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サイディングカバー工法にかかる費用は?メリット・デメリットも解説

この記事の監修者

ヤマテック株式会社 代表
山下 隆盛

ヤマテック株式会社は、サイディング工事で2022年・2023年 ニチハ株式会社の出荷枚数で神奈川県No.1 を獲得!「外壁リフォームのお困りごとをゼロにする」外装リフォームプロ集団の主催者。

「外壁の劣化が目立ってきた」「できれば費用をおさえてリフォームしたい」そんな方にはサイディングカバー工法がおすすめです。

サイディングカバー工法は既存外壁を撤去せず、上から新しいサイディングボードを張り付ける工事のこと。既存外壁を撤去するわけではないため、費用をおさえて工事できます。

しかし、サイディングカバー工法にはデメリットがいくつかあり、施工できない建物や、人によって向き不向きがあるため注意が必要です。

そこでこの記事では、自宅がサイディングカバー工法に適しているのか判断できるよう、サイディングカバー工法の相場費用やメリット、デメリットについて解説します。

おさえておくべきこと

  • サイディングカバー工法の相場費用は約200万円前後
  • サイディングカバー工法の施工期間は2~3週間程度
  • 張り替え工事よりサイディングカバー工法は安く施工できるが将来的にコストが高くなる
  • 外壁が二重になるため断熱性・遮音性が上がる反面、結露が発生する可能性がある
  • 内部構造が劣化している場合はサイディングカバー工法は適していない
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  • ひび割れ・剥がれ・シロアリも相談OK
  • 施工中の業者に対する心配や不安の相談も大歓迎
正直 外装リフォームプロ集団は外壁塗装・リフォームする皆様をサポートいたします。

サイディングカバー工法(重ね張り)とは?

サイディングカバー工法とは、既存の外壁の上から新しいサイディングボードを張る工事のことです。別名「重ね張り」とも呼ばれています。

従来では、既存外壁をすべて剥がしてから新しいサイディングを張る「張り替え」が主な手法でした。

しかし、既存外壁の撤去を必要としないサイディングカバー工法は張替え工事よりコストがおさえられるため、近年人気の外壁リフォームになっています。

また、使用するサイディングは木目調やタイル調、塗り壁調など、さまざまなデザインがあるため、建物の外観や雰囲気を変えられるのも大きな利点です。

しかし、サイディングカバー工法によって建物全体の重量が増えてしまうため、耐震性が低下する可能性があります。そのため、サイディングカバー工法を施工する際には、耐震性を考慮した上で外壁材料を選択し、信頼できる業者に施工を依頼しましょう。

カバー工法に樹脂サイディングはおすすめしない

一般的にカバー工法には非常に軽量な金属サイディングが使用されます。

まれに樹脂サイディングが使われることもありますが、日本では樹脂サイディングの取り扱い業者が少なく、施工の難易度も高いため、適切な業者を見つけることが困難です。

そのため、カバー工法に樹脂サイディングはおすすめしません。

サイディングカバー工法にかかる費用は?

この章では、サイディングカバー工法にかかる費用について解説します。

当然ながら、建物の大きさや使用するサイディングの種類によって価格は変動します。そのため、正確な費用を知るには専門業者から見積もりを取らなければいけません。

この章で紹介する費用はあくまで目安と考え、提示された金額が適正価格か否かの判断に役立ててください。

一般的な住宅の場合200万円前後が相場

一般的な2階建ての戸建て住宅の場合、サイディングカバー工法にかかる相場費用は200万円前後です。ただし、サイディングの種類や張り方、建物の大きさ、施工にかかる日数によって費用は異なります。

例えば、金属サイディングには縦張りと横張りという2種類の施工方法があり、縦張りの方が費用が高くなります。なぜなら縦張りは板を上下で支えながら作業するため、横張りより人手や日数が必要となり、人件費が多くかかるからです。

使用する金属サイディングにおいては、「アルミ」は耐久性に優れていますが費用は高額です。一方「ガルバリウム鋼板」はコストパフォーマンスに優れています。

ガルバリウム鋼板とは?

