外壁塗装でローンを検討しているものの、どこに借りたらいいか分からないと悩んでいませんか。ローンを借りる手段は複数あり、金利や担保なども異なります。ローンの支払いは数年間続くため、自分に合った方法を選ぶことが大切です。
本記事では、リフォームローンのメリットや、借入先、金利などについて解説します。ローンと合わせて利用できる補助金制度や節税方法についても解説するので、ローンを賢く利用したい方は参考にしてください。
この記事のポイント
- ローンの借入先は銀行、信販、カード会社がある
- 住宅ローン返済中は提携金融機関での借入をまず検討
- 手元の現金を減らしたくない方はローンを借りた方が良い
- ローンは担保がある場合と無い場合がある
- 金利の相場は2~5%で、変動金利と固定金利の2種類がある
外壁塗装でローンは使える?
ローンは外壁塗装にも利用できます。マイホームの修理などで利用するローンは一般的にリフォームローンと言い、対象工事は下記です。
リフォームローンの対象
- 内装リフォーム
- 住宅設備の入れ替え
- 外壁塗装
外壁塗装で使えるローンは何?種類・特徴を解説【一覧】
外壁塗装のローンの申込先は、銀行・信金・信販・住宅ローン先・外壁塗装業者があげられます。それぞれの担保の有無や金利、メリット・デメリットについてまとめました。
申込先 | 金利 | 審査期間 | 担保 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|---|---|
銀行 | 1〜4% | 1カ月かかることも | 銀行による | 有担保か無担保か選べて金利が安い | 利用する銀行の口座が必要 審査の時間が長い |
信金 | 1.5〜4% | 1カ月かかることも | 不要 | 金利優遇して貰える可能性がある | 融資限度額が低い |
信販 | 2〜10% | 早2日でわかる | 不要 | 手続きがスムーズ 特典やキャンペーンを行っている場合がある | 時期によっては金利が高い可能性がある |
住宅支援機構 | 1.55~3.55% | 1~2週間かかる | 借入額が300万円以下 の場合不要 | 金利が安い | 審査が厳しい |
住宅ローン先 | – | – | – | 審査が通りやすい 金利を優遇してもらえる可能性がある | 外壁塗装が借入対象にならない場合がある |
外壁塗装業者 | 2〜10% | 早2日でわかる | 不要 | 提携先のローン会社を紹介してもらえるので、自分で借入先を探す手間が省ける | 自分の意思で借入先を選べない |
低金利で利用したい方は銀行、急いでローンを利用したい方は信販がおすすめです。また借入額が少なく低金利・無担保で利用したい方は住宅金融支援機構を検討しましょう。
ローンの支払いタイミングはいつ?
ローンの支払いは工事完成の当月もしくは翌月から発生します。現金で支払う場合のタイミングは、工事終了後に一括払いが一般的です。工事前に着手金を払う必要がない点がリフォームローンのメリットです。
ローンを利用した方が、現金よりも支払いのタイミングは遅いです。
外壁塗装をローンで支払うメリット・デメリット
外壁塗装をローンで支払うメリット・デメリットについてまとめました。それぞれ理解したうえで、ローンを利用するかどうか決めましょう。
メリット1:貯金がなくても施工できる
外壁塗装をローンで組めば、現時点で貯金が無くても月々数万円の返済で施工できます。貯金で施工費用をまかなえなくても施工できるため、お金を貯めてから外壁塗装をする必要がありません。
好きなタイミングで外壁塗装をおこなえるため、外壁の汚れが気になり塗装を急いでいる方も大丈夫です。
メリット2:手元に余裕を残せておける
ローンを利用すると、初期費用を抑えて手元に預貯金を残しておける点がメリットです。預貯金があれば、子どもの学費や旅行などにまわせます。
ローンを利用すれば、貯金が目減りすることへの不安が解消され、自分の使いたいことに貯金を残せます。
メリット3:高耐久塗料でメンテナンス費を抑えられる
外壁塗装をする際にローンを利用すると、高価格帯の塗料も選びやすくなり、後々のメンテナンス費用を抑えられます。高価格帯の塗料は低価格帯の塗料よりも耐久性が高く、劣化スピードが遅い分メンテナンス頻度を下げられるからです。
外壁塗装は、塗料によって金額が大きく変わります。
現金で払う場合、高価格な塗料を避けがちです。しかし、高耐久塗料でメンテナンスの期間を延ばすとランニングコストを抑えられるため、検討してみましょう。
例えば塗装面積100㎡の建物に「4,500/㎡・耐用年数20年」の無機塗料を使用した場合、塗料の費用は45万円です。一方「1,200/㎡・耐用年数4年」のアクリル塗料を使用した場合は20年間に5回の塗装が必要で、12万円×5回でトータル60万円と高額なコストがかかります。
