外壁リフォームについて考え始めている中で、価格について気になる方は多いのではないでしょうか。サイディングはメンテナンス方法や種類によって種類によって価格や特徴が異なります。
納得いく外壁リフォームのためには、価格相場を把握したうえで自分の家にあったメンテナンスを選ぶことが大切です。
この記事ではサイディングの施工価格について工法や種類ごとに紹介します。実際にサイディングを扱うメーカーの商品価格も紹介するので参考にしてください。
この記事のポイント
- サイディングの材料価格相場は3,000〜20,000円/㎡
- サイディングの施工方法ごとの価格相場は4,000円~20,000円/㎡
- 業者選びや助成金の利用を検討すればサイディングの費用を抑えられる
- サイディングにひび割れやチョーキングが見られたらメンテナンスが必要
サイディングとは?種類は4つ
サイディングは外壁全体のシェア率70%を誇る外壁材です。パネルを張り合わせる施工方法を採用しており、モルタルやタイル外壁よりも短い工期で安く施工できる点が特徴です。
サイディングは4種類あり、種類によって素材が異なるため価格差が生じます。
サイディング | 素材 |
---|---|
窯業系サイディング | セメント |
金属系サイディング | 金属 |
樹脂系サイディング | 塩化ビニール |
木質系サイディング | 天然木 |
ただし高級サイディングの場合、モルタルよりも価格が高くなる場合もあります。
サイディングの素材が違うとどんな影響があるの?
素材によってそれぞれ耐候性や耐火性など優れている点が異なり、メンテナンスの頻度にも違いがあります。
詳しくは以下の記事で紹介しています。
>>シェア70%!サイディング【全4種類】特徴と選び方を徹底解説
サイディングの価格相場【種類別】
サイディングの価格相場は種類によって異なります。
サイディングの種類 | 費用(1㎡あたり) |
---|---|
窯業系サイディング | 約3,000~8,000円 |
金属系サイディング | 約5,000~9,000円 |
木質系サイディング | 約7,000~12,000円 |
樹脂系サイディング | 約9,000~20,000円 |
それぞれの価格相場と特徴を理解して、サイディング選びの参考にしてみてください。
窯業系サイディングの価格相場【3,000~8,000円/1㎡】
窯業系サイディングの価格相場は1㎡あたり3,000~8,000円です。
窯業系サイディングが4つのサイディングの中で最も多く使われています。人気の理由はデザインの種類が豊富で防火性能や耐久性に優れていることです。
セルフクリーニング機能や色あせを防ぐ機能を持つ独自の塗料を使用したサイディングを選ぶと、価格が高くなります。
金属系サイディングの価格相場【5,000~9,000円/1㎡】
金属系サイディングの価格相場は1㎡あたり5,000~9,000円です。
金属系サイディングは使用する金属板によって価格が異なります。
金属板の種類 | 特徴 |
---|---|
ガルバリウム鋼板 | 最もシェア率の高い金属板 |
アルミニウム合金塗装板 | ガルバリウム鋼板よりも耐久性に優れているが、その分コストがかかる |
塗装溶融亜鉛メッキ鋼板 | 傷ついても周辺の亜鉛が保護する作用を活かした素材 |
塗装ステンレス鋼板 | サビにくく、加工しやすい |
高価な金属板でも、耐久性に優れランニングコストが抑えられるメリットがあります。施工時にかかる費用だけでなく将来を見据えて素材を選ぶことが大切です。
木質系サイディングの価格相場【7,000~12,000円/1㎡】
木質系サイディングの価格相場は1㎡あたり7,000~12,000円です。