ガルバリウム鋼板とは、アルミニウムと亜鉛でできた建材のことです。錆に強く非常に軽量なことから、外壁や屋根によく使用されています。また、デザインが豊富にあるのも人気の理由の一つです。

ガルバリウム鋼板についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
>>窯業系サイディングとガルバリウム外壁の違いは?特徴・費用・メンテナンス方法を大公開!

サイディングカバー工法の単価と費用内訳

サイディングカバー工法の見積もりは1㎡または1mあたりの費用を明確にする必要があり、それぞれに適正価格があります。

中には、本来必要ない項目を設けて余分に費用を請求しようとする業者もいるため、悪徳業者に騙されない対策の一つとしてサイディングカバー工法の施工に必要な項目をあらかじめ把握しておきましょう。

サイディングカバー工法の施工項目と費用相場は、以下のとおりです。(戸建て2階建て、外壁面積120㎡の場合)

項目単価・単位数量金額
足場仮設700円/㎡200㎡140,000円
養生シート200円/㎡120㎡24,000円
透湿防水シート600円/㎡120㎡72,000円
水切り板金1,500円/㎡34㎡51,000円
胴縁取付け1,200円/㎡120㎡144,000円
サイディング張り付け(ガルバリウム鋼板)7,300円/㎡120㎡876,000円
目地コーキング1,500円/m200m300,000円
運搬費・諸経費10万円/一式一式100,000円
合計1,707,000円

見積書の「一式」表記には注意

工事の見積書は契約の基礎となる重要な文書のため、業者は明確な項目別の費用内訳とその根拠を示す必要があります。

しかし、中には金額の詳細を明記せずに「一式」と表記する業者がいます。工事が始まってから見積書に項目を明記していないことを理由に追加請求をされるケースがあるため、見積書の一式表記には注意しましょう。

サイディングカバー工法の工事日数

サイディングカバー工法の工事にかかる期間は2~3週間程度です。しかし、建物の大きさや複雑さなどで前後することがあります。

工事の大まかな流れは以下のとおりです。

サイディングカバー工法の流れ

  1. 仮設足場の組立
  2. 既存外壁の点検、補修
  3. サイディングボードの張り付け
  4. 最終チェック
  5. 足場解体

サイディングカバー工法の工程と日数は以下のとおりです。

作業所要日数
仮設足場の組立1日
既存外壁のチェック・補修1日~2日
透湿防水シート張り1日
胴縁の留め付け1日~2日
水切り板金の設置・見切り材の取り付け1日~2日
サイディングの張り付け5日~7日
目地のコーキング1日~3日(乾燥時間を含む)
各種役物取り付け1日~2日
仮設足場の解体1日
合計2~3週間

外壁リフォームにおいて適切な工事期間の中で施工することは非常に重要です。

例えば、人件費がもったいないからといって工事期間を短縮させようとすると雑な作業で不完全な仕上がりになり、建物の耐久性や品質が損ないかねません。反対に工事期間が長すぎると、余分な人件費の発生します。

また、長期間にわたって足場が立っている状態はストレスが溜まりやすくなります。施主だけではなく近隣住民にもストレスがかかるため、苦情などのトラブルになる可能性があります。

そのため、業者が適切な期間で工事を進めているか見極めるためには、工程ごとの作業スケジュールをあらかじめ把握しておくことがおすすめです。

山下さん

目地のコーキングは乾燥に数日要することがあります。何も作業してないように見えますが、乾き待ちという大切な工程の一つです。焦らずに見守りましょう。

サイディングカバー工法のメリット

サイディングカバー工法と張り替えは外壁を新しくするという点において共通しています。その中でサイディングカバー工法が人気を集めているのには、サイディングカバー工法にしかないメリットがあるからです。

そこでこの章では、サイディングカバー工法のメリットについて解説します。

1.張り替えよりも費用や工期をおさえられる

外壁の張り替え工事は一般的な住宅の場合300万円前後かかり、工期は2〜4週間ほどです。

それに対しサイディングカバー工法は200万円前後で、工期は2~3週間程度。張り替え工事より約100万円近く費用をおさえられ、工期も1週間短く済みます。

サイディングカバー工法が費用をおさえられるもっとも大きな理由は、既存外壁の撤去・処分が必要ないからです。特に既存外壁にアスベストが含まれている場合は処分費用が高額になりますが、サイディングカバー工法なら気にする必要はありません。

