初めての外壁塗装はわからないことばかりで、「どんなトラブルが発生するか」と不安に感じている方も多いのではないでしょうか。外壁塗装のトラブルは施工内容上避けられない事例もありますが、業者選びや書類チェックなどをしっかりおこなえば避けられます。
本記事では、外壁塗装で起こるトラブルについて解説します。トラブル発生後の対処法や事前にできる予防策も解説するので、トラブル発生時に冷静に対処したい方は参考にしてください。
この記事のポイント
- トラブルが発生する理由は見落としや勘違いなどの人的ミスがほとんど
- 騒音や天候など防ぎようのないトラブルもある
- 優良業者に依頼すればトラブル発生リスクを下げられる
- トラブルが発生したらまずは業者に相談
- 業者が相談に乗ってくれない場合は第三者機関に相談する
なぜ外壁塗装で多くのトラブルが発生するの?
トラブルが発生する理由は、見落としや勘違いなどの人的ミスがほとんどです。あらかじめ理由を知っておくと予防できるのでしっかり把握しましょう。
外壁塗装は「言った」「言わない」で揉めやすい
外壁塗装は打ち合わせる内容が多く、聞き漏れや勘違いなどで施主と業者の間で認識のズレが起きて、トラブルが発生する場合があります。
また、施主が営業担当者に伝えた内容を、現場で作業する業者に共有できていないケースもあります。
「言った」「言わない」で揉めてしまい、責任の所在や施工内容の変更を巡ってトラブルになります。
防ぐために、業者との打ち合わせ内容を口約束で決めず書面に記載したり、内容を録音したりしましょう。
決める事が多く見落としが生じやすい
外壁塗装は価格や仕様など決めるべきことが多く、項目に見落としがあるとトラブルが発生しやすくなります。そのため、あらかじめチェックすべきことを把握してトラブル発生を防ぎましょう。
チェックポイントの一例は下記のとおりです。
打合せ時にチェックすべきこと
- 近隣挨拶の日にち
- 隣の家と足場の距離は問題ないか
- 塗料などの資材置き場
- 工事車両の駐車場所
- 使用する塗料の種類
- 保証内容
- 工事箇所
- 見積り書で不明な点がないか
決めたことは書面で必ずメモを取って、内容をいつでも確認できるようにしましょう。
近隣挨拶をすれば騒音や匂いなどが発生した際も理解を得られやすいです。
不慣れな工事は業者任せになりやすい
施主にとって、外壁塗装は10年に一度程度しかおこなわない不慣れな工事なので、業者任せにしがちです。
しかし、依頼した業者が悪徳業者だった場合や確認すべき点を丸投げした場合、トラブル発生に繋がります。
業者任せにすると発生しやすいトラブル
- 手抜き工事を見抜けなかった
- 施工箇所を勘違いしていた
トラブルを防ぐためには、塗装の基本的な知識や、悪徳業者を見抜くためのポイントを理解するなど、当事者意識を持って外壁塗装を依頼しましょう。
外壁塗装の【契約】でよくあるトラブル6選
外壁塗装の契約前後に起こりやすいトラブルに該当する業者は、悪徳業者の恐れがあります。心当たりがある場合、別の業者を検討する方法も選択肢の1つです。
見積もり内容の専門用語が分からず理解できなかった
外壁塗装で馴染みのない専門用語が多く、業者に渡された見積書の内容を理解できなかったケースです。見積書の内容を理解しないままやりとりを進めると、自分の希望と業者の解釈が噛み合っているか確認できません。
また、あえて専門用語を入れて、知らない間に追加費用を上乗せする業者もいるため、きちんと見積書の内容を理解する必要があります。
分からない専門用語があったら、理解できるまで業者に説明を求めましょう。
もしも言葉を濁されたら、別の業者に依頼した方が良いです。
簡易的な見積書しか提示してくれない
詳しい内容が書かれた見積りを業者に作成して貰えず、理解できなかったトラブルがあります。例えば、○○一式などの表記で、費用の内訳が分からなかったケースです。
