爽やかで明るい印象の白い外壁。
再塗装のカラーとしても人気です。
しかし、
「汚れが目立つのでは」
「既存の外壁色から変えて似合わなかったらどうしよう」
白色への塗装を躊躇する声も少なくありません。
この記事では、白い外壁に塗装するときに失敗しないためのポイントを解説しています。おすすめの塗料の種類や、白を採用したおしゃれな外観の実例も紹介しているので、ぜひ参考にしてください。
この記事のポイント
- 白い外壁は他の色と調和しやすいため、塗り替えにも向いている
- カラーバリエーションの豊富さから、白の色選びには注意が必要
- 最大のデメリットは、汚れの目立ちやすさ
- 汚れに強い塗料選ぶことで、デメリットをカバーできる
- おしゃれな白い外壁にするなら、屋根や付帯部分の色にも注目
外壁塗装で白を採用するメリット・デメリット
はじめに、白い色に外壁塗装するメリットとデメリットを知っておきましょう。
メリット1:色褪せが目立ちにくい
白い外壁は、色褪せによる退色が目立ちにくいことが利点です。
外壁の色褪せは、紫外線を浴び続けることによって塗料の色味が薄くなる現象。外壁に色褪せが起きると、外観が古びた印象になります。
黒や紺といった濃い色味の外壁ほど色褪せしやすい傾向があります。
白は、元々の色味が薄く色褪せが目立ちにくいため、長期間美しい印象をキープできます。
メリット2:建物が大きく見える
白やベージュなどの明るい色は膨張色です。
外壁に白を採用すると、目の錯覚によって建物が実際よりも大きく感じられます。
たとえば平屋や間口の狭い家を広く見せたい場合には、白い外壁がおすすめです。
メリット3:カラバリが豊富
一口に白と言っても、幅広いカラーバリエーションがあります。
白の色味を使い分けることにより、建物の印象も変えられます。
たとえば、ベージュっぽく淡い色の白なら温かみがあり、ブルーを帯びた白ならクールな印象になります。
また、屋根や付帯部分の色味に合う白を選びましょう。ブラウンの屋根ならクリーム色やベージュっぽい白がおすすめです。
メリット4:色の組み合わせ幅が広い
無彩色である白は、相性良く組み合わせられる色も多いです。
そのため、外壁のカラーコーディネートを幅広く楽しめます。
たとえば、ツートンカラーにしてグレーやブラウンと組み合わせたり、付帯部に濃い色のアクセントカラーを採用したり、組み合わせのデザインで個性を演出できます。
既存のドアや屋根の色とも、相性良く組み合わせやすいです。
メリット5:明るく清潔なイメージを得られる
白は明るく清潔なイメージを作りやすい色です。
色彩心理学では、白色には以下の印象を与える効果があるとされます。
白がもたらす印象
- 明るい
- 爽やか
- 清潔感あがる
- 純粋
- 神聖
- 無垢
清らかなイメージから、好印象な外観作りに役立ちます。
メリット6:周囲の環境に馴染みやすい
白い外壁は、周囲の環境にも調和しやすい色です。
隣にどんな色の建物が並んでいても浮ことはありません。商業的な街並みにもグリーンが多い環境にも、どちらにも似合います。
デメリット1:汚れが目立ちやすい
白い外壁の最大のデメリットは、他の色よりも汚れが目立ちやすいことです。
自動車の排気や雨水によって外壁に汚れがつくと、跡が目立ちやすくなります。また、カビやコケが発生してもよくわかります。
窓の端から雨だれがついている白い外壁の家を見た経験のある方もいるのではないでしょうか。
外壁の汚れは塗料の選び方次第で対策できます。
白色を選ぶ際は、汚れの付きにくい防汚塗料や、セルフクリーニング機能のある塗料を選びましょう。
デメリット2:のっぺりとした印象になりやすい
外装が白一色のみの場合、メリハリがなく無表情な印象になりかねません。
違うカラーと組み合わせて、のっぺりした印象にならないようにコーディネートするのがおすすめです。
たとえば、窓枠にブラウンや黒などの濃い色を合わせると、引き締まった印象になります。
破風やポーチにベージュやグレーなど淡い色が見えると、優しい表情の建物に。ビビットなカラーを雨どいなどに採用して、個性的に見せることもできます。
白は単色ではなく、色の組み合わせを楽しんでいただきたいカラーです。
デメリット3:眩しく感じる場合もある
白い外壁の建物は、日光を反射しやすいです。
周囲から眩しく感じられる場合があるため、太陽光と外壁面の角度で周囲の迷惑にならないことを確認してから、採用を判断しましょう。
白い外壁で失敗しないために確認すべきポイント
おしゃれな白い外壁の家にするなら、以下のポイントを確認しましょう。
白い外壁で失敗しないためのコツ
- 建物の形状や外壁の凹凸で立体感を出す
- 付帯部の色とマッチするか確認する
- 付着しやすい汚れの種類を確認する
- 汚れ対策の塗料を使用する
- 近隣住民と起こりうるトラブルを確認する
建物イメージにあった白を選ぶ
白い外壁にしたい場合は、理想とする外観のイメージを考えておきましょう。
白は色のバリエーションが広いため、少しの色味の違いで印象が変わります。
たとえば、「温かみのある雰囲気にしたい」「クールでスタイリッシュな印象が良い」といった、大まかな方向性が決まっているだけでも選定しやすくなります。
ハウスメーカーなどの施工写真から、好みの外観を探しておくのもおすすめです。
建物のイメージに合わないときは再塗装可能?
