劣化が進行して建材が痛んでしまっていたら、サイディングの張替えや屋根の葺き替えが必要になり、工事費用が高額になっていたでしょう。

そのため、自宅の外装のメンテナンス費用をおさえたい人は定期的に外壁や屋根などを観察しておくことがおすすめです。そして、劣化が気になる点があれば早めに専門家に相談しましょう。

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