詳細が記載されていない場合は、費用を上乗せされている恐れがあるため、必ず詳細を業者に確認しましょう。見積書の内容が適切かどうか確認するためのポイントは次の通りです。
見積書の確認すべきポイント
- 使用する塗料の名前
- 塗装面積で見積りが記載されているか
- 作業内容が細かく記載されているか
細かく作業内容ごとに費用を見積書に記載しない業者は、悪徳業者の恐れがあります。
相場価格が分からず高い業者と契約してしまった
外壁塗装全体や各項目の相場価格がわからず、相場よりも高い金額で契約したトラブルがあります。適切な金額で契約するためには、相場価格をしっかり把握したうえで、相見積もりをしましょう。
外壁塗装で必要な工事の相場価格をまとめました。
工事内容 | 費用相場(1㎡あたり) |
---|---|
足場代 | 700円~1000円 |
飛散防止ネット | 100円~200円 |
高圧洗浄 | 150円~300円 |
コーキング | 500円~1,000円 |
軒天の塗装 | 1,100円~1,400円 |
破傷板の塗装 | 600円~800円 |
雨どいの塗装 | 700円~1,000円 |
雨戸の塗装 | 2,000円~5,000円 |
下地補修 | 600円~1,000円 |
諸経費 | 全体の5%程度の金額 |
1社だけに依頼すると不要な工事が追加されていても気づけないため、相見積もりがおすすめです。相場に合う価格で、必要な工事を提案している業者に依頼しましょう。
相見積もりの注意点は?
相見積もりする際は、各社の使用している塗料や工事箇所、塗り回数など抑えるポイントがあります。詳しくはこちらの記事で解説しています。
業者に強く勧められ気乗りしないまま契約してしまった
自分の意思と裏腹に、業者からしつこく勧められ契約してしまうトラブルがあります。
「今日契約すれば半額にする」「外壁の状態が悪く、今すぐ塗装しなければ取り返しのつかないことになる」などの営業は悪徳業者が契約するためにおこなう手口です。
しつこく営業された場合、下記の対応をとって契約しないようにしましょう。
しつこい業者の営業を断る方法
- 「帰ってください」と言っても帰らなければ警察を呼ぶと伝える
- 質問に一切答えない
契約を急かす業者に依頼すると、施工不良や高額契約などのリスクが発生します。しっかりと施工事例や口コミを確認して、自分が良いと思う業者に依頼しましょう。
訪問販売は悪徳業者?
家に訪問して外壁塗装の営業をする業者は悪徳業者の恐れがあるため、はっきりと断りましょう。詳しくはこちらの記事で解説しています。
契約時に工事代金全額払うように言われた
外壁塗装を契約する際、業者に工事代金を全て支払うように言われるトラブルです。工事代金を契約時に支払うと、下記のリスクが生じる恐れがあります。
リスクの一例
- 代金を支払った後に業者との連絡が途絶えてしまった
- 料金に見合わない手抜き工事をされた
- 追加料金の支払いを拒否したら工事を中止された
外壁塗装の代金請求するタイミングは工事完了後と民法で定められているため、外壁塗装工事の契約の際に、前払いをする必要はありません。
契約時に全額支払うように言われても、きっぱりと断りましょう。
解約を申し出たら違約金を請求された
外壁塗装の契約を解約したいと業者に電話したところ、解約には違約金が必要だと言われたケースです。
外壁塗装はクーリングオフが適用できるため、契約から8日以内であれば違約金は発生しません。そのため、クーリングオフの流れに応じて、業者と解約しましょう。
クーリングオフの適用外だった場合は、違約金額の妥当性を判断しなければなりません。消費者契約法9条1項で、違約金が高額な場合は無効になると定められているからです。
違約金について話し合いがこじれた場合は、こちらで解説している第三者機関に相談しましょう。
クーリングオフの条件は?
