「サイディングの最適なメンテナンス方法が分からない」と悩んでいませんか。
サイディングのメンテナンス方法は劣化具合によって異なります。誤ったメンテナンス方法をおこなうと、建物の健康状態を維持できないだけでなく、再補修で余計な費用の支払いが生じる恐れがあるため要注意です。
この記事では、サイディングのメンテナンスが必要なタイミングと適切な方法について解説します。悪徳業者に引っかからない方法も紹介しているため、メンテナンスを失敗したくない方は参考にしてください。
この記事のポイント
- サイディングは見た目に変化が無くても紫外線などで劣化するためメンテナンスが必要
- チョーキングや浮きなど塗膜の劣化症状のみの場合メンテナンス方法は外壁塗装が最適
- 建物内部に浸水している場合は張り替え工法が最適
- 正しいメンテナンスをおこなうためには施工実績や口コミを見て業者を選ぶことが重要
塗装など適切なメンテナンスをした外壁の寿命は約30年
定期的なメンテナンスをおこなったサイディングの寿命は約30年です。全くメンテナンスしない場合、7〜10年で外壁の役割を果たさなくなる恐れもあります。
そこで、サイディングにメンテナンスが必要な理由と、メンテナンス期間について解説します。
紫外線や風雨に日々晒されるサイディングにはメンテナンスが必要
サイディングは屋外で過酷な状況下に置かれるため定期的なメンテナンスが必要です。
サイディングの劣化原因
- 紫外線
- 雨水
- 物理的な衝撃
サイディングの劣化を放置すると、外壁内部に雨水が侵入する恐れがあります。雨漏りやシロアリの原因にもなるため、定期的なメンテナンスが必要です。
軽度な劣化は表面の塗装で対応できるので、塗装の推奨時期が来たらメンテナンスを検討しましょう。
メンテナンスはサイディング自体だけでなく家の資産を守ることに繋がります。
種類ごとの主なメンテナンス期間【平均10〜15年】
サイディングの種類ごとの主なメンテナンス期間についてまとめました。
サイディングの種類 | メンテナンス期間 | ポイント |
---|---|---|
窯業サイディング | 10〜15年 | 雨や雪・湿気などで劣化しやすい |
金属サイディング | 10〜15年 | 他のサイディングよりもサビやすい。サビを放置しておくと広がっていき、外壁に穴が開くこともあるため早めの対応が必要 |
樹脂サイディング | 30年 | 塗装不要でシーリング不使用でメンテナンス性が高いが、デザイン性に劣る |
木質サイディング | 8~12年 | 湿気に弱く、濡れた状態が続くと劣化が早まる |
湿気が溜まりやすい盆地や日の当たらない住宅密集地では、木質系サイディングが劣化しやすいので日頃から外壁をチェックしておきましょう。
サイディングの種類によってどんな違いがあるの?
サイディング張り替え・重ね張りメンテナンスでは異なる種類を採用できます。耐久性に優れている窯業系サイディングは断熱性に劣りますが、金属系サイディングは断熱性に優れる一方で費用が高いです。
メンテナンス期間以外にも、サイディングは種類ごとの特徴に大きな違いがあります。サイディングの種類はこちらの記事で詳しく解説しています。
>>シェア80%!サイディング【全4種類】特徴と選び方を徹底解説
メンテナンスが必要な劣化症状|外壁の変色が気になり始めたら注意
以下の外壁に見られる現象は塗膜の劣化のサインなので、メンテナンスが必要です。劣化の進行度ごとに見られる劣化症状をまとめました。
チョーキングや変色が気になり始めたらメンテナンス時期です。塗膜の浮きや剥がれが外壁全体に見られ、建物内部に浸水している場合は張り替えや重ね張りのメンテナンスが必要です。
劣化症状に合わせたメンテナンスをするために、外壁塗装業者とよく相談して塗料や施工方法を決めましょう。
サイディング【4つの】メンテナンス方法と相場価格
サイディングのメンテナンス方法は4つあります。
メンテナンス方法 | 相場価格 | 工期(25坪の場合) |
---|---|---|
サイディング塗装 | 80万円~120万円 | 14日 |
張り替え | 300万円~ | 30日以上 |
重ね張り | 200万円~ | 14~20日 |
サイディング塗装の方法と相場価格【80万円~120万円】
サイディング塗装は、サイディング表面の塗膜を新たに塗り直して、防水機能や耐候性などを復旧させるメンテナンス方法です。
工事期間は約14日で、費用相場は80万円~120万円。費用総額の約2割を塗料が占めているため、選ぶ塗料によって費用総額は異なります。
サイディング塗装はどんな場合に必要?