実際の外壁塗装工事では足場やそのほかの施工費がかかるので、工事の回数が増えるとさらに費用がかかります。
メリット4:外壁の劣化が深刻になる前にメンテナンスできる
ローンを利用すれば外壁の劣化が深刻になる前にメンテナンスできます。
貯金するためには期間が必要ですが、外壁塗装を適切な時期におこなわないと、劣化が進行して外壁の防水機能が下がります。防水機能の低下により外壁の内部に雨水が侵入すると、雨漏りやシロアリを引き起こします。その場合大規模修繕が必要です。
外壁塗装の費用相場は30坪の家の場合、100~120万円です。適切な時期にメンテナンスをおこなわなければ外壁の劣化が進んで、追加補修や外壁交換が必要になりさらに費用が膨らむ恐れがあります。
お金を貯めている間に、返って補修費用が高く付く恐れがあるため、ローンを組んでベストな時期に塗装することが大切です。
デメリット1:審査が必要で落ちる恐れがある
ローンを借りるためには、事前審査に通過しなければなりません。しかし、次の項目の基準を満たしていないと金融機関に判断された場合、審査に落ちる恐れがあります。
ローンの主な審査内容
- 完済時年齢
- 健康状態
- 年収
- 担保評価
- 借入時の年齢
- 雇用形態
- 勤続年数
審査中に転職したり、信用情報の内容が変わったりすると審査後に取り消される場合があります。
ローンの審査基準は金融機関により異なるため、1度審査に落ちても他の金融機関の審査を通過できる可能性はあります。またリフォームローンではなくカードローンの方が審査が通りやすいため、金融機関の審査に落ちた場合は検討してみましょう。
デメリット2:金利で支払い総額が増す
ローンは金利が発生するため、一括払いよりも支払総額が増えます。例えば、100万円の塗装費用を1.7%・10年のローンで払った場合、支払総額は約109万円です。対して一括払いの場合の支払総額は100万円で、約9万円の差額があります。
早めに対処しなければ結局高い工事費用を払わなければなりません。
リフォームローンと一括支払いはどっちが良い?
リフォームローンと一括払いは、それぞれ特徴が異なります。そのため、向いている人と向いていない人がいます。それぞれの特徴についてまとめました。
ローンでの外壁塗装が「おすすめな人」の特徴
下記に当てはまる人はローンでの外壁塗装がおすすめです。
ローンがおすすめな人の特徴
- 貯金を残しておきたい人
- 工事費用が思ったより高い人
- 手元にお金がない人
- 塗料のグレードを上げたい人
ローンでの外壁塗装は、初期費用や手元残金を気にしなくて良いです。一方で、審査や総支払額が多くなる点は把握したうえで検討しましょう。
ローンでの外壁塗装を「おすすめできない人」の特徴
ローンでの外壁塗装をおすすめできない人には次の特徴があります。
ローンがおすすめできない人の特徴
- 高齢な人
- 潤沢な貯金がある人
- 毎月の出費を抑えたい人
完済時の年齢が退職後になる方は、無職の状態でローンを返済しなければならない可能性があります。また、同じ外壁塗装費でもローンよりも現金のほうが総支払額は少なくなるため、貯金を使っても問題ない方は現金でも良いでしょう。
ローンを借りると、毎月数万円の支払いが必要になるため、毎月の出費を抑えたい人はストレスを感じます。
外壁塗装で利用するローンの選び方
金利や担保などの条件を検討したうえで、外壁塗装で利用するローンを選ぶ方法があります。それぞれの特徴を理解したうえで、どのタイプのローンを選ぶかが大切です。
住宅ローン返済中は提携金融機関での借入をまず検討
新築時に住宅ローンを利用している場合は、提携金融機関での借入を初めに検討してみましょう。外壁塗装のローンを新築ローンにまとめてくれたり、金利を下げるなどの優遇措置をしてもらえたりする可能性があります。
住宅ローンをまとめると返済額が一目で分かるため、家計管理をしやすくなる点がメリットです。
ただし、既に借りている金融機関と同じだからといって確実に借りられるわけではありません。金融機関が外壁塗装のローンを取り扱っていない場合や、審査に落ちる可能性があるため、まずは提携先の金融機関に相談してみましょう。
担保の有無で選ぶ|1000万円以上なら担保有になる
ローンを組む際、担保の有無を選べます。担保とは、ローンを返済できなくなった場合、返済を保証する物や人のことをいいます。担保になる物は家や土地、人は連帯保証人があげられます。
担保の有無によるローンの内容の違いは下記のとおりです。
担保有 | 担保無 | |
---|---|---|
金利 | 安い | 高い |
審査 | 時間がかかる | 時間がかからない |
諸経費 | 登記費用や手数料などがかかる | 手数料が比較的かからない |
合計金額はほとんど同じか、無担保の方が少ない場合が一般的です。
金利の利率やタイプで選ぶ|利率の相場は2~5%