契約から8日以内、個人と法人で契約するなどの条件があります。詳しくはこちらの記事で解説しています。
外壁塗装の【施工中】によくあるトラブル9選
外壁塗装の施工中のトラブルは、工事内容上どうしても避けられない理由や、業者のミスなどにより発生します。トラブルを防ぐためには、内容をあらかじめ把握して、業者と防止策を共有する姿勢が大切です。
足場組み立てや解体時の騒音がうるさい
足場は金属のパイプを組み合わせてできており、設置・解体の際にハンマーで叩く音が響き渡るため、生活に支障が出るケースがあります。
例えば、赤ちゃんが足場の音で眠れない、リモート会議がしづらいなどのケースです。また近所から騒音のクレームをされる場合があるため、騒音は以下の対策を講じましょう。
足場に関する騒音トラブルの対策方法
- イヤホンを付ける
- 足場設置・解体の日は外出する
- 近所に事前に挨拶しておく
外壁塗装中に騒音が響く工程は足場設置だけ?
足場設置以外も騒音が響き渡る場合がありますが、高圧洗浄、塗装など作業ごとに音の大きさは異なります。詳しくはこちらで解説しています。
足場で自分の車や家を傷つけられた
足場を設置する際に、金属のパイプが車や自宅に当たりキズがつくトラブルが起こる場合があります。
所有物を傷つけられた場合、業者が加入している損害保険で補償してもらえます。そのため、業者には事前に損害保険の加入有無を確認しましょう。
丁寧に施工してくれる業者に依頼すると、足場で傷つけられるトラブルの発生リスクを抑えられます。足場は外壁の近くに設置・解体をするので、慎重な作業を求められるからです。
業者の施工実績は、業者が丁寧に施工するかどうか判断するために重要なので、しっかりチェックしましょう。
地域密着型の外壁塗装業者の場合、近隣からの評判も有力です。
養生期間中は窓が開けられず換気・洗濯できなかった
窓が塗料につかないように養生されている期間中は、換気や洗濯物を干せなくなります。そのため、臭いが屋内にこもり体調不良を起こすなどのトラブルに注意が必要です。
工事日程によって換気できる日があるので、業者に換気したい旨を伝えれば対応してもらえます。何も伝えないと窓を開けられないように養生されてしまうので、事前に伝えなければなりません。
工事期間中に窓を開けられる日は下記のとおりです。
工事内容 | 窓を開けられるかどうか |
---|---|
足場設置 | × |
高圧洗浄 | 乾燥中は窓を開けても良い |
下地処理 | 乾燥中は窓を開けても良い |
養生 | × |
外壁塗装 | 塗装面と逆側の窓は開けても良い |
完了検査 | ○ |
足場解体・清掃 | ○ |
どの工程中でも夜中は作業していないので窓を開けても問題ありません。室内のタバコの煙やペットの臭いなどが気になり、どうしても室内の空気を入れ替えたい日は、夜換気しましょう。
洗濯物に塗料の臭いが付くか不安な方は、コインランドリーに持って行く方法も選択肢の一つです。
高圧洗浄で屋内に水漏れしてしまった
窓の施錠、換気扇の閉め忘れによって高圧洗浄中に水が屋内に侵入するトラブルがあります。
水漏れを防ぐためには高圧洗浄の日程を工程表で確認して、窓の開け閉めや換気扇を徹底チェックしましょう。また、業者が高圧洗浄の圧力を下げなければならない箇所で調整しないと、水漏れが発生する場合があります。
ひび割れ部分やサッシ周りで水圧を下げないと、隙間から侵入する恐れがあるため、丁寧に施工してくれる業者に依頼しなければなりません。
もしも水漏れしたら、業者に報告して拭いてもらいましょう。その際に、ひび割れから水が侵入したかどうかチェックしてもらうと良いです。
優良業者は、点検時にひび割れ部分をチェックして高圧洗浄の水圧を調整します。
台風で作業が延期になり工期が大幅に伸びた
塗装作業の延期が続いて工期が伸び、生活に支障が出るケースです。
生活支障が出るケースの一例
- 塗装作業期間は家が覆われ暗くなる
- 塗料の臭いがこもる
雨の日や台風の日に施工すると、塗料が上手く乾燥せず施工不良に繋がるため、品質保持のためには数日の作業延長は目をつぶらなければなりません。
トラブルを避けるためには依頼する季節が重要です。梅雨の時期や夏の時期は、外壁塗装自体は可能ですが、天候によって施工を中断する日が多くなりやすいデメリットがあります。
春や秋は台風や雨の日が少ないためおすすめです。
雨の日に外壁塗装を施工する業者は悪徳業者?