山下さん

サイディングカバー工法は張り替えに比べて作業に要する日数が短いため、人件費も節約できます。

2.断熱性・遮音性が上がる

サイディングカバー工法は、既存の外壁に新しいサイディングボードを取り付けることで外壁の厚みが増し、空気の層ができるため断熱性と遮音性が向上します。

特に金属サイディングには断熱材が使用されており、外部からの熱や冷気の侵入を防ぎ、室内の温度を安定させてくれるので、光熱費の節約にもつながりお得です。

また、空気の層は屋外からの騒音を防いでくれるため、落ち着いた住空間を実現できるのも魅力的でしょう。

山下さん

寒暖差が激しい地域や、交通量の多い場所に家がある場合、サイディングカバー工法はおすすめです。

サイディングカバー工法のデメリット

サイディングカバー工法はコスト面や断熱・防音においてメリットがありますが、デメリットも考慮する必要があります。そこでこの章では、サイディングカバー工法デメリットについて解説します。

1.外壁内部の補修はできない

サイディングカバー工法では外壁の外側に新しい材料を取り付けるため、建物内部の劣化を補修できません。

長期間外壁のひび割れや雨漏りを放置している、内部の木材が腐食している、シロアリ被害の可能性がある場合は、根本的に解決するために外壁の張り替えが必要です。

外壁や内部構造が著しく劣化しているにも関わらず、そのままカバー工法をおこなうと、劣化をさらに悪化させてしまいます。

そのため、サイディングカバー工法をおこなう際は専門家のアドバイスを十分に受けて内部の状態を把握し、建物全体の耐久性と安全性を確保することが重要です。

内部構造に不安がある場合は?

木材の腐敗やシロアリの発生に不安がある場合は剥がし調査をする方法があります。サイディング外壁なら部分的な解体調査が可能なため、カバー工法をする前に一度検査してみるとよいでしょう。

剥がし調査についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
>>【写真付き】サイディングで剥がし検査すべき劣化症状は?メリット・費用・実例まで徹底解説

2.次回の工事が高額になる

サイディングカバー工法は一度しかおこなえないため、次回の外壁工事では必ず張り替えが必要になります。

そのため、2回目の工事では重ね張りしたサイディングと既存外壁の両方の撤去費がかかります。長期的な居住を前提にしている場合は、将来の修繕費用を把握しておきましょう。

ただし、カバー工法で新しくしたサイディングを次回はメンテナンスせず、建て替えや引っ越しを検討している場合は例外です。

山下さん

サイディングカバー工法を検討する際は目先のコストだけでなく、将来のメンテナンス費用についても専門業者と相談することが大切です。

3.既存外壁と新しいサイディングの間に結露が発生するリスクがある

サイディングカバー工法は、既存外壁の上に新しい外壁を張り付けます。それにともない外壁の間に湿気がこもり、結露が発生する場合があります。

特に空気の通り道が十分に確保されない「直貼り工法」だと結露が発生し、外壁の劣化や雨漏り、さらには建物内部の腐食やシロアリが発生しかねません。

その対策として、古い外壁と新しい外壁の間に胴縁と呼ばれる建材を配置し、結露を防ぐための空気の通り道を確保する「通気緩衝工法」という施工が必要です。

山下さん

サイディングカバー工法による結露を防ぐためには、正しい知識と技術をもった業者に施工を依頼しましょう。

4.外壁が二重になることで耐震性が下がる

サイディングカバー工法は外壁が二重になることで建物全体の重量が増加するため、耐震性が下がるリスクがあります。

重量が重い建物は地震の影響を受けやすいため、カバー工法に採用するサイディングはなるべく軽い「金属系」か「樹脂系」のサイディングの使用が必須です。

また、建物の築年数、劣化状態によって耐震性は異なるため、サイディングカバー工法を選択する際は専門家に相談することをおすすめします。

最終的な外壁材の選定やリフォーム工法については、施工業者と十分な協議をして判断しましょう。

山下さん

1981年より前に建てられた住宅は、古い耐震基準を採用している可能性があるため要注意です。

サイディングカバー工法に向いている人・向いていない人

サイディングカバー工法は住宅環境やニーズによって向いている人と向いていない人がいます。建物の築年数や劣化度合い、長期的なメンテナンス費用などを総合的に判断し、最適なリフォーム方法を選択しましょう。

コストをおさえたいならカバー工法がおすすめ!