ローンを利用する際は、金利の利率やタイプを把握したうえで選びましょう。ローンの利率の相場は2〜5%で、金融機関によって異なります。
また金利のタイプは固定金利と変動金利があります。
固定金利の場合は、借入した時点での金利から変わらないため経済情勢に左右されません。返済額が変わらないので計画が立てやすい点がメリットです。
変動金利は、数年ごとに市場に合わせて金利を見直します。低金利が続く場合はお得になるため、合計金額が安くなる可能性があります。
それぞれの特徴を理解したうえで、自分に合う金利のタイプを選びましょう。
リフォーム専門かどうかで選ぶ
担保と保証人が必要ないため、必要書類が少ない点がメリットです。しかし、デメリットはリフォームローンは借入期間が短く、月々の返済額が高くなる点があげられます。
手間をかけずに、少ない借入額を検討している人はリフォーム専門のローンがおすすめです。
外壁塗装でリフォームローンを組む時の注意点
注意点は銀行・信販・住宅金融支援機構いずれのローンでも同様に当てはまります。
基本的には総支払金額は増す
ローンで支払うと基本的には支払い総額は金利の分増えます。とはいえ、安い金利だと数万円で住む場合もあるので、負担としては少ない場合があります。
すでに外壁に劣化が見られる場合は、できるだけ早めにローンを利用しましょう。総支払金額が増すからといってローンを利用せずにお金を貯めている間に、外壁の劣化が進行してしまう恐れがあります。
返済率に要注意【上限は25%】
返済率は25%が無理なく返せる上限なので超えないようにしましょう。返済率は年間返済額÷年収×100で求められます。
そのため、年収600万円の人は年間150万円に返済額を抑えなければなりません。返済額は住宅ローン、車の返済額などを合わせた金額を指します。
無理のない返済スケジュールを立てたうえでローンの借入額を決めましょう。
返済期間が短くなる可能性がある
ローンの返済期間は必ず確認しましょう。
返済期間が35年の住宅ローンと比べると、リフォームローンは返済期間が短く、10年~15年など上限を設定している場合があります。
短期間な分、月々の返済額が高くなる恐れがあるため、希望する月の返済額と返済期間を照らし合わせることが大切です。
業者にローンを組むことを伝える
ローンを利用する場合は、外壁塗装業者に一言伝えておきましょう。ローン申込の際に金融機関から借入金を把握するために見積書等を求められる場合があるので、ローン利用を施工業者にも伝えておくとスムーズにやりとりが進みます。
書類手配などは時間がかかるため、早めに伝えることが大切です。
ローン申請のタイミングは要注意【忘れないこと】
ローン申請の時期は工事を始める時期から逆算しましょう。ローン審査には一定の期間がかかるので、支払いがスムーズに行えるよう計画をたてて申請を行うべきです。
また、外壁塗装の途中ではローンの利用はできないため、ローン申請は忘れずにおこなわなければいけません。
長期的な支払いシミュレーションは徹底的におこなう
長期的な支払いシミュレーションは徹底的におこないましょう。ローン返済スケジュールが実際どのようになるか、ライフプランとも照らし合わせながら計画することが重要です。
ライフプランの例は以下があげられます。
ライフプランの例
- 出産費
- 子どもの教育費
- 住宅設備の取り替え
- 老後に必要なお金
- 自動車の買い換え
借りられる額まで借りるのではなく、長期的に苦しくない返済額を考えましょう。
外壁塗装ローンの申請方法【フローチャート】
外壁塗装のローンの申請方法や総支払額についてまとめました。実際に借りる際の参考にしましょう。
外壁塗装でリフォームローンを申請する方法
外壁塗装でリフォームローンを申請する手順は下記のとおりです。ローン審査は外壁塗装の契約前に通る必要があります。
仮審査・本審査で落ちた場合は次のステップに進めません。
総支払金額はいくら?簡単シミュレーション【金利別】
外壁塗装の価格は80〜120万円として、総支払金額をシミュレーションしました。条件は、ボーナス払いなし、返済期間10年間です。
金利 | 80万円の総支払金額 | 120万円の総支払金額 |
---|---|---|
1.0% | 804,030円 | 1,206,050円 |
2.0% | 883,320円 | 1,324,990円 |
3.0% | 926,980円 | 1,390,470円 |
4.0% | 971,950円 | 1,457,920円 |
5.0% | 1,018,220円 | 1,527,340円 |
外壁塗装のリフォームローンをお得に利用する方法
リフォームローンを利用する場合、助成金や節税を受けられる可能性があります。ローンは金利分も上乗せされ支払いが増えるので、少しでもお得に活用しましょう。
助成金や自治体支援を活用する