外壁塗装の色選びでの失敗に「イメージしていた色と違う」と感じてしまうケースが挙げられます。
残念ながら、個人の主観による色認識の違いは施工不良にあたらず、保証内での再塗装がかなわないことが多いです。
施工前のイメージとのギャップをなくすためには、できるだけ大きい色見本で確認したり、太陽光の下と日陰で色見本を見たり、工夫することをおすすめします。
失敗せずに最適な色を選ぶポイントは、こちらの記事でも詳しく解説しています。
>>外壁塗装でおすすめの色はこれ!自宅に最適な色を選ぶポイントも徹底解説
付帯部の色とマッチするか確認する
外壁の色を選ぶ際には、付帯部の色も確認しておきましょう。
なぜなら、付帯部の色によっては、理想の外観イメージにならないことがあるためです。
たとえば、サッシの枠の色は、外壁メンテナンスでは塗装をおこないません。真っ白の外観を希望して白い外壁を選んだものの、サッシの黒枠が目についてイメージと異なるケースがあります。
外壁塗装では色を変更しない付帯部とも、相性良くマッチする白の色味を選ぶと失敗をなくせます。
付着しやすい汚れの種類を確認する
汚れの目立ちやすい白のデメリットをカバーするため、付着しやすい汚れの種類を確認しておくことも大切です。
建物の立地条件や地域によって、付着しやすい汚れの種類が異なるためです。
たとえば、大きな道路が近く排気汚れが気になる場合は、油汚れに耐性のある塗料を選定しましょう。陽当たりが悪くコケの付着が心配な場合は、撥水性を高めるメンテナンスを重視すべきです。
自宅の白い外壁に付着しやすい汚れの種類を確認できると、対策を講じやすくなります。
汚れ対策の塗料を使用する
白い外壁の汚れを軽減するために、汚れが付着しにくい塗料やセルフクリーニング機能がある塗料を使用することを推奨します。
例えば、ラジカル塗料は、従来の塗料に特殊な成分を混ぜることによって「ラジカル」と呼ばれる劣化因子の発生を抑制した特殊な塗料。一般的な塗料よりも撥水効果を長く維持し、汚れが付着しにくい特性があります。
また、光触媒塗料は、紫外線の力を利用して雨水で汚れを流してくれる、セルフクリーニング機能がある塗料です。
白い外壁の美しさを長くキープするなら、高機能な塗料を厳選することが大切です。
外壁のセルフクリーニングってどんな機能?
セルフクリーニングとは、雨水によって表面の汚れを浮き上がらせ、洗い流すことができる機能のことです。
外壁塗装で選択できる塗料では、光触媒塗料がその代表です。
光触媒塗料のメリットやデメリットについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
>>外壁塗装で光触媒塗料を採用するメリットは?注意点や導入した実際の声まで徹底解説
近隣住民と起こりうるトラブルを確認する
白い外壁は光を反射する特性があり、近隣住民が「急に眩しくなった」と感じる場合があります。
近隣の家の窓が直射日光を反射する位置にあるなら、光沢のある塗料を選ばない、植栽を植えるなどで対策しましょう。
白い外壁をおしゃれに取り入れるポイント
外壁を白く塗り替えるなら、おしゃれな印象にしたいですよね。
白い外壁をおしゃれに見せるポイントをまとめました。
建物の形状や外壁の凹凸で立体感を出す
建物自体に立体感がある形状の場合、のっぺりとした印象になりにくいため、白い外壁がおしゃれな印象になります。
シンプルな形状の建物なら、表面に凹凸がある外壁材を選ぶと陰影によって表情が出やすくなります。
ツートンの採用でデザイン性アップ
ツートンデザインの外壁は、メリハリが付きスタイリッシュな印象になります。
一部をレンガ調などの柄のある外壁にするツートンカラーも、白い部分を引き立たせる方法です。
雨樋やサッシなどの付帯部をアクセントにする
単調な外観にならないために、雨樋やサッシなどの付帯部がアクセントになるような配色にしてみましょう。
白の外壁に濃いグレーや黒が加わると、シャープな印象になります。
個性的にするのなら、写真のような、ビビットなブルーのアクセントもおしゃれ。シンプルな白い外壁だからこそ組み合わせられるコントラストです。
カラーシミュレーションでデザインを検討する
どのような白色にするべきか迷うときは、カラーシミュレーションを活用してください。
事前に完成をイメージでき、おしゃれな外観になる白を見つけやすくなります。
また、塗料の小さな色見本より、実際に外壁に塗られた色の方が明るく見える傾向があります。カラーシミュレーションを利用することで、「イメージと違った」とがっかりする事態を防ぎます。
カラーシミュレーションでツートン外壁も確認できる?