悪徳業者の恐れが大いにあります。施工不良や事故のリスクが高まる雨天時に作業する業者は、人員不足によりスケジュールが立て込んでいる可能性があるからです。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
>>【雨の日に外壁塗装は絶対ダメ!】影響からトラブル事例まで徹底解説
指定した場所の塗装がされていなかった
外壁に接近している物置を移動して塗装する予定が、未塗装のまま工事終了となるトラブルがあります。
塗装を塗り忘れる原因は業者の不注意によるものです。下記の状況にあてはまる方は、塗装箇所を入念にチェックしましょう。
塗り残しが発生する原因
- 梅雨など長期間工事を休んでて進捗を忘れた
- 無色透明なクリア塗料を使用して塗装範囲がわからなかった
- 塗装範囲の確認不足
工事完了検査をおこなう業者を選ぶと塗り残しを予防できます。
工事完了検査は、住宅瑕疵担保責任保険に加入している業者のみ実施できます。そのため、業者が瑕疵担保保険に加入しているか確かめたうえで、契約を結びましょう。
作業の進捗がわからず不安になった
外出時に外壁塗装の進捗具合を確認できず、しっかり工事しているか不安になるケースです。
作業の進捗を把握するためには、契約時にやりとりの仕方について確認しましょう。作業進捗を共有するためのツールは、下記のとおりです。
作業進捗を把握するためのツール
- メール
- LINE
- 業者特有のツール
しっかり工事をしているかどうか把握するために、進捗報告の内容を工程表と照らし合わせると良いです。また、翌朝自分の目でしっかりと施工したことを確かめられると不安解消に繋がります。
塗料や汚れが近所の車・家に付いてしまった
外壁塗装中に、塗料が飛散して近隣の車や家を汚してしまい、近隣トラブルに発展するケースがあります。
外壁塗装の塗装方法は刷毛・ローラー・スプレーで、特に飛びやすい塗装方法はスプレーです。また、養生が甘いと飛散した塗料が近隣の所有物を汚してしまいます。
塗料の飛散によって近隣の人の所有物を汚した場合は、施主ではなく業者の責任です。汚した物の弁償は、業者が必須で加入している損害保険で対応してもらいましょう。
近隣への塗料飛散に関するトラブルを防ぐための方法の一例は次のとおりです。
塗料の飛散による近隣トラブルの防止策
- 養生がしっかりおこなわれているか自分の目で確かめる
- 事前に近所に外壁塗装の挨拶する
- 塗装方法をローラーにする
追加工事で費用が必要だと言われた
施工中に契約時は言われなかった箇所の追加工事が必要だと業者に言われ、追加費用を巡ってトラブルになる場合があります。
工事の際に初めて補修が必要な箇所が見つかるケースもあるため、施工中に追加費用を請求する業者が悪徳業者とは限りません。
追加工事に応じる際は代金を書面で残すために、追加で契約書を用意しましょう。
ただし、中には追加費用を請求して工事費用の総額を高くする悪徳業者も居るため、本当に必要な追加工事か見極める必要があります。
悪徳業者かどうか見極めるためにどの箇所が、なぜ補修が必要かしっかりと説明を求めましょう。
追加工事の他に下記にあてはまる場合、悪徳業者の恐れが大いにあります。
悪徳業者にあてはまる特徴
- 説明をまともにしない
- 説明の仕方が高圧的
引っかかる点があれば、その場で追加工事に応じず第三者機関に相談してみましょう。
外壁塗装の【完了後】によくあるトラブル6選
外壁塗装の施工後に起こるトラブルは、仕上がりに関するトラブルが多くあげられます。納得いく外壁塗装のためには、業者選びと保証内容の確認が重要です。
イメージと違う外壁色になった
