「雨の日の外壁塗装って、本当にダメなの?」こんな疑問をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
実は雨の日の外壁塗装は品質低下・施工不良にもつながるので、雨天時の外壁塗装は専門家も推奨していません。
この記事では、雨天時の外壁塗装が推奨されない理由や、もし雨の中で塗装を行った場合に起こり得るトラブル事例について、わかりやすく解説します。
この記事のポイント
- 雨の日は品質低下につながるため外壁塗装はしない
- 雨の日でも足場解体・高圧洗浄などは作業可能
- 作業が中止になった場合は当日の朝か前日に連絡が来る
- 雨の中でも塗装をしようとする業者には依頼しない方が良い
雨天時の外壁塗装はおすすめしない
雨天時に外壁塗装を行うと、塗装の品質低下や事故の発生などさまざまなリスクが高まるため、おすすめしません。
ただし、中には雨天時でも作業可能な工程や塗料があります。そのため、雨天時でも作業を中止しない場合がある点は念頭に置きましょう。
雨の日に外壁塗装できない【3つの】理由
雨の日に外壁塗装できない理由は次のとおりです。
雨の日に外壁塗装できない理由
- 塗料の耐久性が落ちる
- 湿気により塗料の乾燥が遅れる
- 足場が濡れて滑りやすくなる
雨の日に外壁塗装すると、塗料が流れたり、水分を含んで膨張したりするため、塗料の耐久性が低下する恐れがあります。
塗料の耐久性が落ちると、耐久年数を迎える前に劣化症状が現れるため、本来よりも早くメンテナンスしなければなりません。
また湿気により塗料の乾燥が遅れると、水分やホコリが塗膜に付着して、塗料と外壁の密着度が低くなるリスクが高まります。
雨の日は足場が濡れて滑りやすくなるため、業者も足元に注意しなければなりません。作業に集中できず、外壁塗装にムラを発生させる恐れがあります。
品質確保のためには、適切な天候の日に外壁塗装をおこなう業者に依頼しましょう。
気温が5℃以下、湿度が 85%以上の日は塗装を避けるように国土交通省公共建築工事標準仕様書に記載されています。
雨天時の外壁塗装でできること・できないこと
雨天時の外壁塗装で、できる作業とできない作業を工程順にまとめました。
作業内容 | 作業可能か |
---|---|
足場・飛散防止シートの設置 | 〇 |
養生 | × |
高圧洗浄 | 〇(激しい雨の場合は中止) |
下地処理 | 〇 |
下塗り | × |
中塗り | × |
上塗り | × |
足場の解体・撤去 | 〇 |
塗装や養生など、湿気の影響を受ける作業は基本的に雨天時におこなわれません。
高圧洗浄は雨の中で作業可能ですが、激しい雨の場合は視界が悪くなるうえに足元が滑りやすくなるため、中止になるケースがあります。
雨でも外壁塗装できる塗料はある
雨天でも工事の延期を絶対にしたくない場合は、壁面が雨で濡れていても塗装できる塗料の使用を検討しましょう。関西ペイントの「アレスダイナミックフィラー」は、雨で壁面が濡れていても外壁塗装できる下地材です。
アレスダイナミックフィラーに専用の強化剤を混ぜると、強力な付着力によって水や湿気の影響を受けなくなるため、壁が濡れた状態でも外壁塗装ができます。
下記のメリット・デメリットを把握したうえで、塗料選びをしてください。
雨天時の対応はどうなる?追加費用はかかる?
外壁塗装機関に雨が降った場合、作業は中断されます。また、延期した分の追加費用はかかりません。
実際の雨天時の流れについて解説します。
雨の日だけでなく雨予報の日も工事は休みになる
天気予報が雨の日や、雲行きが怪しく雨が降りそうな可能性がある日は、乾燥時間を考慮して工事は休みになります。
下塗り・中塗り・上塗りの作業は、塗った後に乾燥する時間が必要です。工法や塗料によっては、24時間乾燥時間を設けなければなりません。
雨や高温多湿の状況では、乾燥時間が長くなる分、塗膜に水分やホコリが付着するリスクが上がります。そのため、塗料を乾燥させている間は天候が良い日が望ましいです。
乾燥時間が短いとどうなるの?