カラーシミュレーションにはさまざまなアプリケーションやツールがあり、多くはツートンカラーの外観もチェックできます。
白色の外壁のシミュレーションをするなら、実際に外壁塗装する塗料でシミュレーションできるツールを選ぶのがおすすめです。
カラーシミュレーションのおすすめアプリや注意点などについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
>>外壁塗装のカラーシミュレーション【使えるサイト・アプリ4選】メリット・デメリットまで徹底解説
白い外壁がおしゃれな建物の【実例5選】
ここからは、白い外壁を採用したおしゃれな建物の実例を紹介します。
フラット屋根
キューブ型の形状の建物には、白い外壁が似合います。
こちらの実例は、フラットな屋根にバルコニーの張り出しがアクセントになった立体的な住まい。シルバーとのツートンカラーがモダンでおしゃれな雰囲気を演出しています。
洋風な勾配屋根
勾配のある屋根でも、白い外壁と合わせるとすっきりとした印象になります。
海外のリゾートのような外観に、横貼りのオフホワイトがマッチしています。海を感じさせる爽やかな住まいです。
白いタイルを取り入れた建物
白と白の掛け合わせもまた、おすすめの組み合わせです。
こちらは、シンプルな無地の白に、白いタイル調を組み合わせた実例。海外の別荘のような風格ある佇まいです。
柄のある外壁はアクセントとして採用すると、派手すぎず品よくまとめられます。
ブラウン×白のツートンカラー
ナチュラルなアイボリー寄りの白い外壁に、ブラウンのポイントがおしゃれさを際立たせる配色です。窓枠がシルバーなので、かわいらしくなりすぎず、モダンで上品な印象を感じます。
ブラックラインで引き締め効果がある建物
ツートンカラーでも、ブラックの範囲が小さいことで洗練された外観の実例です。
凹凸のないオフホワイトのベース壁にもかかわらず、黒のラインのおかげでのっぺりした印象になっていません。塗り壁によって和の品格が溢れる、かっこいいお宅ですね。
外壁塗装の白でよくある質問
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外壁塗装が白いと汚れは落ちにくいですか?
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汚れの落ちにくさは、外壁の白さよりも、塗料の質や劣化具合に大きく影響します。塗料の汚れを防ぐ効果が劣化していると、汚れを落とそうとしてもなかなか元通りになりません。
なお、掃除で落としきれなかった汚れがある場合は、濃い色よりも白い色の外壁のほうが、残る汚れが目立ちやすくなります。
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白い外壁がおすすめできない建物はありますか?
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建物の形状や周囲との関係から、白い外壁を避けるべき建物はありません。
白は他のどんな色とも調和しやすく、汚れが懸念される地域でも塗料で対策が可能です。ただし、地域によっては景観条例が設定されている場合があります。
たとえば、歴史的建造物が多い京都市では、外壁の色は光沢のない薄茶色、または灰色と限られています。
このような景観条例のある地域では、希望の塗装が可能か自治体に確認が必要です。
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白い塗料だと元々の外壁色が透けて見えますか?
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白い塗装を選んだことで、既存の外壁色が透けることはまずありません。なぜなら、外壁塗装は、下塗り・中塗り・上塗りの3回塗装が基本であるため。
元の外壁の色が透けたり、ムラになったりする場合は、塗料や塗装技術に問題が考えられます。
塗料の色にかかわらず、色の透けやムラを避けるには技術の高い優良業者の選定がカギになります。
外壁塗装の白まとめ
白は、清潔・爽やかといったイメージから、好感の高い外観にできる外壁色。
カラーバリエーションの幅が広く、さまざまな色味と調和できる特性から、再塗装の色としてもおすすめです。
ただし、周知のとおり、汚れが目立ちやすい色でもあります。
塗装の際は、以下のポイントを抑えましょう。
白い外壁で失敗しないコツ
- 建物イメージにあった白を選ぶ
- 付帯部の色とマッチするか確認する
- 付着しやすい汚れに合わせた塗料を選ぶ
- 汚れ対策の塗料を使用する
- 反射の光による近隣への影響に配慮する
実例やカラーシミュレーションもしながら、おしゃれで品格のある白い外壁を実現してくださいね。