外壁の劣化が気になっているときに、訪問販売で外壁塗装を促されたら「急いで外壁塗装の契約をしなければ」と考えてしまいます。一方で、しっかりと業者を選ばずに流されるまま外壁塗装を契約してしまうのは不安ですよね。
結論から言うと訪問販売での外壁塗装の契約は、施工不良やトラブルの原因になるためオススメできません。
そこでこの記事では、外壁塗装の訪問販売を断るべき理由や業者の見極め方について解説します。契約したあとの対処法についても紹介するので、訪問販売に関して悩んでいる方は参考にしてください。
この記事の押さえておくべきポイント
- 訪問販売での外壁塗装は費用が通常より高い恐れがある
- 悪質な訪問販売は見積もりの内容が不明瞭である
- 優良業者は施工実績や口コミが豊富
- 優良業者は資格取得者であることが多い
- 契約解除したい場合はクーリングオフが使える
外壁塗装でアポなし訪問販売を断るべき【3つの理由】
訪問販売は「今やらないと家が腐る」「雨漏れする」と言って緊急性を煽ってきます。
急かして緊急性の工事を促す訪問業者が多いですが、品質や費用面でリスクがあります!
アポなし訪問販売のリスク
- 高額な見積もり
- しつこい営業
- 品質の悪い施工
リスクを知らずに契約してしまうと、高額な費用の支払いが発生する恐れがあります。アポなしで訪れた訪問販売は断ったほうが良いです。
高額な見積もりの提示
外壁塗装の訪問販売で適正な見積もり価格よりも高額な見積もりを提示してきた業者はほとんどの場合が悪徳業者です。
外壁塗装の相場は、2階建ての家で60〜130万円です。明らかに高額な場合は注意してください。
悪徳業者は歩合制が多く、高額で契約すればするほど業者の手元にお金が入ります。そのため塗装費用が高額になります。
相場に見合っていない高額請求をされた場合は、はっきりとお断りして帰ってもらいましょう。
しつこい営業手法
悪徳業者は何度も家に訪問するなど、しつこい営業手法が多く、非常に迷惑です。顧客の立場を考えず、契約するまでしつこく付きまとう恐れがあります。
しつこい営業を受けていると「契約したほうが楽になるのではないか」と考えるかもしれませんが、悪徳業者に依頼しないために、毅然とした態度で断ることが大切です。
しつこい営業を断る方法
- 居留守を使う
- 顔を出さずにインターホンで話す
- 「帰ってください」と言っても帰らなければ警察を呼ぶと伝える
- 質問に一切答えない
上記の対応をとれば、営業担当者は「この顧客は契約の見込みがないから、次へ行こう」と諦めるでしょう。
しつこい営業に惑わされず、一貫した態度で断ることが重要です。
品質の悪い施工
悪徳業者による訪問販売で契約すると、品質の悪い施工をされるケースが多いです。
訪問販売してくる営業担当者は、営業だけを専門とした会社で外壁塗装の知識がほとんどありません。
そのため、営業後は施工会社に丸投げして、契約できた報酬として契約金の約4割をもらっていくのがよくある流れです。つまり残り6割の金額で施工会社は塗装作業しなければならず、費用がまかなえないため、手抜き施工をおこないます。
手抜き施工の例
- 塗料を薄めて使用
- 人件費を削って埋め合わせする
施工不良により、すぐに塗膜が剥がれる、追加費用が発生するなどの被害が起こる場合があります。トラブルを避けるために、品質の良い信頼できる施工会社に依頼しましょう。
悪質な訪問販売を見極める【6つのポイント】
悪質な訪問販売に引っかからないために気をつけておきたいポイントは6つあります。
悪質な訪問販売の特徴
- その場で契約を急ぐ・迫る
- 大げさに危険性を煽り契約を迫る
- 不明瞭な見積もりを提示する
- 不十分な点検で見積もりを作成する
- 見積もり価格からの大幅な値下げをする
- 会社の所在地が分からない
- 長時間居座る
その場で契約を急ぐ・迫る
「すぐ工事をしないと大変なことになる」「今契約すれば大幅に値引きができる」と言って契約を迫る業者は要注意です。
外壁塗装は安いお金ではないため、簡単に値引きできません。また契約を検討したり、相見積もりをとったりする時間を与えないのは、顧客への親切心に欠けています。
実際にすぐ工事をしないといけないのは、雨漏りが起きた時や大きなヒビが外壁にできた時です。顧客の不安を煽るために言っているだけなので騙されないようにしましょう。
不明瞭な見積もりを提示する
外壁塗装の見積もり内容の詳細が「塗装工事一式」などとまとめられており、項目ごとの価格が不明な見積もりを提示する業者は悪徳業者の可能性があります。
通常、外壁塗装の見積もりは塗装面積、使用した塗料のメーカーなどを細かく記しています。細かい単位を記載していないと、料金が上乗せされていても顧客は気づきません。
また一般人では分からない専門用語を多用している見積もり書にも注意してください。
見積もり書に詳細が記載されていないのは、顧客の気づかないところで料金を上乗せする目的だからです。
また、業者には見積りの内容をしっかりと説明してもらいましょう。もし説明できない場合は業者も内容を理解できておらず、適当な見積りである可能性が高いです。
不十分な点検で見積もりを作成する
建物の現状を正確に把握せずに見積もりを作成すると、塗装後のトラブルに繋がりやすいです。外から見て「あなたの家の外壁は雨漏りを起こす直前の状態だ」と言われるケースがよくあります。
外壁塗装の見積もり作成は少なくとも1時間はかかります。10分程度で簡単に作れるものではありません。
