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【一覧表付き】屋根の種類を屋根材・形状ごとに解説!人気ランキングも発表

この記事の監修者

ヤマテック株式会社 代表
山下 隆盛

ヤマテック株式会社は、サイディング工事で2022年・2023年 ニチハ株式会社の出荷枚数で神奈川県No.1 を獲得!「外壁リフォームのお困りごとをゼロにする」外装リフォームプロ集団の主催者。

雨風や日差しから建物を守る屋根。住宅に無くてはならない存在ですが、屋根の材質や形状には多くの種類があることをご存知でしょうか?

屋根材には、軽量で耐震性に優れる金属製、柔らかく割れにくいシングル材、塗装不要な粘土系などがあり、素材によって特徴はさまざまです。

また、同じ素材でも屋根材により機能性や耐久性は異なります。屋根形状も外観の印象を決める重要な要素となるため、しっかりと比較検討したうえで選びましょう。

そこでこの記事では、日本の住宅でよく採用されている屋根材と屋根形状をそれぞれ8種類紹介します。新築やリフォームを検討中の方は、ぜひ参考にしてください。

この記事でわかること

  • 屋根材8種類の特徴やメリット・デメリット
  • 屋根形状8種類の特徴やメリット・デメリット
  • 屋根材人気ランキング・TOP5
  • お手元の見積りが本当に大丈夫か無料で診断します
  • 完全無料で厳選した優良業者をご紹介
  • ひび割れ・剥がれ・シロアリも相談OK
  • 施工中の業者に対する心配や不安の相談も大歓迎
正直 外装リフォームプロ集団は外壁塗装・リフォームする皆様をサポートいたします。

屋根の種類【屋根材編】特徴やメリット・デメリットを解説

住宅によく採用されている屋根材を8種類紹介します。主な特徴と耐用年数は以下のとおりです。

屋根材特徴耐用年数
化粧スレート
5mm程度と薄く、非常に軽い20~30年
天然スレート
天然素材ならではの質感や高級感が楽しめる30年以上
ガルバリウム鋼板
金属製でありながら錆びにくく、シンプルで洗練されたデザイン20~25年
石粒付ガルバリウム鋼板
メンテナンスフリーだが、定期点検は必要30年以上
トタン
非常に軽量で継ぎ目が少なく、傾斜の緩い屋根でも雨漏りしにくい15~20年
アスファルトシングル
防水性が高く柔軟性があるため割れにくい20~30年
日本瓦(和瓦・粘土瓦)
耐久性が高く塗装の必要がない約50年以上
セメント瓦・コンクリート瓦
1970~1980年代に主流となった屋根材の一つで、現在はほとんど生産されていない30~40年

次に8種類の屋根材の特徴に加え、それぞれのメリット・デメリットについて詳しく紹介します。屋根材選びの参考にしてください。

1.化粧スレート

化粧スレートとは、セメントなどに繊維素材を混合して薄い板状に加工した屋根材のこと。「カラーベスト」や「コロニアル」といった商品名で呼ばれることもあります。厚さは5mm程度と薄く、非常に軽いことが特徴です。

化粧スレートの耐用年数は20~30年となりますが、化粧スレート自体に防水性がないため定期的に塗装が必要です。防水性が失われると雨水を吸収してひび割れたり欠けたりし、雨漏りの原因となるため注意しましょう。

メリット
デメリット
  • 施工しやすく対応できる業者が多い
  • 価格が安い
  • 種類が豊富
  • 軽量で耐震性が高い
  • 定期的に塗装が必要
  • 耐久性や防水性が低い

2004年以前に製造された化粧スレートには、有害物質であるアスベストが含まれている可能性が高いです。アスベスト含有の化粧スレートを葺き替える場合は、アスベストの処分費用が別途必要になります。

既存屋根を撤去しない「カバー工法」であればアスベストの処分費用はかかりませんが、下地材や防水シートの劣化が進行している場合はカバー工法によるリフォームは適していません。詳しくは専門業者に問い合わせてください。

2.天然スレート

天然スレートとは、粘板岩と呼ばれる岩石を薄い板状に加工した屋根材のこと。天然素材ならではの質感や高級感のあるデザインが特徴です。また、耐久性が高く素材そのものに防水性があるため、塗装する必要がありません。