サイディング塗装は約30年あるサイディング本体の寿命を保つために必要です。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
>>サイディングで塗り替えすべき劣化症状は?塗装タイミングから費用まで徹底解説
サイディング張り替えの方法と相場価格【300万円以上】
サイディングの張り替えは、元々あるサイディングを剥がして、新しいサイディングに張り替える施工方法です。
工事期間は30日以上で、費用相場は300万円以上。サイディングを一新するため、元々のサイディングの処分代など、他の施工方法よりも費用がかかる点は考慮しましょう。
サイディング張り替えはどんな場合に必要?
張り替え工事は価格が高く工期も長いですが、外壁内部の補修も同時に行える工法です。メンテナンス時期が過ぎている、すでに雨漏りが発生しているなどの場合は張り替えをおすすめします。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
>>サイディングの張り替えは必要?費用からタイミングまで徹底解説
サイディング重ね張りの方法と相場価格【200万円以上】
サイディングの重ね張りとは、元々あるサイディングの上から新しいサイディングを貼り付ける方法です。
工事期間は14~20日で、費用相場は200万円以上。サイディングの上に新たに貼り付けるため、金属系など軽いサイディングがおすすめです。
サイディング部分補修の方法と相場価格
サイディング部分補修は、劣化症状ごとに費用相場が異なります。部分補修の施工費用の相場と、対応できる劣化症状についてまとめました。
部分補修の内容 | 施工費用 | 劣化症状 |
---|---|---|
ケレン作業 | 500〜2000円/㎡ | 塗装の膨れ・頑固な藻や苔などの汚れ |
シーリング打ち替え | 900〜1,500円/㎡ | シーリングのひび割れ・剥がれ |
霧よけ | 20,000~30,000円/カ所 | 鉄部のサビや腐食 |
パテ補修 | 10,000~60,000円/カ所 | サイディングのキズや穴・へこみ |
部分補修の内容は、外壁塗装の下地処理に含まれます。
劣化した部分だけを補修してほしいときに部分補修を検討しましょう。
サイディングのメンテナンスでよくある勘違い
サイディングのメンテナンスでよくある勘違いについてまとめました。あやふやな情報を正しく整理し、適切なメンテナンスを行いましょう。
永久メンテナンスフリーのサイディングはない
メンテナンスが不要なサイディングはありません。サイディングは紫外線や雨水、物理的な衝撃で劣化するため適切な時期にメンテナンスをする必要があります。
ときどき見かける「このサイディングはメンテナンスフリーです」といった宣伝の意味は以下のとおりです。
メンテナンスフリーの意味
- 他の製品より耐久性が優れている
- セルフクリーニング機能がついている
メンテナンスフリーのサイディングは、上記の理由からメンテナンス頻度が少なく、ランニングコストが抑えられる点がメリットです。
シーリングレスのサイディングは寿命が長い?
シーリングレスのサイディングの場合でも、サイディング自体は劣化するためメンテナンスが必要です。
ただし、シーリング部分のひび割れは起きないため、サイディング本体のメンテナンス時期とずれてしまう心配はありません。例えば、サイディングの寿命を迎える前にシーリング部分が剥がれてしまい、部分補修が必要になるといった事態は避けられます。
光触媒を塗装したサイディングは寿命が長い?
光触媒を塗装したからといって寿命が長くなるわけではありません。光触媒とは、サイディングの表面の汚れを紫外線で浮かせ、雨で洗い流すセルフクリーニング機能のことです。
(イメージ画像)
外壁を汚れにくくするものの、素材自体を強くするわけではないため、光触媒を塗装してもメンテナンスは必要です。
光触媒塗料は耐久性が高いためメンテナンス期間が長いメリットがあります。
塗装をしたら一律で15年寿命が伸びる?
サイディングを塗装する場合、塗料の種類によって次のメンテナンス期間は異なります。塗料によって耐久性や費用が異なるため、次のメンテナンス期間を考えて塗料を選びましょう。
自分に合った塗料を選ぶ方法は?
子どもの進学や住み替えなど、自分のライフプランと塗料の寿命を考慮して選びましょう。塗料の種類毎の寿命について、詳しくはこちらの記事で解説しています。
>>サイディングで塗り替えすべき劣化症状は?塗装タイミングから費用まで徹底解説
窯業系サイディングなら塗装は不要?