木質系サイディングは本物の木を使用しており、多くが輸入木です。さらに耐火性を上げるための不燃処理も必要で、ほかのサイディングよりも高価な傾向にあります。また木の質によっても価格差が生じます。
また水に弱く、他のサイディング材と比べて頻繁に外壁塗装が必要になるため、維持費がかかる点には注意してください。湿気の多い盆地や日の当たらない住宅密集地での採用はおすすめしません。
木質系サイディングは、本物の木を活かした暖かみのあるデザインや独自性がメリットです。
樹脂系サイディングの価格相場【9,000~20,000円/1㎡】
樹脂系サイディングの価格相場は1㎡あたり9,000~20,000円です。
樹脂系サイディングは4つのサイディングの中でシェア率が低く、最も高価なサイディングです。外壁自体は塗装不要なので、メンテナンスを少なくしたい方にはおすすめです。
特に衝撃に強い性能やデザイン性にこだわると価格が高くなる傾向にあります。樹脂系サイディングは最も耐久性に優れているため、コストパフォーマンスに期待できます。
サイディング以外の外壁材【価格相場】を比較
サイディングとそれ以外の材料費の価格相場は以下のとおりです。実際には下記の金額に工事・備品費用が追加されます。
外壁材 | 1㎡あたりの価格 |
---|---|
サイディング | 3,000円~ |
モルタル | 5,000円~ |
タイル | 8,000円~ |
モルタルは業者の手間がかかるためサイディングよりも高価です。手作業で外壁にモルタルを塗るため、サイディングよりも味のあるデザインを実現できます。
くわえて、サイディングはパネルを貼り付けるため外壁につなぎ目が見えるものの、モルタルには見えません。より外壁のデザイン性にこだわる方はモルタルがおすすめです。
タイルは雨水が染み込みにくいため塗装メンテナンスが不要です。初期費用は高いですがランニングコストに優れています。
サイディングの価格相場【施工方法別】
サイディングのメンテナンス費用を施工方法別にまとめました。
施工方法 | 価格 |
---|---|
張り替え | 300万円〜 |
重ね張り | 200万円〜 |
塗装 | 80~120万円 |
劣化が軽度な場合は塗装メンテナンスで十分ですが、雨漏りやメンテナンス時期を過ぎているなどの場合は張り替えや重ね張りメンテナンスが必要です。
サイディングの張り替え:300万円〜
元々あるサイディング外壁を取り外して、新しい外壁に交換する施工方法を張り替え工法といいます。費用は300万円〜です。
張り替え工法は、下地処理や既存壁の処分が必要になるため他の施工方法と比べて高価です。
雨漏りや大きなヒビ割れなど、外壁塗装ではメンテナンスしきれない場合に必要な施工方法です。
サイディングの重ね張り(カバー工法):200万円〜
サイディングの重ね張り工法は200万円〜です。
重ね張りとは、元々のサイディング外壁の上に新たな外壁を重ねる施工方法です。価格の幅は新たに張るサイディングの種類によって異なります。
例えば窯業系サイディングは他のサイディング材よりも重いため、施工時に業者の負担がかかり、その分価格が高くなる傾向にあります。
サイディングの塗装:80~120万円
サイディングの塗装費用は80~120万円です。
塗料は外壁を雨や紫外線から守る役割を果たしますが、経年により機能が低下します。塗装しないままだと雨漏りやシロアリ発生の原因になるため、10年〜15年ごとの塗装が必要です。
外壁全体が膨れている・幅が0.3mm以上のひび割れなどの大きな劣化が見られなければ、メンテナンスは塗装のみで充分でしす。
塗料ごとに大きな価格差があるのはなぜですか?