天然スレートは重要文化財に指定されている建築物の屋根に採用されていますが、高度な施工技術が必要とされるため、一般住宅にはあまり普及されていない屋根材です。

メリット
デメリット
  • 防火性や防水性が高い
  • 高級感がある
  • 塗装メンテナンスが不要
  • 割れやすい
  • 価格が高い
  • 施工に高度な技術が必要
  • 重量があるため耐震性が低い

天然スレートの耐用年数は30年以上です。原料である粘板岩は板状に加工しやすく、古くからヨーロッパの建築材料として採用されてきました。数百年もの間、雨風に耐える丈夫さがあり、今なお美しさが保たれています。

山下さん

東京駅の屋根には天然スレートが使用されています。

3.ガルバリウム鋼板

ガルバリウム鋼板は「金属系サイディング」の一種であり、アルミニウムと亜鉛、ケイ素の合金にメッキを施した屋根材のこと。金属製でありながら錆びにくく、シンプルで洗練されたデザインが人気を集めています。

非常に薄く軽量なため、施工が容易で工期が短縮できるといった利点もあります。

ただし、断熱性や遮音性はあまり期待できません。断熱性や遮音性を高めるためには、断熱材を施工または断熱材一体型のガルバリウム鋼板を採用するとよいでしょう。夏の暑さも和らぎ、金属屋根に当たる雨音も小さくなります。

メリット
デメリット
  • 錆びにくく耐久性が高い
  • 軽量で耐震性に優れる
  • 防火性が高い
  • 断熱背一体型なら熱の吸収率が小さく夏でも快適
  • 傷がつくと錆びる恐れがある
  • 外部からの衝撃に弱い
  • 遮音性・断熱性が低い

耐用年数は20~25年と長く、定期的に塗装メンテナンスをおこなえば40年以上の長期使用も期待できます。また、非常に軽いため、カバー工法にも適した屋根材です。

4.石粒付ガルバリウム鋼板

石粒付ガルバリウム鋼板は、基材となるガルバリウム鋼板の表面を石粒でコーティングした屋根材で「ジンカリウム鋼板」とも呼ばれています。

最大の特徴は、メンテナンスフリーなこと。石粒でコーディングしているためほとんど色褪せることがなく、塗装メンテナンスの必要がありません。また、石粒が雨音や熱を吸収するため、断熱や遮音効果も得られます。

ただし、屋根が汚れても高圧洗浄機は使えません。石粒が剥がれ落ちてしまうとその効果が失われ、鋼板が錆びる恐れがあります。

メリット
デメリット
  • 軽量で耐震性に優れる
  • 耐久性が高い
  • 断熱性、遮音性、防火性が高い
  • メンテナンスが不要
  • 価格が高い
  • 石粒が剥がれ落ちる
  • へこみやすい

耐用年数は30年以上で、水洗いや屋根裏の換気を定期的におこなえば50年持つといわれています。施工がしやすいため、リフォームにも最適な屋根材です。

山下さん

多くのメーカーが最大30年の製品保証をつけるほど、耐久性に優れた屋根材です。

5.トタン

トタンとは、薄い鋼板に亜鉛をメッキした金属製の屋根材のこと。非常に軽量で継ぎ目が少なく、傾斜の緩い屋根でも雨漏りしにくいのが特徴です。トタンは滑りが良いので屋根に積もった雪が落ちやすく、一昔前までは雪国で主流の屋根材でした。

トタンは金属製で薄いことから、遮音性や断熱性は期待できません。雨音が響きやすいため、屋根裏に吸音材を敷くなどの対策が必要です。さらに、断熱材の施工や断熱・遮熱塗料で塗装することで、夏の暑さと冬の寒さを和らげることができます。

トタンは耐久性が低いため、塗装メンテナンスは欠かせません。メンテナンスを怠ると表面のメッキが剥がれて錆が発生し、最悪の場合穴が開いて雨漏りが起こります。

メリット
デメリット
  • 軽量で耐震性に優れる
  • 価格が安い
  • 雨漏りしにくい
  • 錆びやすい
  • 断熱性、遮音性が低い

トタンの耐用年数は15~20年ほどで、住宅のほかにも工場や倉庫にも使われています。

6.アスファルトシングル

アスファルトシングルとは、ガラス繊維にアスファルトを浸透させ、表面に石粒を吹き付け接着したシート状の屋根材です。原料のガラス繊維とアスファルトが高い防水性を持つことが特徴です。柔軟性があり割れにくく、金属屋根のように錆びることがありません。