予算をおさえたい場合や、外壁の劣化が進んでいない場合には、サイディングカバー工法がおすすめです。

サイディングカバー工法は、既存外壁の解体や処分費用が不要です。また、施工日数が張替えに比べて短いため人件費の削減にもつながります。

これまで張り替え工事に必要だった費用がサイディングカバー工法にはないため、コストをおさえて外壁を新しくする工事ができます。

外壁の仕上がりイメージがつかめるシミュレーションサイト

サイディングカバー工法で外壁の印象を大きく変える際は、あらかじめ仕上がりを具体的にイメージすることが大切です。

そこで便利なのがカラーシミュレーションアプリやサイトです。外壁塗装の際によく使用されるツールですが、サイディングカバーカバー工法でもイメージをつかむためだけなら十分使えます。

カラーシミュレーションツールについてはこちらの記事で詳しく解説しています。
>>カラーシミュレーション【使えるサイト・アプリ4選】メリット・デメリットまで徹底解説

劣化が進んでいる外壁にはカバー工法は向いていない

外壁の裏側の構造体にダメージを受けている可能性がある場合、サイディングカバー工法は適していません。

特に、雨漏りを放置したことで柱や梁の腐食、シロアリが発生している場合は、サイディングカバー工法では外壁内部の問題が解決されず、むしろ問題が悪化する可能性があります。

もし外側の劣化が著しく進んでいる場合は、建物全体の耐久性や安全性を保つために、外壁の補修や張り替えで対応しましょう。

サイディングカバー工法でよくある質問と回答

サイディングカバー工法でよくある質問をまとめました。カバー工法を採用するか検討する際の参考にしてください。

サイディングカバー工法はデメリットのほうが多い気がする……。張り替えのほうがよいのでしょうか?

サイディングカバー工法はデメリットが多いからといって張り替えのほうがよいとは言えません。サイディングカバー工法か張り替えかを選ぶ際は、自宅に向いているか否かで判断しましょう。人によってはデメリットが些細な問題である場合もあります。向き不向きは建物の「築年数」「耐震性」「劣化度合い」「予算」などを総合的に考える必要があるため、専門業者に相談することおすすめします。

サイディングカバー工法で失敗しないためのポイントはありますか?

サイディングカバー工法を失敗しないためには複数業者に調査と見積りを依頼し、比較したうえで信頼できる業者に施工を依頼しましょう。また、仕上がりをイメージするためにシミュレーションサイトを使うこともおすすめです。

サイディングカバー工法をするならどのタイミングでおこなえばよいですか?

一般的に、外壁の耐用年数は約20年~30年程度ですが、気候条件やメンテナンス頻度によって異なります。外壁の変色や剥がれ、ひび割れなど劣化の進行が目立つようであればサイディングカバー工法をおこなうタイミングです。

サイディングカバー工法のまとめ

サイディングカバー工法は、以下のメリットとデメリットを把握したうえで、自宅に向いているか判断しましょう。

この記事のまとめ

  • 安く外壁のイメージを大きく変えるならサイディングカバー工法が向いている
  • 外壁メンテナンスと一緒に断熱性・防音性を上げたいならサイディングカバー工法
  • 築年数が古く耐震性に不安がある場合、サイディングカバー工法は向かない
  • 木材の腐食やシロアリ被害がある場合は内部の補修ができないため張り替えが適切

サイディングカバー工法は張り替え工事よりも安く、短期間で施工できるためコストをおさえたい人にとっておすすめのメンテナンス方法です。

しかし、サイディングカバー工法を採用するためには建物の劣化状況を把握し、慎重に判断しなければいけません。必要であれば外壁の剥がし調査をすることもあります。

また、サイディングカバー工法は正しい知識と高い技術を持った信頼できる業者に依頼することが重要です。そのためにも、まずはサイディングカバー工法に詳しい専門家に相談することをおすすめします。

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