塗料は高価になるほど耐用年数が長かったり、セルフクリーニングなどの特殊機能が搭載されたりします。
塗装の種類や耐用年数について、詳しくは下記の記事で紹介しています。
>>サイディング外壁に塗装は必要?費用からメンテナンス方法まで徹底解説 |
サイディングを扱う主なメーカーと価格一覧
サイディングメーカーが取り扱う製品の本体価格をまとめました。
サイディングを扱う主なメーカー
- ニチハ
- 旭トステム
- ケイミュー
- 東レ
- IG工業
ニチハが扱う主なサイディングの価格
ニチハが扱う主なサイディングの価格は以下のとおりです。
サイディングの種類 | 価格(1㎡あたり) |
---|---|
窯業系サイディング | 2,684円~9,661円 |
金属系サイディング | 5,150円~9,400円 |
旭トステムが扱う主なサイディングの価格
旭トステムが扱う主なサイディングの価格は以下のとおりです。
サイディングの種類 | 価格(1㎡あたり) |
---|---|
窯業系サイディング | 4,497円~12,197円 |
金属系サイディング | 7,778円~9,507円 |
樹脂系サイディング | 7,260円~12,100円 |
ケイミューが扱う主なサイディングの価格
ケイミューが扱う主なサイディングの価格は以下のとおりです。
サイディングの種類 | 価格(1㎡あたり) |
---|---|
窯業系サイディング | 4,631円~10,769円 |
金属系サイディング | 8,811円~8,976円 |
東レが扱う主なサイディングの価格
東レが扱う主なサイディングの価格は7,288円/㎡~14,483円/㎡です。
東レはラップサイディングという独自のサイディングを採用しています。ラップサイディングは光の加減によって見た目が変わって見える特徴があります。
IG工業が扱う主なサイディングの価格
IG工業が扱う主なサイディングの価格は5,700円/㎡〜10,000円/㎡です。
金属板と断熱材を一体成型したサンドイッチ構造の独自サイディングで、軽量性、断熱性に優れています。またタイル調やウッド調など幅広いデザインがあり、外壁に温かみある雰囲気を加えたい人におすすめです。
サイディングのメンテナンス費用を抑える3要素
サイディングのメンテナンス費用を抑えるためのポイントは4つあります。
メンテナンス費用をおさえるポイント
- 優良業者と契約する
- 相見積もりをとる
- 自治体の助成金や補助金を調べる
- 部分補修はあくまで応急処置と考える
上記を把握しておくと追加費用の発生や、費用を抑えるチャンスを逃すリスクを避けられます。
1:優良業者と契約する
優良業者に依頼して適切な価格で施工して貰いましょう。悪徳業者は品質よりも利益を重視するため、相場よりも高い見積りを提示したり、手抜き工事で金額に見合わない施工をしたりする恐れがあります。
そのため悪徳業者に依頼すると、万が一施工不良が起きても対応してくれず、再び他の業者に再塗装の依頼をしなければなりません。対して優良業者であればスムーズに対応してくれるため、しっかりと業者を見極めて優良業者に依頼しましょう。
悪徳業者に依頼したらどうすれば良い?
悪徳業者に依頼した後でもクーリングオフ制度を利用すれば解約可能です。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
>>外壁塗装で悪徳業者と契約したけど解約できる?解約方法から対処法まで徹底解説
2:複数者から相見積もりを取る
相場価格や施工内容を客観的に吟味するために、2~3社から相見積もりをとりましょう。相見積もりを取れば相場価格が把握できるだけでなく、信用できる業者かどうか判断できます。
見積書を確認する際のポイントは以下のとおりです。
見積書のポイント
- 一式と書かれていないか
- 他社にはない不要・不明確な工程が含まれていないか
- 専門用語ばかりで一般人では理解しづらい内容でないか
上記が含まれている見積書は、知らない間に追加費用が発生している場合があります。
複数の作業をまとめて記載する「塗装一式」などは内容や価格が不明瞭です。作業ごとに単位や単価を数字で明確に示す優良業者を選びましょう。