アスファルトシングルは接着剤で貼り合わせていくため、屋根に釘などの穴が開かず雨漏りしにくいのが利点です。

その反面、接着剤でくっついているだけなので強風に弱く、表面がザラザラとしているため、水はけはあまり良くありません。雨水が流れにくく滞留しやすいため、カビや藻の発生を防ぐためにも定期的なメンテナンスが必要です。

また、屋根材のシェア率が低いため施工できる業者が限られる点にも注意しましょう。

メリット
デメリット
  • 価格が安い
  • デザインが豊富
  • 加工がしやすく複雑な形状の屋根でも使用できる
  • 軽量で耐震性に優れる
  • 強風により剥がれや破れが起こる
  • コケや藻が生えやすい
  • 勾配が緩い屋根には向かない

耐用年数は20~30年となりますが剥がれやすいため、定期的な点検やメンテナンスが必要な屋根材です。

7.日本瓦(和瓦・粘土瓦)

日本瓦とは、練り上げた粘土を焼成した屋根材のこと。古くから使用されている屋根材で、別名「和瓦」や「粘土瓦」とも呼ばれています。

耐久性が高く塗装の必要がない日本瓦は、ほかの屋根材と比べてメンテナンスコストがかからないことが最大の特徴です。

また、原料である粘土が雨音を吸収してくれるほか、瓦屋根と下地の間に空気層が生まれるため、夏は涼しく冬は暖かい室内環境が叶うこともメリットです。

一方で、日本瓦は重いといったデメリットがあります。屋根が重いと重心が高くなるため地震の揺れが大きくなります。日本瓦を採用する場合は、その荷重に耐えられるだけの構造を持った建物であること、ガイドラインに沿ってきちんと施工することが大切。地震による脱落やズレ、倒壊も生じにくくなります。

メリット
デメリット
  • 高耐久で寿命が長い
  • 塗装が不要
  • 耐火性や防水性、断熱性、遮音性に優れる
  • 重量がある
  • 価格が高い

耐用年数は約50年以上とされており、ほかの屋根材と比べても非常に寿命が長いです。

山下さん

日本瓦はカバー工法ができません。そのため、リフォームをする際は部分補修か葺き替え、または葺き直しとなります。

8.セメント瓦・コンクリート瓦

セメント瓦とコンクリート瓦はどちらも主成分がセメントですが、それに川砂を混ぜたものがセメント瓦、砂利を混ぜたものがコンクリート瓦となります。1970~1980年代に主流となった屋根材の一つですが、現在はほとんど生産されていないため新築住宅ではあまり使われていません。

そのため、同じものに交換することが難しく、そのうえカバー工法ができないため、破損したり劣化が激しくなったりした場合は別の種類の屋根材に交換する必要があります。

なお、コンクリート瓦を塗装する際は、専門的な知識を持った実績豊富な業者に依頼しましょう。コンクリート瓦の表面にはスラリー層と呼ばれるものがあり、適切な処理をおこなわないとすぐに塗膜が剥がれたり施工不良を起こしたりする可能性が高いからです。

メリット
デメリット
  • 耐火性、耐久性が高い
  • 施工がしやすい
  • デザインが豊富
  • 衝撃に弱い
  • 水分を吸収しやすいため定期的に塗装が必要
  • 重量があり耐震性が低い

耐用年数はどちらも30~40年ですが、これは正しくメンテナンスをおこなった場合の年数です。原料のセメントは衝撃に弱くひび割れが生じると雨漏りを起こすため、補修は早めにおこないましょう。

屋根の種類【形状編】特徴やメリット・デメリットを解説

この章では、屋根の形状を8種類紹介します。屋根の形状の特徴は以下のとおりです。

名称形状特徴
切妻屋根(きりつまやね)本を開いて伏せたような形シンプルな形状で施工やメンテンナンス費用が安い
寄棟屋根(よせむねやね)頂点にある大棟から4方向に傾斜面がある全方向に屋根があり外壁が劣化しにくい
片流れ屋根(かたながれやね)面がひとつしかなく、一方向のみに傾斜がある屋根裏のスペースを有効活用しやすい
陸屋根(りく・ろくやね)水平またはほとんど傾斜がない屋根の上を屋上として活用できる
方形屋根(ほうぎょうやね)ピラミッドのような形雨風や地震に強い
招き屋根(まねきやね)切妻屋根の片面を長くもう片面を短くしたへの字型シンプルな形状で施工やメンテナンス費用は比較的安価
差し掛け屋根(さしかけやね)招き屋根に高低差をつけた形通気性、採光性、断熱性に優れる
入母屋屋根(いりもややね)切妻屋根と寄棟屋根の2つを組み合わせた形高級感のある外観になる