家の状態はよく点検しないと分からないため、業者は料金を上乗せするつもりで始めから点検していた恐れがあります。
優良な業者は、本当に外壁がひどい状態なら、どの部分がどのようにおかしいのか丁寧に説明してくれます。とにかく見積もりだけを急いで作っている業者は信用しない方が良いでしょう。
見積もり価格からの大幅な値下げ
「期間限定キャンペーンをしています」など大幅な値下げでお得感を演出し、契約を急がせる業者は注意しましょう。悪徳業者でよくある、初めに高額な金額を見せつけて、あたかも割り引いたように見せてだます手法です。
外壁塗装の見積もり価格は、家ごとの面積や使用する塗料などから適した金額で算出されます。外壁塗装の約8割が経費や原価を占めているため、約10%の値下げはありえません。
大幅に値下げすると材料費に使えるお金がなくなり、塗料を薄めて使用したり、人件費をおさえたりして施工不良につながる恐れがあるため注意が必要です。
会社の所在地がよくわからない
「この業者あやしいな」と感じたら、見積もり書などに記載されている会社の住所を調べてみましょう。
その際に詳しい所在地が記載されていない・会社が記載の住所に存在しなければ、悪徳業者の可能性があります。住所が存在しない会社の場合、契約した際のお金だけもらって、その後音信不通になるトラブルが考えられるため要注意です。
実際に、外壁塗装に関するトラブルの中には、事務所を持たない詐欺会社にだまされたケースがあります。
訪問販売された際に住所を調べて、出てこなかったらその業者とは契約をしないようにしましょう。
長時間居座る
とにかく会話を続けて、長時間居座ろうとする業者は、会話の中で顧客につけ込む隙を探っている恐れがあります。
悪徳業者は顧客の都合を考えず長時間居座って、判断力が鈍っているところを狙い、契約を迫ってくる手法をとるため注意してください。優良業者であれば相手の都合を考えて長時間居座りません。
早く帰って欲しいと思ったら、気を遣って会話を続けるのではなく、毅然とした態度で断ることが大切です。
優良業者を見極める【4つのポイント】
訪問販売は悪徳業者が多いです。そのため、外壁塗装では自分で優良業者を探さなければいけません。ここでは優良業者を見抜くためのポイントは解説します。
訪問販売の優良業者の特徴
- 操業年数が長い
- 多くの施工実績がある
- 良い口コミが多い
- 外壁塗装に関する資格を持っている
- 保証が充実している
上記に当てはまる業者を選んで、外壁塗装を満足いく仕上がりにすることが大切です。
操業年数が長い
外壁塗装では業者の「操業年数」がとても重要です。長く運営されている業者はそれだけ多くの実績と技術があることを裏付けています。
また、操業年数が長い企業は、塗装後のメンテナンスや問題が発生した際のアフターケアについても一貫したサポートを提供できます。長期的に存在する業者であれば、何年後に問題が起きても対応してくれる可能性が高いです。
多くの施工実績がある
外壁塗装業者の施工した件数や事例を確認してみましょう。
施工実績の豊富さは、業者の経験のあらわれです。またビフォーアフターだけでなく、費用や期間なども掲載されていると実際に自分が依頼する際の参考にできます。
施工実績の確認方法は主に2つ。
施工実績の確認方法
- 業者から実際の施工の写真を見せてもらう
- ホームページを見る
悪徳業者の場合は、施工実績が無かったり仕上がりが綺麗でないため見せられないケースが多いため、施工実績は業者を見極めるポイントになります。
口コミを参考にする
外壁塗装業者の口コミを参考にして依頼するかどうか決めましょう。
実際に施工してもらった人のリアルな声は、会社名を検索すれば見られます。外壁塗装の口コミサイトもあるので、チェックしてみましょう。
口コミを見る際は、1つのサイトだけではなく最低でも5つのサイトから見て総合的に判断することが重要です。
1つだけのサイトでは、偏った意見や悪質なコメントが寄せられている恐れがあるからです。
地域に特化した外壁塗装業者の場合は、近所の人の評判を集めてみてもよいです。
外壁塗装に関する資格を持っている
外壁塗装に関する資格は、知識や経験がある証明となり業者への信頼につながります。外壁塗装に関する資格についてまとめました。
資格名 | 取得要件 |
---|---|
塗装技能士 | 学科試験•技能試験がある。一級塗装技能士は実務7年でないと取得できない。 |
外壁劣化診断士 | 建物に関する幅広い知識が必要。建設業もしくは不動産業での実務3年以上、建設業もしくは建築士、宅建士の資格が必要。 |
外壁塗装の資格は、実務経験が取得要件になっているため、ある程度の経験が無いと取得できないことが分かります。
資格の有無は、初めに渡された名刺に記載されているかどうかで判断できるので、名刺を貰った際に確認してみましょう。
保証がついている
工事保証や瑕疵担保保険など、トラブルの際に役立つ保証を外壁塗装業者が用意しているかホームページで確認しましょう。その際に保証範囲も確認しておくと安心です。
万が一、塗膜の剥がれなどの施工不良が起きた時に保証がないと再塗装しなければならなくなり、費用も手間も再びかかります。また施工不良の発覚後に瑕疵担保保険に未加入の業者が倒産した場合、保証してもらえないので注意してください。
優良業者は保証がついている場合がほとんどですが、保証範囲や保険の有無は必ず確認しましょう。
瑕疵担保保険とは?