窯業系サイディングでも劣化症状が見られたら塗装が必要です。
新築の窯業系サイディングは、すでに工場で塗装されたり無塗装のまま現場へ運んだ後に塗装したりします。そのため、初めに塗った塗料によって次の塗装メンテナンスの周期は異なります。
新築時に使用した塗料は見積もり書に記載されているので、当時の資料を確認してみましょう。
正しい症状・補修方法を把握できないDIY補修はおすすめしない
サイディングのDIY補修はおすすめできません。ひび割れ部分などのDIY補修は、正しい症状を一般人では把握できないため、外壁塗装業者に依頼しましょう。
しかし、補修ではなく外壁の洗浄は以下のメリットがあるためおすすめです。
外壁の洗浄をするメリット
- 美観を保てる
- 塗料の劣化スピードを落とせる
- 劣化症状をついでに確認できる
洗浄方法は水洗いもしくは洗剤洗いが一般的です。
高圧洗浄はサイディングの表面が傷つくため使用しないでください。
正しいメンテナンスには優良業者との契約が必須
サイディングを正しくメンテナンスするためには、優良業者との契約・施工が欠かせません。そこで、優良業者を探すポイントや優良業者で施工する理由を解説します。
優良業者との契約が欠かせない理由は【適切なメンテナンス提案・整ったアフター体制】
優良業者との契約が欠かせない理由は以下のとおりです。
優良業者との契約が欠かせない理由
- 適切なメンテナンスを提案してくれる
- アフター体制が整っている
劣化症状など外壁の現状をしっかりと現地調査したうえで、適切なメンテナンスを提案してくれるため優良業者との契約は必須です。優良業者の場合、劣化症状を把握するために現地調査を1時間程度はおこないます。
また瑕疵担保保険に加入している業者に依頼すれば、万が一施工後に不備が起きても対応可能です。瑕疵担保保険に加入するためには審査を通過する必要があるため、保険を利用できる業者は優良業者の可能性が大いにあります。
施工実績と口コミで優良業者を見分ける
優良業者と悪徳業者を見分けるポイントは下記のとおりです。
業者を見分けるポイント
- 施工実績が豊富
- 口コミが良好
施工実績や口コミはインターネットで検索して見られます。
ただし、地元密着型の外壁塗装業者の場合、ホームページを制作していない場合があります。その際は業者に直接「実際に施工した外壁の写真を見たい」と伝えましょう。
口コミは近所の人から集められる場合があります。情報収集する中で少しでも業者に対して違和感を持ったら、他の業者を検討するのも1つの手段です。
悪徳業者と契約したらどうすればいい?
悪徳業者と契約した後でも、クーリングオフなどで契約解除する方法があります。詳しい方法はこちらの記事で解説しています。
サイディングのメンテナンスでよくある質問
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見た目がきれいならまだメンテナンスしなくても大丈夫でしょうか?
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見た目とは関係なく、耐用年数が来たらメンテナンスをしましょう。サイディングは経年劣化によって防水機能が低下するからです。また2階は外観を確認しづらいため、劣化症状を見落としている場合があります。
-
メンテナンス費用をなるべく抑えたいのですが部分補修で良いでしょうか?
-
部分補修のみをおこなう場合、劣化症状が出る度に部分補修を繰り返す必要があり、結果的に費用がかかります。部分補修はあくまで一時的な応急処置としてとらえましょう。
-
シーリング部分はDIY補修しても良いですか?
-
シーリング部分を素人がDIY補修すると、正しく補修できないケースが多いため業者に依頼しましょう。DIY補修は外壁の洗浄程度ならおすすめです。
サイディングのメンテナンスまとめ
サイディングには寿命があるため、劣化症状を放置せずメンテナンスをおこなわなければなりません。サイディングのメンテナンスのポイントは以下のとおりです。
この記事のポイント
- サイディングは見た目に変化が無くても紫外線などで劣化するためメンテナンスが必要
- 外壁本体を取り替える必要が無ければ外壁塗装が最適
- 外壁本体の劣化が進んでいる場合は張り替え工法か重ね張り工法が最適
- 正しいメンテナンスをおこなうためには施工実績や口コミを見て業者を選ぶことが重要
最適なメンテナンスをおこなうためには、サイディングの状況を把握して優良業者に依頼することが大切です。