次に8種類の屋根の形状の特徴に加え、それぞれのメリット・デメリットについて詳しく紹介します。屋根の形状選びに悩んでいる方は参考にしてください。

1.切妻屋根(きりつまやね)

霧妻屋根とは、本を開いて伏せたような形の屋根のこと。見た目が三角なので「三角屋根」とも呼ばれる屋根の基本ともいえる形状です。シンプルな形状ゆえに施工やメンテンナンスが容易で、工期が短いことや工事費用が安価なことが特徴です。

また、建材の接合部である棟が頂点の1か所しかないため、雨漏りのリスクが低くトラブルが起きにくい形状といえます。

しかし、妻側の外壁と破風は雨風や紫外線の影響を受けやすいため、庇がある外壁面と比べると劣化が早いです。建物の立地や日当たりなどを考慮したうえで、妻側をどの方角に向けるかを判断しましょう。

メリット
デメリット
  • 施工とメンテナンス費用が安い
  • 屋根材を選ばない
  • 雨漏りしにくい
  • 妻側の外壁と破風の劣化が早い
  • 普遍的なデザイン

切妻屋根はスレートやガルバリウム鋼板、日本瓦など、ほとんどの屋根材を施工できます。また、ひとつの面が広いため太陽光パネルが設置しやすいです。

山下さん

屋根裏スペースを比較的広くとれるため、換気性にも優れています。

2.寄棟屋根(よせむねやね)

寄棟屋根とは、頂点にある大棟から4方向に傾斜面がある屋根のこと。全方向に屋根があってすべての外壁が軒先によって雨風や紫外線から守られるため、外壁が劣化しにくいといった特徴があります。

また、4方向に屋根があることで雨や雪を分散して流すことができ、風を受ける傾斜面も小さくなるため耐風性に優れる形状です。 ただし、寄棟屋根はつなぎ目となる棟部分が多くなり、雨漏りのリスクがやや高めです。屋根面積も狭いため、太陽光パネルの設置には向きません。

メリット
デメリット
  • 耐風性が高い
  • 建物の向きに関係なく施工できる
  • 住宅の耐久性が高まる
  • 雨漏りのリスクがある
  • 施工とメンテナンスコストがやや高い
  • 太陽光パネルの設置には不向き

寄棟屋根は建築基準法に対応しやすい形状のため、斜線制限をクリアしやすいです。北側斜線制限や隣地斜線制限がある地域の方は検討してみてください。

斜線制限とは?

斜線制限とは、道路や隣地の日照や採光、通風を確保するために、建築物の高さを制限すること。道路斜線制限、隣地斜線制限、北側斜線制限の3種類があり、用途地域ごとに制限内容が異なります。

3.片流れ屋根(かたながれやね)

片流れ屋根とは、面が一つしかなく、一方向のみに傾斜がある屋根のこと。屋根の一方が高く屋根裏のスペースを有効活用しやすいため、狭小住宅や平屋住宅の屋根に採用されるケースが増えています。シンプルでスタイリッシュなデザインも人気の理由です。

片流れ屋根は構造がシンプルで接合部が少ないことから、施工やメンテナンス費用が安いことも特徴です。

ただし、一つしかない雨樋に雨水が集中するほか、軒先が一方向しかないため、軒先のない外壁が雨風や紫外線の影響を受けやすくなります。そのため、定期的なメンテナンスが欠かせません。

メリット
デメリット
  • 施工やメンテナンス費用が安い
  • 太陽光パネルが設置しやすい
  • 湿気がこもりやすい
  • 外壁の劣化が早い
  • 雨漏りしやすい

大きい一枚屋根で面が広いため、太陽光パネルの設置にもっとも適した屋根です。

ただし、北川斜線制限の地域では、屋根の傾斜を北向きにせざるを得ないケースも。北向きは発電量が少ないことから太陽光パネルの設置に不向きとされているため注意しましょう。

4.陸屋根(りく・ろくやね)

陸屋根とは、水平またはほとんど傾斜がない屋根のこと。「水平屋根」とも呼ばれ、主に鉄筋コンクリート造や鉄骨造建築に用いられる形状です。

屋根の上を屋上として活用できるため、日当たりの良さを活かして家庭菜園や洗濯物を干すといった使い方ができます。屋上を人が使用する場合は、屋上防水を歩行仕様にして、塔屋(階段室)を設けましょう。