一般人でも理解できる内容で、相場よりも高すぎない業者を選べば追加費用やトラブルの発生リスクを避けられます。
3:自治体の助成金制度・補助金を調べる
自治体によってはリフォーム補助金などの助成を行っている場合があるため、お住まいの自治体の制度について調べてみましょう。
補助金制度は自治体のホームページから確認できます。概要やチラシに補助金の対象となる工事内容が具体的に記載されていない場合は、直接問い合わせてみてください。
中には「耐震工事とセットで家の耐久性をあげる塗料を使用しておこなう」と条件付きで助成金を給付している自治体もあるため注意が必要です。
部分補修の価格は安いがあくまで応急処置
価格が安いことを理由にひび割れやはがれが起きた部分だけを補修するのではなく、長い目で見て適切な工事を行うことが重要です。
塗料は外壁を雨や紫外線から守る役割を果たしますが、経年により機能が低下します。
見た目では大した変化がなくても、放置しておくと雨水が外壁に浸入して家全体まで広がりシロアリや雨漏りの原因に繋がる恐れがあります。
サイディングのメンテナンスを検討するポイント
サイディングのメンテナンスを検討する際に注目すべきポイントは2つあります。
サイディングのメンテナンスを検討するポイント
- サイディングやシーリングの劣化具合
- サイディングの耐用年数
上記にあてはまる場合は早めにメンテナンスを業者に依頼しましょう。
サイディング本体やシーリングの劣化を確認する
サイディング本体やシーリングの劣化症状が見られたらメンテナンスを検討するタイミングです。メンテナンス内容は劣化具合によって施工方法や価格が大きく異なります。
外壁塗装で対応すれば充分な劣化症状と、サイディング本体を張り替え・重ね張りしなければならない劣化症状があるため注意が必要です。
外壁塗装が必要な劣化症状
- ひび割れ
- サビ・カビ・コケ
- チョーキング
- 剥がれ
張り替え・重ね張りが必要な劣化症状
- 雨漏り
- 大きなひび割れ
塗装で問題ないか不安なときはどうしたら良い?
メンテナンス時期が過ぎている場合も内部まで劣化が進行している恐れがあるため、外壁を部分的に剥がし内部の検査をしましょう。断熱材や建材に問題がなければ、塗装でも問題ありません。
詳しくはこちらの記事で解説しています。
>>外壁塗装で悪徳業者と契約したけど解約できる?解約方法から対処法まで徹底解説
サイディングの耐用年数を確認する
サイディングは耐用年数が決まっているため、目立った劣化が見られなくても張り替え・重ね張りを検討しましょう。サイディングの種類によって耐用年数に大きな差はありません。
サイディングの種類 | 耐用年数 |
---|---|
窯業系サイディング | 30年 |
金属系サイディング | 30年 |
樹脂系サイディング | 30年 |
木質系サイディング | 30年 |
上記はあくまで耐用年数の目安で、正しくメンテナンスを行なった場合に限ります。外壁塗装をおこなわなかったり、劣化症状を放置していたりすると耐用年数は短くなるため注意しましょう。
サイディングの価格でよくある質問
-
シーリングレスのサイディングは高価ですか?
-
ニチハが採用しているシーリングレス工法は1㎡あたり5,313円~23,669円です。
-
サイディングの価格は地域によって異なるのでしょうか?
-
サイディングの価格は地域差ではなく種類によって異なります。また樹脂系サイディングは対応していない地域があるため要注意です。
-
サイディングの価格を抑えるためにはどのような方法がありますか?
-
サイディングの価格を抑えるためには相見積もりをしたうえで業者を検討し、優良業者と契約する必要があります。他には自治体の助成金や補助金を利用する方法があります。
サイディング価格のまとめ
サイディングは種類や施工方法によって価格がことなります。
この記事のポイント
- サイディングの価格相場は2,000〜12,000万円
- サイディングの施工方法ごとの価格相場は4,000円~20,000円
- 業者選びや助成金の利用を検討すればサイディングの費用を抑えられる
- サイディングにひび割れやチョーキングが見られたらメンテナンスが必要
納得いくリフォームにするためには、価格相場を把握したうえで自分に合った特徴を持つサイディングを選ぶことが大切です。