塗料の乾燥時間が短いと、剥がれが起きやすくなります。剥がれが生じた場合の補修方法についてはこちらの記事で解説しています。
作業の有無は当日の朝までに決まる
作業を行うかどうか施工会社が判断するタイミングは、前日もしくは当日の朝です。
当日の朝に作業の有無を判断する業者の場合、朝8時頃に中止の旨を施主へ連絡するケースが一般的です。業者からの電話に対応できない時間帯だとあらかじめ分かっている場合は、契約時に以下の提案をしましょう。
業者への提案例
- 連絡手段を電話ではなくメールかLINEにしてもらう
- 連絡する時間帯の希望を伝える
明け方まで雨が降っている日は、作業中止になるケースがほとんどです。
雨上がりは壁面が乾燥してから塗装再開
雨の降った後は、壁面が完全に乾燥してから塗装再開します。壁面が濡れた状態で塗装をすると、塗料が水分を含んで膨張し、ひび割れや剥がれの原因になるからです。
そのため夜から朝にかけて雨が降った日は、始業時間には止んでいたとしても、壁面の乾燥不足により作業中止する場合があります。
雨天時に工期延長しても追加費用は不要
長期の天気予報を基に業者はスケジュールを組んでいるため、雨天時に工期を延長しても追加費用はかかりません。
また、仮に雨天時に作業をしたせいで塗料が剥がれてしまった場合、施工不良に当たるので、無償で補修してもらえる場合がほとんどです。
ただし、地域の天候の特徴について詳しくない業者に依頼すると、天候の予測とスケジュールがかみ合わず、2週間以上工期が延びることも。
追加費用がかからないとはいえ、工期の延長によるストレスがたまる恐れがあるため、業者選びは慎重におこないましょう。
梅雨の時期に依頼する場合、地域の降雨量や天候状況に詳しい業者がおすすめです。
ほかの日に作業時間を延長することも
外壁塗装が雨で中止になった分、通常作業時間の前後に残業して工程を進めるケースもあります。外壁塗装の一般的な通常作業時間は、8時30分〜17時ごろです。
しかし、早朝や夜中の作業は近所迷惑になるため、長時間にわたる残業は行いません。日曜日の作業も近所迷惑になりクレームに発展するケースがあります。
外壁塗装で近所からどんなクレームがくるの?
外壁塗装に関する近所からのクレームは、騒音や匂いなどがあげられます。外壁塗装の作業工程によっては大きな音が響くからです。詳しくはこちらの記事で解説しています。
雨で外壁塗装した時の【トラブル事例】
雨の中での外壁塗装は、工事の品質や業者とのやりとりに関するトラブルをもたらす恐れがあります。トラブル事例と対処法を把握して、業者と雨の日の対応方法について打合せできる状態にしましょう。
塗装後数年で塗装した面が劣化し始めた
上述したように、雨の中塗装をすると、数年で塗装した面が劣化して剥がれやひび割れなどの症状がでる恐れがあります。
雨の中の作業によって塗装後数年で塗料を劣化させないために、雨でも利用できる塗料を検討しましょう。
また、もしも外壁に劣化症状があらわれた際、無償で再塗装や補修してもらえるかどうか業者に確認すると良いです。保証内容の範囲内であれば、再塗装してもらえる可能性があります。
契約時に交わした保証内容をしっかりと確認して、早い段階で塗料が劣化した際のために備えておきましょう。
仕上がりにムラがある
雨の中で外壁塗装すると、次のような美観上の問題が発生する恐れがあります。
美観上の問題
- 光沢のムラが生じる
- 塗膜に雨水の跡が残る
- 凸凹した見た目になる
仕上がりに関する内容は、再塗装してもらえないケースがほとんどです。仕上がりに関するトラブルを避けるためには、雨の日は作業しない業者を選びましょう。
契約前の打合せ時に雨の日の対応方法について確認しておくと良いです。
外壁塗装は再塗装してもらえるの?