陸屋根は屋根裏がないことから室内の天井を高くできるといったメリットがある一方で、夏は最上階の室温が上昇しやすいといったデメリットがあります。

また、屋根にほぼ傾斜がないため水はけが悪く、雨水が溜まりやすいです。雨漏りのリスクも高まるため、定期的な防水工事が不可欠です。

メリット
デメリット
  • メンテナンスが容易なため費用が安い
  • 屋上として活用できる
  • 室内空間を広くできる
  • 夏場は最上階が暑い
  • 雨漏りしやすい

太陽光パネルの設置はできますが、斜めに設置するための架台を置くコストがかかります。

山下さん

夏の暑さ対策には屋上緑化も効果的です。太陽を遮るため断熱性が向上し、さらに植物の蒸散作用により涼しさを感じられるでしょう。

5.方形屋根(ほうぎょうやね)

方形屋根とは、ピラミッドのような形をした屋根のこと。寄棟屋根に似ていますが、方形屋根には頂部の水平な大棟がありません。建物の平面が正方形や八角形のときに用いられ、社殿建築に多い形状です。

方形屋根は雨風や雪を四方向に分散できるため、屋根の一面にかかる負担が少ないのが特徴です。さらに軒先がすべての面の外壁を雨風や紫外線から守ってくれます。

しかし、構造上換気スペースが限られるため、湿気がこもりやすくなります。カビ発生の原因ともなるため、棟換気を設置するなどの工夫が必要です。

メリット
デメリット
  • 強風や地震、台風に強い
  • 耐久性が高い
  • 雨漏りのリスクがある
  • 屋根裏の換気スペースが狭い
    太陽光パネルの設置には不向き

方形屋根は、ひとつの屋根の面積が広くないため太陽光パネルの設置には不向きです。

山下さん

方形屋根は寄棟屋根同様、隣地射線制限や北側斜線制限などの建築基準法に対応しやすい形状です。

6.招き屋根(まねきやね)

招き屋根とは、切妻屋根の片面を長くもう片面を短くしたへの字型の屋根のこと。招き屋根はメリットの多さが特徴で、アシンメトリーで個性的なデザインですが形状はシンプルなため、施工やメンテナンス費用は比較的安価です。

また、屋根の勾配を高くすることによって、屋根裏のスペースにロフトや天井収納などを作ることが可能。屋根裏にスペースがあるということは通気性や断熱性の向上にもつながるため、夏は涼しく冬は暖かい快適な室内環境が叶うでしょう。

そして切妻屋根同様、雨が溜まりにくく雨漏りのリスクが少ないこともポイントです。

メリット
デメリット
  • 施工やメンテナンス費が比較
  • 安価
  • 太陽光パネルが設置しやすい
  • 通気性、断熱性、耐風性に優れる
  • 雨漏りしにくい
  • 棟の位置が高くなりがち

招き屋根は片面が広いため、太陽光パネルが設置しやすいです。パネル設置の面積は広くなるほど発電能力も高まります。

山下さん

積雪の多い地域は北側を短くして南側を長くすると、雪が積もりにくく溶けやすくなります。

7.差し掛け屋根(さしかけやね)

差し掛け屋根とは、招き屋根に高低差をつけた屋根のこと。デザイン性や機能性などにメリットが多いことから近年多くの住宅で用いられています。

差し掛け屋根の最大の特徴は、屋根が段違いになっていること。風の圧力が分散されるため、強風に耐えられる構造になっています。また、建物の風通しもよくなり、段差部分に窓を設ければ自然光を取り入れることも可能です。

ただし、段違いになっている屋根と壁の接合部は雨漏りしやすいため注意が必要です。雨が溜まりやすく劣化も進みやすくなるため、定期的なメンテナンスが欠かせません。

メリット
デメリット
  • 通気性、採光性、断熱性に優れる
  • 風に強い
  • 太陽光パネルが設置できる
  • 雨漏りしやすい

差し掛け屋根は片面を広く確保できるため、太陽光パネルの設置に向いています。

8.入母屋屋根(いりもややね)

入母屋屋根とは、切妻屋根と寄棟屋根の2つを組み合わせた屋根のこと。神社や城などに用いられるもっとも格式高い屋根形状です。構造がしっかりしているため頑丈で、高級感のあるデザインは和風建築にもよく合います。

