今回は、外壁の塗装と合わせ、屋根・雨樋・幕板・破風など外装全体の塗装をおこなった施工事例です。以下の方はとても参考になります。
この記事が参考になる人
- 外壁を触ると手に白っぽい粉のようなものがつく
- 雨の日と晴れの日で外壁の色が変わる
- 外壁の色あせや劣化が気になる
- 前の外装塗装から15年以上経過している
- 外装メンテナンスの正しいタイミングを知りたい
- 美観と性能が長持ちする塗装方法を知りたい
使用材料 | 日本ペイント パーフェクトトップ(外壁) 日本ペイント ファインパーフェクトベスト(屋根) |
施工の流れと内容
外壁 | 外壁にはチョーキング現象がみられました。クラックやひび割れはなく、再塗装によって性能を強化・維持できると判断しました。 |
屋根 | 特筆すべき劣化はみられませんでしたが、性能維持のために外壁とあわせて再塗装しました。 |
雨樋 | 日当たりの良い南側は、表面の色落ち・硬化が見られました。 メンテナンス時期と判断し、再塗装をおこないました。 |
玄関庇 | 天井面部分に雨水の浸入によるものと思われる腐食がみられました。 雨水浸入を防ぐため屋根面パラペットの防水処理と腐食部の補修・再塗装を提案しました。 |
破風・幕板 | 特筆すべき劣化はみられませんでしたが、性能維持のために外壁とあわせて再塗装しました。 |
施工の流れ
- 依頼・点検
- 高圧洗浄
- 外壁塗装
- 屋根塗装
- 雨樋塗装
- 幕板塗装
- 玄関庇補修
- 破風塗装
- 完成点検
外装診断の結果
お客様からご相談を受け、外装の調査をしたところ以下のことが判明しました。
外装診断の結果
- 外壁の塗膜が劣化し粉を吹くチョーキング現象が発生している
- 日当たりの良い南面の雨樋で、表面に色落ち・硬化が見られる
- 玄関庇の天井面に腐食の跡が見られる。雨水が浸入している恐れがある
外装診断の結果、外壁のところどころにチョーキング現象が発生しているとわかりました。
防水性が低下している証拠であるため、外壁の塗装し直しが必要です。
また、一部の雨樋に色あせが見られたり、玄関庇の天井面にポコポコと塗膜が浮き出ていたり、外装全体の経年劣化が散見されました。
塗装メンテナンスの時期と考えられるため、劣化が表われた外壁のみならず、屋根や破風といった全体の塗装をおこないました。
工事前に屋根や外壁など全体を丁寧に高圧洗浄した後、部位ごとに最適な塗装方法でメンテナンスしています。
外壁塗装
使用塗料:日本ペイント パーフェクトトップ
外壁のチョーキング現象。
再塗装により艶が復活しました。
チョーキングが発生していた外壁は、まず専用の薬剤で元の外壁と密着している塗膜を浮かせ取り除きました。
その後、表面の凹凸パターン形成、下地塗り、乾燥という工程を経て、外装塗料を2度塗りします。
塗料には、塗膜が劣化しにくく、表面の艶が長持ちしやすい日本ペイントのパーフェクトトップを提案しました。
長く美しい外観を維持するには、丁寧な施工と最適な塗料選びがカギになります。
チョーキングが起こっているかどうか、簡単に確認する方法が2つあります。
[1]素手で触ってみる
白い粉が手に付着するとチョーキングのサインです。紫外線や劣化によって分離した顔料が浮き出ています。
[2]水に濡らしてみる
防水機能が低下している外壁は、シミのような濃い色に変色します。
晴れた日と雨の日で外壁の色が変わる場合も、チョーキングが発生している恐れがあります。
外壁塗装してから10年ほどで発生するケースが多いため、該当時期の方は今すぐセルフチェックしてみましょう。
雨風や日光の当たり方で劣化速度が変わります。複数箇所で確認するのがポイントです。
チョーキングのリスクと対策について知りたい方はこちらの記事もご覧ください。
>>外壁塗装のチョーキングを放置するリスクは?原因から対策・予防まで徹底解説
屋根塗装
使用塗料:日本ペイント ファインパーフェクトベスト
塗料の密着性を高めます。
丁寧な仕上げ作業。
屋根は、外装診断では特筆すべき劣化は見られませんでしたが、性能維持のために塗装をおこないました。
塗料には外壁と同シリーズの屋根専用塗料ファインパーフェクトベストを採用し、高い耐候性で美観を維持します。
目視で確認できない屋根は、色あせやひび割れなどの劣化に気付きにくい場所。劣化部分から雨水が侵入した場合、柱の腐食や雨漏れに直結し大きな被害になりやすいです。
そのため、適切なサイクルでメンテナンスし、性能を維持することが重要です。
適切なメンテナンスサイクルとは、大きく劣化する前に塗装などの補修を行うことです。チョーキングや色あせなど劣化が軽微な段階で塗装することで、塗膜の効果が途切れず住宅の寿命を延ばせます。
ひび割れなど劣化が大きくなってからのメンテナンスは、内部の雨漏れ補修など余計な手間や費用がかかるのでおすすめしません。
また、屋根と外壁の同時塗装は足場組みが一回で済み、2度に分けるよりも20万円ほど節約できます。
雨樋塗装
下地の塗装。
上塗りを重ねて仕上げます。
今回のお宅で見られたような色あせや硬化は、雨樋の経年劣化のサインです。
そのままにしていると、ひび割れや破損の恐れがあります。
下塗り・上塗りの2回塗装をおこない、性能維持を可能にしています。
幕板塗装
元の幕板。
艶やかに塗装されました。
幕板は、1階と2階の外壁の境界に使われることの多い、アクセント素材です。
今回のお宅では特筆すべき劣化はみられませんでしたが、性能維持のために外壁とあわせて再塗装しました。
落ち着いたダークブラウンの色味を採用いただき、建物の外観イメージもクールな印象に生まれ変わりました。
玄関庇補修
塗装内部に腐食がみられる。
補修・再塗装をおこないました。
玄関庇は、天井面にぽこぽことした腐食の跡が見られました。屋根側の防水効果が薄れ、雨水が侵入している恐れがあります。
天井面の腐食部は、下地補修と再塗装をおこないました。
合わせて、屋根面は構造の立ち上がり部分の防水処理をしています。
雨水の侵入を防いで内部構造の腐敗を食い止め、見た目も美しくなりました。
破風塗装
元の破風。
落ち着いたトーンに。
破風は、屋根のへりにあたる部位で、防水性能が重要です。
特筆すべき劣化はみられませんでしたが、今後も性能維持できるよう再塗装を提案しています。
幕板と同カラーのダークブラウンを選び、外観の印象アップを叶えました。
施工完了・ビフォーアフター
今回の工事内容は、チョーキングが見られた外壁の再塗装、それに合わせた屋根・雨樋・破風・幕板の塗装と、玄関庇の補修工事です。
外壁は艶を取り戻し、破風や幕板をダークトーンに塗り替えたことで、落ち着いた印象の外観にイメージチェンジされています。
今回の工事のポイントは、劣化に合わせた補修のみならず、適切なメンテナンスサイクルで再塗装できた点です。
外装の劣化が進んでしまうと、雨水が構造体まで浸入し、家自体の寿命を縮める原因になります。
トラブルが起こる前に塗膜を塗り替え、美しく雨風に強い住まいを維持しましょう。
外装のメンテナンス時期について気になっている方は、一度、外装業者に点検を依頼してみてください。
確認しにくい場所までプロに見てもらうと、必要なメンテナンスの時期と内容がわかります。