瑕疵担保保険とは、工事に不備があった場合の修理費用を保証する保険です。塗装業者が瑕疵担保保険に加入するためには、施工実績などの審査を通過する必要があります。
外壁塗装の訪問販売でトラブルになった際の対処法
実際にトラブルに巻き込まれてしまった際の対応方法は3つあります。
トラブルに巻き込まれた際の対処法
- クーリングオフする
- 消費者センターに相談する
- 弁護士に相談する
状況に応じて適した方法は異なるので、内容と自分の状況を照らし合わせて対処法を選びましょう。
契約済みの場合はクーリングオフを
業者の押しに負けてしまい、無理矢理契約してしまった際はクーリングオフで契約をなかったことにできます。
ただし、クーリングオフをするためには以下の条件が必要なので注意してください。
クーリングオフの適用条件
- 契約した日から8日以内である
- 契約者が業者を家に呼んでない
- 契約した場所が自宅である(事務所でない)
- 個人と法人の契約である
- 契約書を貰ってない、不備がある(通常は赤字でクーリングオフについて記載されている)
クーリングオフが適用可能であれば、書面で業者に送りましょう。
書面は送る用、保管用、内容証明用の3枚を用意してください。
消費者センターに相談する
当事者間同士で解決しない場合は、消費者センターに電話で相談してみましょう。
消費者センターはサービスの契約で事業者とトラブルになった際に電話で相談できる機関です。担当相談員が自主交渉の方法や解決策について助言してくれます。
相談する際には契約書などの関係書類や、やりとりのメモ、録音などを提出するとよりスムーズにやりとりできます。
相談自体は無料ですが、通話料金がかかるのは注意してください。
弁護士に相談する
業者と話し合っても解決できない場合は、必要に応じて弁護士に相談して、問題を解決させる方法があります。
弁護士に相談すれば法的な手段を講じてくれたり、業者とのやりとりを代わりにおこなってくれるため、適切に問題を解決してくれます。
ただし、弁護士に依頼するのは最終手段で考えてください。弁護士に依頼すると、相談費用や成功報酬などを支払う必要があるからです。慎重に考えたうえで弁護士に依頼するのをオススメします。
弁護士によって得意ジャンルがあるので住宅トラブルに強い弁護士に依頼すると心強いです。
外壁塗装の訪問販売でよくある質問
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外壁塗装の相場価格はいくらですか?
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外壁塗装の相場は20坪で約40~90万円、30坪で約60~100万円、40坪で約80~130万円です。
相見積もりを取って訪問販売の価格が適正かどうか確認するのも有効です。
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無料点検なら受けても良いでしょうか?
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訪問販売の一環で無料点検を行う業者も多いですが、そこから営業トークに繋がる可能性もあるので注意してください。
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訪問販売のうまい断り方はありますか?
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訪問販売は居留守、無視が効果的です。「帰ってください」と言っても帰らない場合は不退去罪に該当するので警察を呼びましょう。
外壁塗装訪問販売のまとめ
外壁塗装の訪問販売を通じて悪質な業者に依頼してしまうと、必要以上の費用を支払ったり施工不良に繋がったりする恐れがあるので要注意です。
訪問販売が悪質かどうか見極めるポイントは以下のとおり。
訪問販売が悪質かどうか見極めるポイント
- 見積もり書が丁寧で顧客に配慮した対応
- 施工実績や保証内容が豊富か
- 大幅な値下げや契約を急かしてこないか
- ホームページで社長の考えを確認する
悪質な訪問販売にだまされないためには、ポイントを押さえることが大切です。