入母屋屋根は通気性に優れ、屋根裏に溜まりやすい湿気や熱を効率よく逃がせられます。また、4方向に下がった軒が雨風や紫外線から外壁を守るため、外壁が劣化しにくいこともメリットです。

一方で、形状が複雑な分、接合部分が多くなり雨漏りしやすいといったデメリットがあります。一度雨漏りが発生してしまうと複雑な形状ゆえに原因を特定することが困難です。

メリット
デメリット
  • 建物の耐久性を高められる
  • 通気性、耐風性に優れる
  • 高級感のある外観になる
  • 雨漏りのリスクが高い
  • 複雑な形状のためコストがかかる

入母屋屋根に太陽光パネルを設置することはできますが、複雑な形をしているため季節によっては思いがけない影ができたり、広い設置面を確保できなかったりするといった欠点があります。

山下さん

入母屋屋根は2つの屋根からなるためどうしても重くなってしまいます。屋根が重いと建物の耐震性が低下してしまうため、金属などの軽い屋根材を検討するとよいでしょう。

屋根材の種類【人気ベスト5】

屋根材の種類、人気ベスト5を紹介します。以下は2021年度の屋根材市場における素材別のシェア率です。屋根材選びで迷っている人は参考にしてください。

順位素材シェア率
1金属63.2%
2セメント系瓦15.0%
3粘土瓦13.4%
4シングル材5.6%
5石粒付金属2.9%
出展:株式会社矢野経済研究所 屋根材市場に関する調査を実施(2022年)

また、今回紹介した屋根材8種類は、以下の素材に該当します。

素材に該当する屋根材

  • 金属:ガルバリウム鋼板、トタン
  • セメント系瓦:化粧スレート、セメント瓦、コンクリート瓦
  • 粘土瓦:日本瓦(和瓦・粘土瓦)
  • シングル材:アスファルトシングル
  • 石粒付金属:石粒付ガルバリウム鋼板

シェア率1位を誇る金属屋根は、軽量で地震に強いことや耐久性の高さ、メンテナンスのしやすさといった多くのメリットがあり、近年急激にシェア率を伸ばしています。中でも錆びに強く高い耐久性を誇るガルバリウム鋼板はもっとも人気があります。

屋根の種類でよくある質問と回答

既存屋根から新しい屋根に交換するにはどのような工事がおこなわれますか?

屋根の交換工事には「カバー工法」と「葺き替え」の2つの方法があります。
カバー工法は、既存の屋根の上から新しい屋根材を重ねる施工方法のこと。葺き替えは、既存の屋根材を撤去し、下地補修をしたうえで新しい屋根材に交換します。

屋根の種類が多すぎて選びきれません。どうしたらよいですか?

屋根材選びに迷ったら専門業者に相談しましょう。
リフォームの場合は、劣化具合や耐震性といった建物の状態を調査したうえで、お客様の予算や希望に沿った屋根材を提案してくれるからです。新築の場合もデザインや予算などの要望をしっかりと伝えましょう。どちらの場合も専門業者とよく話し合ったうえで決めることが大切です。

立地や住環境によって適さない屋根の種類はありますか?

地域によっては不向きな屋根材や形状があります。立地や住環境によって不向きな屋根材と形状は以下のとおりです。

・ガルバリウム鋼板は塩害地域では不向き
・化粧スレートは寒冷地には不向き 
・アスファルトシングルは台風が多い地域には不向き
・陸屋根は暑い地域には不向き

屋根の種類のまとめ

屋根材と屋根形状には複数の種類があり、素材や形状によって機能性や耐久性が異なります。希望や予算、デザインはもちろんのこと、住環境も考慮したうえで選びましょう。

屋根材には以下のような特徴があります。

屋根材のまとめ

  • 耐用年数が長い高耐久な屋根材は価格が高い
  • 天然スレートと石粒付ガルバリウム鋼板、日本瓦は塗装メンテナンスが不要
  • 屋根材が軽量であるほど建物の耐震性は高まる

また、屋根形状には以下のような特徴があります。

屋根形状のまとめ

  • 形状がシンプルなほど施工やメンテナンスにかかる費用が安い
  • 複雑な形状は接合部が増えるため雨漏りのリスクも高くなる
  • 屋根の面が多いほど風圧が分散され耐風性に優れる

屋根選びに迷ったら専門業者への相談がおすすめです。その際は、希望や予算をしっかりと伝え、業者とよく話し合うとよいでしょう。

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