外壁塗装後の色がイメージと違ったものの、やり直しに応じてもらえないトラブルがあげられます。
外壁塗装の保証は基本的に施工不良に関する内容がほとんどなので、色をイメージ通りに再塗装してもらうためには追加料金がかかります。
イメージと違う外壁色になる原因は、同じ色でも色見本と外壁で印象が異なることを把握していないからです。
外壁塗装は色見本より大きい面積で塗るため、仕上がりがイメージよりも明るくなります。また、日が当たっている部分と日陰部分でも色見本の印象が異なります。
そのため、下記のポイントを抑えて色見本を選びましょう。
色見本と外壁色の仕上がりを近づけるためのポイント
- 色見本は最も大きいサイズを選ぶ
- 色見本を朝昼晩に分けて外で見る
カラーシミュレーションを利用すればイメージ通りの仕上がりにできる?
カラーシミュレーションは光の当たり具合や周りの景観などは再現できないため、イメージ通りにいかない恐れがあります。あくまで模擬的な全体イメージをつかむツールと考えておきましょう。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
>>外壁塗装の色がイメージと違う!再塗装できる?対処法から失敗例まで徹底解説。
塗料にプツプツとした穴がある
外壁塗装後のトラブルで、塗膜にピンホールという小さな穴ができるケースがあります。ピンホールに雨水が入ると、塗膜の内部が浸食されて劣化に繋がり、耐用年数まで効果が発揮できません。
ピンホールが発生する原因は、手抜き施工によるものです。
ピンホールが発生する原因
- 塗料を薄めて使用する
- 塗料の乾燥不足
悪徳業者の場合、人員不足でスケジュールが詰まっているからと塗料が乾ききる前に次の工程に移ったり、材料費を安くするために塗料を薄めたりします。
ピンホールを防ぐために、施工実例や口コミから判断して、しっかり施工してくれる業者に依頼しましょう。
保証対象になる劣化を誤認していた
保証対象になる劣化症状を把握しておらず、業者に保証対象外と断られる場合があります。
例えば、ひび割れも保証対象になると思っていたが、保証書を見ると水漏れに関する項目のみしか記載されておらず、ひび割れを補修できなかったケースです。
業者と契約する際に、契約書と一緒に保証書が渡されます。保証書の中に保証対象の内容が記載されているので、きちんと内容を確認しましょう。
保証期間も合わせて確認すると、期間外に依頼して外壁の補修依頼を断られるトラブルを防げます。
手直しをお願いしたらなかなか業者が来ない
外壁塗装後に気になる部分があり手直しをお願いしたものの、一向に業者が来ないトラブルがあります。
気になる部分があったら、悪化する前に業者に来てもらう必要があります。
業者にお願いしても取り合ってもらえない場合は、第三者機関に相談しましょう。
第三者機関は下記で詳しく説明していますが、業者が手直しに来ないトラブルの場合は、住まいるダイヤルがおすすめです。
外壁塗装工事の資材やゴミが置きっぱなしになっている
外壁塗装工事で使用したペンキ缶や養生ごみなどが残った状態で、工事が終わってしまったケースがあります。
この場合、後日ゴミを回収することを業者が施主に伝え忘れていたと考えられるため、一度外壁塗装業者に問い合わせましょう。
伝え忘れを防ぐために、LINEやメールでの報告だけでなく、会話などのコミュニケーションを交わすと良いです。そのため、愛想の悪い業者ではなく、話しやすい業者を選ぶと伝え忘れに関するトラブルを防げます。
業者が倒産してしまった
施工後に業者が倒産してしまい、今後の保証をどうしたらいいか分からなくなってしまう場合があります。
