「外壁塗装に養生って必要なの?」「養生費ってこんなにかかるの?」見積書を見てこのような疑問を抱く方も多いのではないでしょうか。
外壁塗装において養生はとても重要な工程です。養生一つで外壁塗装の仕上がりを左右するといっても過言ではありません。
そこでこの記事では、養生の役割や箇所別の養生期間、養生費の相場について解説します。
この記事でわかること
- 外壁塗装における養生の役割
- 箇所別の養生期間
- 養生費の相場
- 外壁塗装における養生の注意点
外壁塗装における養生【3つの役割】
養生とは、外壁塗装をする箇所以外の場所に塗料が付かないよう、ビニールやシート、マスカーなどで保護することを指します。そんな養生には、以下3つの役割があります。
外壁塗装における養生の役割
- 高圧洗浄時の汚水飛散を防ぐため
- 塗装しない箇所を保護するため
- 仕上がりをきれいにするため
高圧洗浄時の汚水飛散を防ぐため
1つ目の役割は、高圧洗浄時の汚水飛散を防ぐことです。飛散防止ネットを足場に張って養生します。
外壁塗装では、塗装する前に高圧洗浄をおこないます。高圧洗浄の水圧は、人体に怪我を負わせるほど強力なものです。そのため、養生していないと高圧洗浄で飛散した汚水によって周囲はびしょ濡れになり、近隣トラブルのもとになります。
塗装しない箇所に塗料が飛散しないようにするため
2つ目の役割は、塗装しない箇所に塗料が飛散しないようにするためです。
塗料は液体のため、塗っている最中に塗装しない箇所に飛んでしまう可能性があります。そのため、建物全体を飛散防止ネットで覆うほか、窓枠や雨どいなど、塗装しない箇所をビニールやシートを使って養生します。
車や植栽などの養生も忘れてはいけません。
仕上がりをきれいにするため
3つ目の役割は、外壁塗装の仕上がりをきれいにすることです。
養生をきれいに施すことで、まっすぐ塗装できます。養生がガタガタだと塗装も歪んでしまうため、見た目が悪くなります。
したがって、養生は外壁塗装をきれいに仕上げるために非常に重要な工程です。
養生が必要な期間を箇所別に紹介
養生には、箇所によって以下の期間が必要です。
養生が必要な期間
- 建物全体(14日間)
- 窓やポストなどの付帯物(11日間)
- 玄関周り(11日間)
- エアコン室外機(11日間)
- 車(3日~)
1.建物全体(14日間)
建物全体には、飛散防止ネットを使用して養生します。期間は14日間ほどで、足場設置時に紐でくくり付けられます。
建物外に高圧洗浄の汚水や塗料が飛び散るのを防ぐ、重要な養生です。
2.窓やポストなどの付帯物(11日間)
窓やポストなどの付帯物には、マスカーを使用して養生します。マスカーとは、テープとビニールシートが一体化した養生道具のこと。ビニールシートにテープがついていることで養生作業の効率が上がるため、多くの現場で使われている道具です。
マスカーはサイズ展開が豊富なため、付帯物の大きさに合わせて養生できることが特徴です。窓やポストのほか、間接照明やガスメーター、換気口、植栽など、自宅にあるすべての付帯物を塗料の飛散から守ります。期間は、高圧洗浄後~片付け前までの4~8日間ほどです。
外壁塗装では基本的にすべての窓を養生します。
3.玄関周り(11日間)
玄関周りは、ノンスリップシートを使用して養生します。ノンスリップシートは、通常の養生シートよりも滑りにくいことが特徴です。
玄関ドアや玄関ポーチなどを塗料の飛散から守ると同時に、玄関を出入りする方が滑って転倒することを防いでくれます。玄関周りの養生期間は、11日間ほどです。
玄関のほか、ベランダの内側に使用されることも多いです。
4.エアコン室外機(11日間)
エアコンの室外機には、室外機カバーを使用して養生します。室外機カバーは、上から覆うだけで室外機を養生できるものです。
室外機をビニールやシートで密閉してしまうとエアコンの故障につながります。室外機カバーを使うことで空気の道を塞がずに済むため、エアコンも通常どおり使用できます。
期間は、洗浄後~片付け前までの11日間ほどです。