外壁塗装の再塗装は、できる場合とできない場合があります。詳しくはこちらの記事で解説しています。
工期延長による追加費用を請求された
本来雨天による工事延期に追加費用はかからないのに、業者から追加費用を請求されたケースがあります。
工事延長による追加費用を業者が請求する理由は下記のとおりです。
追加費用を請求する理由
- 雨で工期が延長した分人件費がかかるため
- 他現場の工事スケジュールがたてこんでいるため
しかし、雨などの延長も考慮したうえで外壁塗装業者はスケジュールを組むように、国土交通省公共建築工事標準仕様書に定められています。そのため、雨による工期延期で追加費用を支払う必要はありません。
もしも追加費用を請求されたら、クーリングオフか国民生活センターに相談しましょう。
クーリングオフは、工事が始まっていても条件を満たせば適用可能です。
雨でも塗装する塗装業者には要注意
雨でも外壁塗装を行おうとする業者に依頼すると、品質低下やトラブル発生のリスクが高まるため契約しないようにしましょう。
納得いく外壁塗装のためには、雨の日の作業を断る姿勢が大切です。
品質を確保しない業者は悪徳業者の恐れが高い
低品質な仕上がりになると知ったうえで雨の中でも作業する業者は、悪徳業者の可能性が大いにあります。
悪徳業者とは、料金に見合わない低品質な外壁塗装をおこなう業者のことです。悪徳業者に外壁塗装を依頼すると、工事後すぐに劣化症状があらわれて再塗装しなければなりません。
悪徳業者かどうか見極めるためには、施工実績や口コミを確認する方法があります。しっかりと業者を見極めて、外壁塗装の品質を確保しましょう。
訪問販売をする業者は悪徳業者?
突然自宅に来て訪問販売をする業者は悪徳業者の可能性が大いにあります。詳しくはこちらの記事で解説しています。
品質を重視して雨のときは塗装を中断すべき
雨の日は作業が休みになり工期が伸びるものの、外壁塗装の品質のためには業者に作業の中止をお願いしましょう。「この塗料は濡れた壁でも使用できるから大丈夫」と業者に言われても、心配な場合は作業を断る姿勢が大切です。
雨の中で塗装作業をするのは足場が濡れていて危険です。業者も足元が気になって作業に集中できず、塗装の仕上がりに影響を及ぼす可能性があります。
外壁塗装でよくある質問と回答
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雨が多い時期でも外壁塗装はできますか?
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雨が多い梅雨や台風シーズンでも外壁塗装はできます。ただし、雨の日は外壁塗装を中止になるため、工期が遅くなる恐れがある点は理解しておきましょう。
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雨でも外壁塗装する方法はありますか?
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足場の解体・高圧洗浄・搬入は雨でも作業できます。また雨で壁が濡れていても利用できる塗料はあります。
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塗装中に雨が降ってきたら塗り直しですか?
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外壁塗装中に雨が降ってきたら塗り直しが必要です。塗料が雨で流れたり、水分を含んで膨張したりすると、施工不良に繋がる恐れがあるからです。途中まで塗った箇所は、乾燥後に塗りなおします。
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雨以外で外壁塗装できない天候はありますか?
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雪・台風・強風の天候で外壁塗装はできません。気温5度以下の日や、湿度が85%以上の日は塗料の品質が下がる恐れがあるからです。また強風の日は塗料飛散や足場の崩壊リスクがあるため外壁塗装はできません。
雨の外壁塗装まとめ
雨の日は品質低下につながるため外壁塗装はできません。中止になった場合は当日に連絡が来ます。また、雨が降っていなくても、天気予報や前日の雨によって中止になる場合もあります。
スケジュールが押しているからといって、無理やり作業しようとする業者には依頼しないようにしましょう。
この記事のポイント
- 雨の日は品質低下につながるため外壁塗装はしない
- 雨の日でも足場解体・高圧洗浄などは作業可能
- 作業が中止になった場合は当日の朝か前日に連絡が来る
- 雨の中でも作業をしようとする業者には依頼しない方が良い