保証書をまずは確認して、倒産後も保証される契約かどうか確認しましょう。外壁塗装会社が用意している保証制度は、下記の2つに分けられます。
制度 | 倒産後の保証有無 |
---|---|
自社保証 | 保証されない |
第三者保証 | 組合や損保会社のお金で保証可能 |
倒産後の保証について不安になるケースを防ぐためには、あらかじめ用意している保証制度は保証事業者の制度かどうか尋ねましょう。
「独自保証」「オリジナル保証」と呼ばれる保証制度は、自社保証のことです。
外壁塗装でトラブルが発生したらとるべき行動
外壁塗装のトラブルは、適切な行動を取れば解決できる可能性が大いにあります。実際にトラブルが発生した際に、冷静に対応できるようにしましょう。
現場の様子・状況を写真や動画に収める
外壁塗装のトラブルが発生したら、まずは現場の様子や状況を写真・動画に収めましょう。
施工時のトラブルが業者に伝わりやすくなるからです。くわえて撮影日時が分かるため、例えば塗膜の剥がれの写真を見せた際に「これは塗装前の状態だ」と業者から言われる事態を防げます。
どの箇所でどのようなトラブルが起きているか分かるように、全体を撮影するとより伝わりやすくなります。
施工業者に相談する
工事に関するトラブルが発生したら、まずは施工業者に相談しましょう。施工不良が原因の不具合は、無償で直してもらえる可能性があります。
ただし、保証内容に条件が含まれている場合もあるため、契約時にしっかりと保証書を確認しましょう。
解決が難しい場合は第三機関に相談する
施工業者とのやりとりで解決できない場合、第三者機関に相談する方法がおすすめです。外壁塗装に関するトラブルに助言・対応してくれる機関が3つあります。
機関名 | 相談するタイミング |
---|---|
住宅リフォーム・紛争処理支援センター | 塗装業者が取り合ってくれない |
国民生活センター | クーリングオフや訪問販売など契約に関するトラブルを解決したい |
弁護士 | 法的に訴えたり損害賠償を請求したりしたい |
弁護士は費用がかかるため、最終手段で活用しましょう。
外壁塗装のトラブルでよくある質問
-
トラブルを避けるためにできることはありますか?
-
悪質業者に依頼せず、優良業者に依頼するとトラブル防止に繋がります。多くの優良業者は施工が丁寧で、保証が充実しているからです。また、近隣トラブルを防ぐためには事前に近隣挨拶をすると良いです。
-
トラブルに巻き込まれたら誰に相談すべきですか?
-
まずは施工業者に相談しましょう。施工業者に依頼しても解決できない場合は、第三者機関に相談すべきです。契約に関するトラブルは国民生活センター、塗装業者と揉めている場合は住宅リフォーム・紛争処理支援センターがおすすめです。それでも解決しなければ有償ですが弁護士に依頼する方法も選択肢の1つです。
-
業者への不安が拭えないのですが、解約しても良いでしょうか?
-
不安を抱かせる業者は、悪質業者の恐れが大いにあるため、解約しましょう。そのまま契約を続けていると、後々トラブルを発生させる恐れがあるからです。外壁塗装は、契約してから8日以内ならクーリングオフが適用できるので活用しましょう。
外壁塗装のトラブルまとめ
外壁塗装のトラブルは、優良業者に依頼すれば未然に防げるケースが多くあります。あらかじめトラブルの内容や解決策を把握して、安全に外壁塗装をおこないましょう。
この記事のポイント
- トラブルが発生する理由は見落としや勘違いなどの人的ミスがほとんど
- 騒音や天候など防ぎようのないトラブルもある
- 優良業者に依頼すればトラブル発生リスクを下げられる
- トラブルが発生したらまずは業者に相談
- 業者が相談に乗ってくれない場合は第三者機関に相談する