5.車(3日~)
車は、カーシートを使用して養生します。カーシートは、車を丸ごと覆えるシートです。不織布でできているため、車を傷つける心配もありません。
カーシートは、施主の車だけでなく、塗料が飛散する可能性のある近隣の車にも使用することがあります。車の養生期間は、塗装期間中である3日からが目安です。
カーシートはワンタッチで取り外しができるので、外壁塗装中の車の出し入れも可能です。
外壁塗装の養生費はいくらぐらい?30坪住宅で5万~9万円が相場
1㎡あたりの養生費の相場は、以下のとおりです。
養生方法 | 費用相場 |
---|---|
飛散防止ネット | 100~200円/㎡ |
その他の養生 | 200~400円/㎡ |
30坪住宅でおよそ5万~9万円が相場とされており、家の大きさや養生する箇所によって金額が前後します。
見積もり段階で、付帯物や車、植栽など、養生してほしいものをはっきりさせておきましょう。
外壁塗装の養生における3つの注意点
外壁塗装における養生には、以下3つ注意点があります。
外壁塗装の養生における注意点
- 窓が開けられない
- エアコンや換気扇の使用可否を確認する
- 植物を長期間養生すると枯れる恐れがある
1.窓が開けられない
養生している間は、基本的に窓は開けられません。ガラスやサッシの養生は必須なので、窓が開けられないのは避けられないでしょう。
しかし、窓を閉め切ったままだと室内の空気がこもってしまいがちです。どうしても換気したい場合は、事前に外壁塗装業者に相談しましょう。塗装が終わった後であれば、養生を外してもらえる可能性があります。
その際、開けた窓に向かって扇風機を回すことで、こもった空気を効率よく排出できます。
2.エアコンや換気扇の使用可否を確認する
外壁塗装の養生をするときは、事前にエアコンや換気扇の使用可否を確認しましょう。
エアコンや換気扇は、外壁塗装業者によって使用できるところとできないところが分かれています。使用できないのにも関わらず使用してしまうと、思わぬ故障につながりかねません。そのため、必ず事前確認をするようにしてください。
3.植物を長期間養生すると枯れる恐れがある
植物を長期間養生しておくと、枯れてしまう恐れがあります。養生することで、植物に日光が当たらなくなり、酸素が不足してしまうからです。
そのため、植栽などの植物を養生する場合は、塗料を使う期間の3~4日のみ養生してもらいましょう。
外壁塗装の養生でよくある質問と回答
ここからは、外壁塗装の養生でよくある質問にお答えしていきます。
-
どうしても窓を開けたいときはどうしたらよいですか?
-
窓を開けたい旨を事前に業者に相談しましょう。外壁塗装の工程によっては窓を開けられる期間もあります。
-
養生しないで外壁塗装するとどうなりますか?
-
きれいな仕上がりが期待できません。また、自宅の敷地内だけでなく、近隣住宅にも塗料や汚水を飛散させてしまう可能性があります。ご近所トラブルにつながることもあるため、外壁塗装をする際は必ず養生する必要があります。
-
養生をするのにかかる時間はどれくらいですか?
-
養生は1日がかりでおこないます。建物全体、窓、雨どい、玄関、ポスト、照明、車、植栽など、すべての養生を1日かけて丁寧におこないます。
外壁塗装の養生まとめ
外壁塗装における養生には、3つの重要な役割があります。
外壁塗装における養生の役割
- 高圧洗浄時の汚水飛散を防ぐため
- 塗装しない箇所を保護するため
- 仕上がりをきれいにするため
また、養生箇所によって以下の期間が必要です。
箇所別の養生期間
- 建物全体(14日間)
- 窓やポストなどの付帯物(11日間)
- 玄関周り(11日間)
- エアコン室外機(11日間)
- 車(3日~)
- 塗分け部分(10日間)
外壁塗装における養生は、外壁塗装をきれいに仕上げるために重要な工程です。養生の役割や必要期間、費用相場を理解したうえで、丁寧な養生をおこなってくれる業者を選ぶことが納得のいく外壁塗装につながるでしょう。