ローンを利用する前に外壁塗装で活用できる助成金や自治体の支援があるか探してみましょう。条件や補助額はお住まいの地域によって異なり、自治体のホームページから確認できます。
ただし、助成金や支援を全ての自治体がおこなっているわけではありません。また借入金額や使用する塗料などの条件があるため、不安な場合は直接問い合わせてください。
ローン減税を活用する
外壁塗装のローン減税をおこなうと、ローン残高の0.7%を所得税から控除できます。ローン減税の利用条件は次のとおりです。
ローン減税の利用条件
- 本人が居住する家
- 工事費用が100万円以上
- 借入期間が10年以上
- 家の面積が50㎡以上
- 年間所得が3000万円以下
ローン減税を利用するためには初年度に確定申告をおこなう必要があります。
省エネリフォームや長期優良住宅化リフォームをはじめとしたローン減税の詳しい情報は、住宅リフォーム推進協議会のHPで確認できます。計画中のリフォームが国の助成制度に該当するか確認しましょう。
外壁塗装のローンで良くある質問と回答
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リフォームローンを組むと損ですか?
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リフォームローンは手元に現金がなくても外壁塗装をおこなえます。しかし、金利や手数料が必要なので総額は大きくなります。このまま放置しておくと大規模修繕が必要になりそうなほど劣化が進んでいる場合であれば、リフォームローンを組んだ方がお得です。
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リフォームローンの金利はいくらですか?
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リフォームローンの金利の相場は2~5%です。申込先により異なります。
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支払いが滞るとどうなりますか?
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支払いが滞ると、遅延損害金が発生します。また金利の優遇を受けている場合解除される恐れがあります。支払いが滞っていることに気づいたら、早急に金融機関に相談しましょう。
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無職でもリフォームローンは組めますか?
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基本的には無職の場合リフォームローンを組めません。しかし、株式の配当金など不労所得がある場合はリフォームローンを組める場合があります。
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外壁塗装をクレジットカードで支払えますか?
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クレジットカード決済に対応している外壁塗装業者に依頼すれば、可能です。ただし、対応している業者は少ないので、分割払いを希望であればローンの利用を検討してみましょう。
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業者はローンを紹介してくれますか?
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外壁塗装業者はローンを紹介してくれる場合があります。提携している金融機関の紹介などを紹介して貰えます。
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審査に落ちたらもうローンは組めませんか?
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他の金融機関で再申請すればローンを組める可能性があります。金融機関ごとに審査の基準は異なるからです。ただし、審査に落ちたことは記録されるため、闇雲に再申請しないよう注意してください。
外壁塗装のリフォームローンのまとめ
外壁塗装の際、手元にお金が無くてもローンを利用すればすぐに工事ができます。ローンは申込先、金利や担保の種類によって合計金額が変わる場合があるため、しっかりと計画を立てて組むことが大切です。
この記事のポイント
- ローンの借入先は銀行、信販、カード会社がある
- 住宅ローン返済中は提携金融機関での借入をまず検討
- 手元の現金を減らしたくない方はローンを借りた方が良い
- ローンは担保がある場合と無い場合がある
- 金利の相場は2~5%で、変動金利と固定金利の2種類がある